本文へ進む
創業GO!
ログイン

資金繰りと融資・約5

振込先変更のメール、払う前に確かめよう

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

振込先の変更は、以前から使っている連絡先で確かめます。確認から口座登録、振込までの順番を決めておきましょう。

1. 振込先の変更は、いったん支払いを止める

「今月から振込先が変わりました」というメールが届いたら、その請求分の振込を保留にします。急いでいると、請求書の金額だけを見て、口座番号をコピーしがちです。創業直後から、口座変更は確認を済ませてから反映すると決めておきましょう。

普段の担当者名で届いていても、過去のメールと同じ署名があっても、それだけで相手の依頼とは判断できません。メールの不正利用などで、取引先を装った変更依頼が届くことがあります。いつものやり取りへの返信に見える場合も、確認を省かないでください。

受信した段階では登録口座を上書きせず、変更前の情報と届いたメールを残します。予約済みの振込があるなら、その内容も確認します。

  • 変更を求められた請求書と支払期日を確認する
  • 変更前の口座情報と変更依頼のメールを残す
  • 未確認の口座への振込予約があれば、停止や取消の方法を確認する

「今日中にお願いします」と書かれていても、順番は変えません。期日が迫っている場合は、元の連絡先で事情を伝え、確認にかかる時間と支払いの扱いを相談します。

2. 電話は、メールに書かれた番号へかけない

確認には、取引を始めたときの契約書、保管してある名刺、以前から使っている電話帳などを使います。変更メールの署名にある番号や、添付された案内の番号は、相手が新しく差し込んだ可能性があります。

変更依頼と別の経路で、以前から知っている相手に確かめるのが基本です。同じメールに「本当ですか」と返信しても、そのメールを第三者が使っていれば確認になりません。

いつもの担当者に電話がつながったら、「振込先変更の連絡を受けたので確認しています」と切り出します。変更の有無だけで終わらせず、どの支払いから新口座を使うのかまで聞きます。

  • 会社として振込先を変更したか
  • 新しい銀行名、支店名、預金種目、口座番号、口座名義は何か
  • どの請求分から変更し、旧口座への振込予約をどう扱うか

口座情報は、手元のメールを読み上げて「はい」と答えてもらうだけで済ませず、先方が管理する情報を伝えてもらい、照合します。

担当者が不在なら、以前から把握している代表番号を通じて経理担当者につないでもらいます。名刺も過去の連絡先もない初取引では、変更メール内のリンクに頼らず、契約時の資料などから連絡経路を確かめてください。つながらない間は、未確認のまま登録を進めない扱いにします。

3. 口座名義が違ったら、理由も聞く

電話で「変更しました」と返事があっても、請求元と口座名義が違うなら、もう一段確認します。法人との取引なのに個人名義になった、別会社の名前になった、国内取引なのに海外口座を指定された、といった変更です。

名義の違いだけで不正と決めつける必要はありません。ただし、「社長の口座なので」「グループ会社なので」という説明だけで支払いを進めると、後から誰に支払ったのか整理しにくくなります。請求元が指定した受取人であることを、既知の窓口を通じて確認し、書面で残し、迷う場合は税理士に確認しましょう。

  • 口座名義が請求元と異なる理由を聞く
  • その口座への支払いを請求元が指定しているか確認する
  • 変更通知と、確認した相手・日時・内容を保存する

振込画面に表示される名義は、入力した口座との照合には役立ちます。ただ、それだけで請求元が指定した口座だとは分かりません。略称やカナ表記の違いも、推測で読み替えず先方に確かめます。

4. 確認記録を残してから、登録口座を更新する

確認できたら、短い記録を作って口座を更新します。一人会社なら、請求書を保存しているフォルダに確認メモを置く程度から始められます。「誰が見ても、なぜ変更したか分かる」状態にしておけば、翌月に同じ確認を繰り返さずに済みます。

記録する項目は、次の内容です。

  • 変更前と変更後の口座情報
  • 適用する請求分と変更日
  • 確認した日時、相手の氏名、使った連絡先
  • 登録を更新した人と確認した人

更新する場所は、ネットバンキングだけとは限りません。会計ソフト、支払管理表、振込用のデータにも旧口座が残っていないか調べます。登録済み口座を直したら予約済みの振込も変わる、とは考えず、予約内容は別に確認してください。

従業員が支払準備をしている会社なら、担当者が入力し、社長が確認記録と登録内容を照合します。一人で行う場合は、入力後にいったん画面を離れ、確認メモを開き直して見比べると、転記の間違いを見つけやすくなります。

5. 振込直前に照合し、疑わしければ銀行へ連絡する

最後に、支払対象の請求書、確認済みの口座情報、振込画面を並べます。新しい口座へ振り込むことに気を取られると、金額や請求月を取り違えたり、旧口座への予約と二重になったりします。

  • 振込先と口座名義が確認記録と一致しているか
  • 金額と支払日が対象の請求書に合っているか
  • 同じ請求分の振込予約や支払済み記録がないか

振込後に「先方は変更を依頼していない」と分かったら、振込元の銀行へすぐに連絡します。振込日時、金額、振込先、受付番号を手元に置き、詐欺の疑いを伝え「組戻し」手続き等を相談してください。被害拡大を防ぐため、取引先側の確認や回答を待たずにすぐ動きます。

あわせて警察へ相談し、取引先には元の連絡先で知らせます。メール、添付ファイル、確認記録、振込控えは削除せず保管してください。

6. 今日やること

次の支払日までに、口座変更を受けたときの確認先と手順をそろえます。まずは支払いが近い取引先から着手しましょう。

  • 主な取引先の、以前から使っている電話番号を支払管理表に記入する
  • 「変更依頼を保存→元の連絡先で確認→記録→口座更新→振込前照合」の手順を残す
  • 次回の振込予定を開き、未確認の口座変更や旧口座への予約がないか点検する

次の一歩

事前登録すると開始時に案内が届き、資料56本が開けます。