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資金繰りと融資・約6

融資の団信、入るか迷ったときの判断順

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

団信は、社長に万一のことがあった際の借入返済に備える保険です。保障範囲と必要資金を整理し、加入と代替保険を比べます。

1. 加入の判断は、社長が不在になった後のお金から

融資の団信に入るか迷ったら、社長に万一のことがあったとき、会社に残る借入と現預金を並べてください。創業直後は社長自身が営業も納品も担い、仕事が止まると入金まで途切れがちです。返済に加え、従業員の給与や事務所の家賃をどう払うかも考えます。

借りた人や会社の代表者が死亡した場合などに、保険金を借入返済に充てる仕組みが、団体信用生命保険、通称「団信」です。ただし、対象となる融資、加入できる人、保障内容は制度によって違います。契約する融資に団信が用意されているか、任意加入かどうかを、金融機関の担当者へ確認しましょう。

見積もりを頼む前に、次の情報を一枚にまとめます。

  • 融資実行後の借入残高と毎月の返済額
  • 会社の現預金と、近く支払う予定のお金
  • 社長が仕事を止めても続く給与、家賃、外注費
  • 事業を引き継ぐ人の有無と、休業・廃業時に見込む支出

家族が事業を引き継ぐ予定でも、すぐに同じ売上を作れるとは限りません。借入を返すお金と、会社を続ける・閉じるためのお金を分けると、団信だけで足りるかが見えてきます。

2. 「どんなとき、どの借入が消えるか」を確認する

提示された説明書では、保障の対象となる出来事と、返済される借入を先に読みます。死亡時の保障があっても、病気で働けない間の返済まで保障されるとは限りません。高度障害の保障が付く場合も、保険で定める状態に該当するかで判断されます。

複数の借入があるなら、今回加入する団信がどの契約に対応するかを確認してください。一つの融資で加入したからといって、別の金融機関の借入まで返済されるわけではありません。

契約前には、担当者から次の項目を説明してもらいます。

  • 保障対象となる人と、保険金が支払われる条件
  • 返済の対象となる借入と、保障される金額の範囲
  • 保障が始まる日、終わる日、途中で終了する条件
  • 保険金が支払われない場合と、請求の窓口
  • 代表者交代や借換えをした場合の扱い

法人の借入について、社長や家族がどの責任を負うかは、保証契約などによって変わります。「社長が亡くなれば家族が全額返す」「会社の借入だから家族には関係ない」と決めつけず、融資契約と保証の内容を金融機関に確認します。

3. 料金は、家族の保険と目的を分けて比べる

保障内容が分かったら、加入時だけでなく、返済期間中の負担を確認します。保険料や特約料の支払い方法は制度ごとに異なり、別途支払うものや金利に上乗せするものなどがあります。初年度の金額だけでは、比較しにくい場合があります。

すでに生命保険に入っていても、それで会社の返済を賄えるとは限りません。死亡保険金の受取人が家族なら、会社に直接お金が入る契約ではありません。家族の生活費として用意した保険を、借入返済にも使う前提にすると、生活の備えが減ってしまいます。

既存の保険証券を取り出して、次を確認します。

  • 誰に万一のことがあったときの保障か
  • 保険金を誰が受け取る契約か
  • 保障額と保障期間がどれくらいか
  • 家族の生活費と会社の資金に、それぞれいくら必要か

同じ保険金を、家族の生活費と会社の返済資金に二重に数えないようにします。団信の費用と代替保険の保険料は、保障期間、支払条件、受取人をそろえて比較してください。法人が負担する保険料などの税務処理は、契約内容を示して税理士に確認します。

4. 団信を見送るなら、代わりの保障まで手配する

加入する理由が強くなるのは、社長への依存が高く、万一の際に返済へ回せる資金が少ない場合です。一方、会社が受け取れる既存の保障や、支払い予定を差し引いた現預金で対応できるなら、団信を追加する必要性は変わります。

見送る場合の候補には、一定期間の死亡などを保障する定期保険があります。法人を契約者・受取人、社長を保障の対象とする契約などについて、保険会社や代理店に相談します。団信と支払条件が同じとは限らないため、保険料だけで決めないでください。

手続きは、融資契約の直前まで放置せず、条件の提示を受けた段階で進めます。

  • 借入返済と事業継続・廃業に必要な保障額を整理する
  • 保険会社や代理店に、受取人と保障期間を指定して見積もりを頼む
  • 申込みに必要な告知や診査、書類を確認する
  • 引受けの結果、保障開始日、保険料の支払い状況を確認する

健康状態などによっては、希望どおりの条件で加入できない場合があります。申込みを済ませただけで、保障が始まったと考えないでください。融資実行日との間に保障の空白が生じるなら、その期間の対応を金融機関と保険会社に相談します。既存の保険の解約も、新しい契約の成立と保障開始を確認してから判断します。

5. 契約書をしまう前に、請求する人を決めておく

団信に入っても、家族や従業員が契約の存在を知らなければ、請求の連絡が遅れます。融資実行後は、金融機関名、借入の契約番号、保険の窓口、書類の保管場所を一枚にまとめ、対応を頼む人へ共有してください。

保険金で返済されるまでの手続きや時間も確認しておきます。社長の不在と同時に、口座振替や取引先への支払いがすべて止まるわけではありません。

  • 万一の際に金融機関へ連絡する人を決める
  • 請求に必要な書類と、その案内を受ける窓口を記録する
  • 手続き中の返済と会社の支払いについて確認する

借入が増えたとき、代表者が変わるとき、借換えをするときには、保障との対応を見直します。最初の契約内容を、そのまま次の融資にも当てはめないようにしましょう。

6. 今日やること

融資担当者へ団信の説明書と費用の資料を依頼し、手元の保険証券と並べます。加入するかの返事は、保障の対象と不足するお金を確認してから出しましょう。

  • 借入残高、現預金、社長不在でも続く支払いを書き出す
  • 団信の保障条件、費用、申込期限を担当者に確認する
  • 既存保険の受取人と保障額を確認し、不足があれば代替保険の見積もりを頼む

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