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商談で答えられない質問、どう持ち帰る?
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
商談で答えられない質問は、条件を聞いて持ち帰ります。確認先と回答期限を決め、相手が判断できる返事を届けましょう。
1. 分からないときは、答えられる範囲を区切る
商談で答えられない質問には、その場で推測を返さず、何を確認していつ返すかを伝えます。創業直後は、営業も実務も社長が担当し、価格や納期の基準も固まりきっていません。質問を持ち帰る場面はあって自然です。ただ、「確認します」だけで終えると、相手は返事を待つべきか、別の会社を探すべきか迷います。
たとえば「来月から利用できますか」と聞かれたとします。通常の準備期間は分かっていても、外注先の空き状況が未確認なら、開始日まで約束しないようにします。「通常の準備期間なら間に合う日程です。ただ、担当者の予定を確認してから、開始可能日をお返しします」と区切って答えます。
- 分かっていることは、その場で伝えます。
- 未確認の条件は、何が残っているか説明します。
- 回答を約束する前に、相手が必要とする日を聞きます。
仕事を受けたい気持ちと、約束できる範囲を分けます。 商談中の「たぶん大丈夫です」が、相手の社内では「対応可能と確認済み」に変わることもあります。
2. メモには質問と「何のために」を残す
質問の言葉だけをメモすると、あとで確認先に説明する際に困ります。「データは移せますか」という問いでも、過去の履歴を全部移したいのか、顧客名簿だけあればよいのかで、調べる内容も費用も変わります。
その場では「移したいデータの種類と、今お使いの形式を教えていただけますか」と条件を聞きます。続けて「導入するかの判断に必要ですか。それとも、導入後の進め方を確認したいですか」と尋ねると、回答の優先度が見えてきます。聞き直す際は、相手の説明を短く言い換えて、認識が合っているか確かめます。
記録には、次の項目をそろえます。専用のシステムを導入せず、普段の商談メモに欄を足すだけでも始められます。
- 質問と、相手が実現したいこと
- 対象となる商品・作業・数量などの条件
- 相手の判断に必要な日
- その場で伝えた内容と、まだ約束していない内容
商談の最後に「持ち帰るのは、データの移行範囲と追加費用の二点ですね」と読み上げます。聞き漏らしをその場で直せるうえ、互いに何の回答を待っているかがそろいます。
3. 確認先と期限は、質問ごとに決める
商談が終わったら、次の仕事に入る前に質問ごとの確認先を決めます。従業員がいない会社でも、仕入れ先、外注先、利用中のサービスの窓口など、答えを確かめる相手はいるはずです。価格や対応範囲のように社長自身が決める質問なら、判断に必要な原価や作業時間を洗い出します。
問い合わせる際は、質問の転送だけで済ませず、「この条件で対応できるか」「難しければ、どの条件を変えればよいか」まで尋ねます。顧客名や資料を渡す場合も、確認に必要な範囲に絞ります。
- 仕様は、仕入れ先や提供元の資料・窓口に確認します。
- 納期は、実際に作業する人の予定と必要な準備を確認します。
- 追加費用は、作業量と外部への支払額を確認します。
- 契約条件は、契約書と自社で受けられる範囲を確認します。
相手への回答期限と、確認先から返事をもらう期限は分けます。 回答を整える時間を残すためです。外注先の返答時期が読めないなら、「明日までに結論を出します」と約束せず、「明日の夕方までに、確認状況と回答見込みをご連絡します」と伝えます。
商談後のメールにも、持ち帰った質問と約束した連絡日を残しておきます。連絡日が相手の判断に間に合わなければ、その時点で調整します。
4. 返事は、結論・条件・次の判断の順で
回答がそろったら、相手の質問に直接答える一文から書きます。確認に手間がかかった経緯を先に並べると、知りたい答えが埋もれます。
たとえば「顧客名簿の移行には対応できます。現在のデータが指定の形式で出力できることが条件です。購入履歴の移行は今回の対応範囲に含みません」と返します。そのうえで、形式を確かめる方法や追加費用、日程への影響を示します。金額や作業範囲が当初の提案から変わるなら、メールだけで済ませず、見積書や提案書も直します。
- 対応の可否を、質問ごとに回答します。
- 対応できる条件と、対象外の範囲を添えます。
- 相手に確認してほしい事項と、次の手順を示します。
条件付きの回答なのに冒頭で「問題ありません」と言い切ると、後半が読み飛ばされるおそれがあります。「指定形式で出力できれば対応可能です」と、条件を結論に含めるほうが伝わります。
急ぎで電話した場合も、終了後に同じ内容をメールで送ります。相手が社内に転送しても判断できる文章にしておくと、説明の食い違いを減らせます。
5. 結論が出ない日も、約束した時刻に返す
確認先から返事が来なくても、顧客への連絡は滞らせません。約束の時刻までに結論が出ないと分かった段階で、判明した部分、残っている確認、次に連絡する時刻を伝えます。
「確認中です」だけでは、相手は予定を組めません。「移行範囲は確認できました。追加費用は外注先の見積もり待ちです。明日正午までに、未確定の場合も状況をご連絡します」と書けば、何が止まっているかが分かります。
相手の判断日までに間に合わない場合は、待ってもらう以外の進め方も検討します。
- 確定した範囲だけで、先に判断してもらいます。
- 未確認の作業を外した案を提示します。
- 開始日や対応範囲の変更を相談します。
案件が終わったら、実際に答えた内容と根拠を商談メモへ戻します。次回も使える回答には、確認日と適用条件を添えます。価格や外注先の予定まで以前のまま使わないようにします。
6. 今日やること
次の商談から使えるように、質問を受けてから返すまでの置き場を一つ決めます。
- 商談メモに「質問・条件・確認先・回答期限」の欄を作ります。
- 返事を保留している質問を確認し、次の連絡日を相手へ伝えます。
- カレンダーに確認先への督促と、顧客への回答予定を登録します。