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資金繰りと融資・約6

社長の退職金、共済はいつからいくら積む?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

小規模企業共済は、社長個人で退職後のお金を積み立てる制度です。加入時期、無理のない掛金、確定申告までの順序を整理します。

1. 加入は、社長個人の家計が見えてから

小規模企業共済は、役員報酬から生活費を払った後に、続けて積み立てる余裕が見えてから始めます。設立直後に急いで上限まで掛ける必要はありません。

会社を辞めた後の生活に備え、経営者自身が掛金を納める制度が小規模企業共済です。廃業や役員退任など、受け取る理由によって共済金等の扱いが変わります。会社が社長へ払う役員退職金とは別に、個人で準備するお金です。

登記したばかりなら、先に役員報酬と毎月の生活費を並べてください。会社の口座に残高があっても、社長の家計に余裕があるとは限りません。個人の預金を会社の運転資金に回す予定があれば、その分も積立余力から外します。

  • 役員報酬の手取りで、毎月の生活費を払えるか
  • 近いうちに、個人のお金を会社へ貸す予定がないか
  • 急な出費に使える個人の預金を残せるか

生活費の不足を預金で補っている間は、加入を待つ判断もあります。退職用に積み立てるお金と、今使うお金を分けてから掛金を決めましょう。

2. 一人社長でも、加入条件を確認する

従業員がいない会社の役員も、加入対象になり得ます。会社の設立から一定期間が過ぎるまで待つ制度ではありません。ただし、役員なら誰でも加入できるわけではなく、業種や常時使用する従業員数などの条件があります。

従業員数の基準は業種に応じて原則5人以下または20人以下です(中小機構)。従業員0〜3人の会社なら人数の基準内に見えても、事業の実態や役員としての立場を含めて確認します。複数の会社で役員を務めている場合などは、申込前に中小機構へ事情を伝えてください。

加入できそうだと分かったら、申込窓口を選び、必要書類を案内に沿ってそろえます。法人役員は、役員であることを確認するための登記事項証明書などが必要です。証明書を取り寄せる前に、利用する申込方法の案内を確認すると取り直しを減らせます。

  • 主な事業の内容と、常時使用する従業員数を整理する
  • 法人役員としての加入資格を中小機構に確認する
  • 申込方法に応じた必要書類と本人名義の口座を用意する

税理士に加入を検討していることを伝え、掛金の候補額を相談してください。加入資格は中小機構、所得控除の効果は税理士、と確認先を分けると話が進みます。

3. 掛金は、節税額より続けられる額で決める

掛金は月額1,000円から7万円まで、500円単位で設定でき、加入後の増額・減額も可能です(中小機構)。創業1年目は、売上が伸びた月の勢いで決めず、社長個人の収入が少ない月にも払える額から考えます。

まず、手取りの役員報酬から生活費と個人で払う税金、近く予定している支出への積立を引きます。残った額を全部共済に回さず、自由に使える預金を増やす分も残してください。報酬額を決めたばかりなら、実際の手取りと家計の支出が分かるまで、小さく始める方法もあります。

納めた掛金は、社長個人の所得から差し引く控除の対象です。ただし、払った金額がそのまま税金から戻るわけではありません。所得や他の控除によって税負担の減り方は変わり、課税される所得が少なければ、効果も限られます。

会社の経費として扱わないでください。社長個人の所得控除の対象です。 法人の利益を減らすつもりで加入しないようにしましょう。支払いは個人名義の口座で管理すると、会社のお金と混ざりにくくなります。

  • 最初の掛金は、毎月の家計から無理なく出せる額にする
  • 役員報酬や生活費が変わったら、掛金も見直す
  • 年末に増額を考える前に、所得と手元の預金を確認する

4. 途中で使いそうなお金は入れない

任意解約では、掛金の納付月数が240か月、つまり20年未満だと、受け取る解約手当金が掛金合計額を下回ります(中小機構)。短期の預金代わりに使うには向きません。

この条件は、自分の都合で解約する場合の話です。会社の解散や役員退任などでは、年齢や退任理由によって請求できるものが変わります。「会社を辞めれば、いつでも同じ条件で受け取れる」とは考えず、受取事由を確認してください。掛金を途中で増減した場合も、単純に加入年数だけでは判断できません。

来年の引越し代や、会社の資金不足に備えるお金まで入れると、必要になったときに解約を迫られます。支払いが重くなったら、解約手続きをする前に減額を検討します。

  • 近い時期に使う予定のお金は、預金で残す
  • 家計が苦しくなったら、減額手続きの時期を確認する
  • 退任や解約の前に、受取条件と見込額を中小機構に聞く

5. 控除は、払った年の証明書から申告へ

所得控除の対象は、その年に実際に支払った掛金の全額です(国税庁)。申込書に書いた月額を単純に12倍するのではなく、その年に納めた額を確認します。年末の申込みでは初回の払込みが翌年になる場合もあるため、控除したい年が決まっているなら支払時期も調べてください。

申告で使う正式な名前は「小規模企業共済等掛金控除」です。届いた掛金の控除証明書を保管し、記載された対象年と金額を確認します。法人の決算資料に混ぜず、社長個人の税金用のフォルダに入れておくと探さずに済みます。

役員報酬の年末調整で控除を受ける方法もあります。確定申告で控除する場合は、年末調整に反映済みかを源泉徴収票で確認してください。反映済みの掛金を、追加分として重ねて申告しないようにします。

  • 掛金の控除証明書と、役員報酬の源泉徴収票をそろえる
  • 年末調整で控除を受けたか、給与計算の担当者に確認する
  • 確定申告書の該当欄に反映し、提出方法に応じて証明書を扱う

会社の顧問契約には、社長個人の確定申告が含まれるとは限りません。依頼する範囲と費用、証明書を渡す時期は税理士に確認します。受取り時にも課税の扱いがあるため、将来の退任が具体化した段階で、会社からの退職金と併せて相談してください。

6. 今日やること

まずは個人の家計から掛金の候補を出し、その額で始められるか確認します。申込みと同時に、控除を誰が処理するかまで決めておきましょう。

  • 役員報酬の手取りと生活費を書き出し、続けられる掛金額を決める
  • 中小機構の加入資格と申込案内で、自社の条件と必要書類を確認する
  • 税理士に候補額を伝え、年末調整か確定申告か、控除の手順を決める

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