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経営の数字・約6分

自動化ツール、月何時間減れば元が取れる?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

月額だけで選ぶと、設定や確認の手間を見落とします。実際に減る時間を測り、導入の負担を何か月で取り戻せるか計算しましょう。

1. 契約前に、減らしたい作業を一つ選ぶ

自動化ツールは、毎月減る作業時間で、利用料と最初の設定の負担を取り戻せるか計算してから契約します。「便利そう」で導入すると、設定が終わらないまま月額だけ払うことになりかねません。

創業1年目なら、まず繰り返し発生する作業を一つ選びます。問い合わせ内容を管理表に転記する、予約情報をカレンダーに登録する、といった範囲です。仕事の流れがまだ変わりやすい時期なので、会社全体の仕組みを一度に組むと、作り直しにも時間を取られます。

候補を決めたら、普段の作業で次の項目を記録してください。

  • ひと月に処理する件数
  • 1件を処理するのにかかる時間
  • 入力ミスの修正や確認にかかる時間

月末だけの作業なら、直近の月末分を測ります。忙しかった一日だけを基準にせず、通常の月にどれだけ発生しているかを押さえましょう。

2. 自動化した後も残る手間を引く

試用では、今と同じ作業を終えるまでの時間を比べます。転記が終わっても、毎回内容を確認し、失敗した分を手入力するなら、その時間は残ります。

削減時間は「今の作業時間-導入後に残る時間」です。 ツールが動いている時間の長さではありません。処理中に別の仕事を進められるなら、待ち時間と手を動かす時間も分けて記録します。

例えば、月に合計8時間かかる作業が、自動化後は確認と修正に3時間かかるとします。この仮定では、月の削減時間は5時間です。8時間すべてを効果に数えると、判断が甘くなります。

試用中は、うまく処理できたものだけでなく、例外も混ぜて確かめます。

  • 入力欄が空いている場合
  • 同じ内容が重複して届く場合
  • 途中で修正や取り消しが入る場合

連携が止まったときの復旧や、月ごとの設定変更も運用の手間です。従業員が使うなら、社長だけで試さず、実際の担当者の確認時間まで測ってください。

3. 月額をまかなうには何時間必要?

減らせる時間が見えたら、その時間をいくらとして評価するか決めます。自分で行う定型作業なら、同じ仕事を外注する場合の見積額を時間で割る方法があります。外注の予定がなければ、社内の比較用に仮の時間単価を置き、その根拠もメモします。

ここで決める単価は、将来の売上予想ではありません。空いた時間で営業する予定でも、受注が決まっていない売上をそのまま効果に足すのは避けます。

次に、候補の料金表から必要な費用を拾います。表示されている基本料金だけでは足りない場合があります。

  • 利用人数に応じた料金
  • 処理件数に応じた追加料金
  • 連携に必要な別サービスの料金

これらを合計した月間利用料を、時間単価で割ります。

月額をまかなう削減時間=月間利用料÷時間単価

実測した削減時間がこの時間を上回れば、時間を金額に換算した効果が月額を上回ります。同じ効果を二重に数えないよう、外注費の削減額を直接使う場合は、その作業時間の換算額を重ねて足さないでください。

4. 設定の負担は何か月で戻る?

毎月の効果が利用料を上回っても、最初の設定に何日も費やすなら、導入直後には元が取れません。操作を覚える時間やデータの整理も、導入のために使う時間として数えます。

契約前に、次の作業を誰が担当するか決め、必要な時間を見積もります。

  • 初期設定と既存データの整理
  • 接続テストと不具合の修正
  • 担当者への説明と手順書の作成

計算は次の順です。費用の税込み・税抜きもそろえてください。

初期負担=設定などの合計時間×時間単価+初期費用

毎月の差引効果=月の削減時間×時間単価-月間利用料

回収月数=初期負担÷毎月の差引効果

毎月の差引効果がゼロ以下なら、その条件では初期負担を回収できません。 対象作業を変えるか、料金の低いプランで足りるかを検討します。

例えば、初期負担が自分の作業12時間分に相当し、利用料を引いた毎月の効果が作業3時間分なら、回収には稼働後4か月かかる計算です。これは計算方法を示す仮定です。稼働までに準備期間があれば、その期間も加えて契約日からの回収時期を見ます。

創業直後は処理件数が読みにくいため、通常の件数と、注文が少ない月の件数で計算し直しましょう。回収前に業務のやり方が変わりそうなら、小さく試す方が負担を抑えられます。

5. 時間が戻っても、預金が増えるとは限らない

一人社長の作業が減っても、役員報酬が同じなら、その分だけ会社の支出が減るわけではありません。計算上の回収と、実際のお金の回収は分けて判断します。

削減時間の金額換算は、預金の増加額ではありません。 時間を取り戻すための投資として選ぶ場合も、利用料を払えるかは別に確認してください。

導入を決める前に、次の予定を一緒に書きます。

  • 空いた時間で進める仕事
  • 初期費用と利用料の支払時期
  • 実測結果を見直す日と解約の申出期限

年払いなら、月割りの料金だけでなく、最初に出ていく全額を確認します。試用後の自動課金や最低利用期間も、契約画面で確認しておきましょう。

導入後は、通常の業務をひと月回した時点で再計算します。削減時間が想定より少なければ、設定を直す時間も含めて継続を判断します。「設定に苦労したから」という理由だけで払い続けないために、見直す日を先に入れておくと判断しやすくなります。

6. 今日やること

契約画面を開く前に、普段の作業一つについて計算の材料をそろえましょう。

  • 自動化したい作業を一つ選び、件数と確認・修正を含む作業時間を記録する。
  • 候補ツールの月間利用料、初期費用、設定に使う時間を一枚に書く。
  • 試用で測る項目と見直す日を決め、月額をまかなう時間と回収月数を計算する。

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