税金と消費税・約6分
決算月を変えたい、いつ誰に相談する?
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
決算月を変えるなら、希望する月が来る前に税理士へ相談します。変更理由を整理し、申告や納税の日程を確かめて手続きを進めましょう。
1. 変えたい月が来る前に、税理士へ相談する
決算月を変えたいと思ったら、変更を決める前に税理士へ相談してください。変更後に迎えたい決算月より前に、今期をいつ終えるか、申告と納税がいつになるかを確認します。
設立時は、登記の準備に追われて決算月まで考えられなかったかもしれません。営業を始めてから「繁忙期と重なって資料をそろえられない」「売上代金が入る前に納税時期が来る」と気づくこともあります。決算月は変更を検討できますが、希望する月に書き換えるだけでは済みません。
相談は、現在の決算月と希望する決算月のうち、先に来る月を待たずに始めます。 すでに終わった事業年度を後から変える前提では進めないでください。変更が今期に間に合うかは、定款と日付を見ながら税理士に確認します。
まだ顧問税理士が決まっていなければ、決算月変更について単発で相談できるか問い合わせましょう。面談には次の情報を用意します。
- 会社の設立日と、定款に記載された事業年度
- 現在の決算月と、変更したい決算月
- 変更したい理由と、いつから変えたいか
- 直近の帳簿、預金残高、今後の入出金予定
「何月がよいですか」と丸ごと任せるより、困っている月とその理由を伝えたほうが、事業に合う候補を絞れます。
2. 決算作業と納税を、別々の月で考える
変更理由は「忙しいから」で止めず、何の作業がいつ重なるのかまで整理します。商品の数を数える棚卸し、未請求の仕事の確認、領収書の整理など、社長が対応する作業をカレンダーに置いてみてください。
税理士へ記帳を任せていても、納品が終わっているか、在庫が実際にあるかは会社側で確認します。従業員が少ないうちは、社長が動ける時期を選ぶ意味があります。
一方、決算月に余裕があっても、納税時期にお金が足りなければ負担は残ります。法人税の確定申告と納付は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です(国税庁)。申告期限の延長などがある場合の扱いは税理士に確認してください。
候補の月ごとに、次の予定を並べます。
- 決算前後の受注、納品、棚卸しの予定
- 決算後の資料提出と、申告内容を確認する時間
- 納税時期までの売上入金と、仕入れ代金の支払い
- 決算報酬、保険料、借入返済などの支出
季節によって売上が偏る会社なら、繁忙期に得た利益まで含めて年間の見通しを立てやすいかも検討します。ただし、創業直後の数か月だけでは季節性を判断しにくいため、変更せず資料の提出日を早める方法で解決しないかも確かめましょう。
3. 変更した年は、短い決算が入ることがある
決算月を動かすと、切り替えのために通常より短い事業年度を設けることがあります。
たとえば、現在の事業年度が4月から翌年3月までで、12月決算へ変えたい場合、4月から12月までの9か月で一度決算を行い、その後は1月から12月までにする形が考えられます。実際にこの日程を取れるかは、変更を決議する時期も含めて確認してください。
決算月の変更で、次の申告と納税が前倒しになる場合があります。 「決算を先に延ばせば、税金を払うのも後になる」と考えて動くと、想定と逆になるおそれがあります。単純に今期を長くできるとは限りません。
短い期でも決算や申告の作業は発生します。税理士の決算報酬が月数に応じて減るかどうかも、契約によるため確認が必要です。変更前に、少なくとも次の点を書面やメールで回答してもらいましょう。
- 切り替えの事業年度が、いつからいつまでになるか
- その期と次の期の申告・納税が、いつになるか
- 決算報酬や変更手続きの費用が、どう変わるか
- 消費税の納税義務や、選択している制度に影響があるか
設立間もない会社では、消費税の免税期間を気にする方もいるでしょう。「設立から2年間は免税」と月数で数えたり、決算月を変えれば免税期間が延びると判断したりせず、インボイス登録の有無なども伝えて税理士に確認します。
4. 定款を変更してから、税務の届出を進める
候補の日程と費用に納得したら、会社として決定する手続きに進みます。株式会社で定款に事業年度を定めている場合は、原則として株主総会の特別決議によって定款を変更します。自分だけが株主の会社でも、決議内容を議事録として残します。
合同会社は株式会社と決定方法が異なります。定款の内容と会社形態に応じた手続きを確認してください。税理士には税務上の日程と届出を相談し、定款変更や議事録の作り方で迷う場合は、司法書士への相談も検討します。
手続きの順番は、次のように整理できます。
- 変更後の事業年度と、切り替える期の日付を確定する
- 会社形態と定款に沿って決定し、議事録などを残す
- 税務署へ異動届出書を提出する
- 都道府県と市区町村へ、必要な異動届を提出する
- 会計ソフトや社内の締め日程を更新する
税務署への異動届出書は、異動後速やかに提出する扱いです(国税庁)。地方税の提出先や期限、添付書類は自治体で確認します。事業年度そのものは通常、登記事項ではないため、決算月だけの変更で法務局への変更登記は通常不要です。
依頼時には、誰がどの届出を出すかまで決めてください。 提出後は、届出書の控えと電子申告の受信通知などを会社でも保管します。融資を受けている場合は金融機関への連絡要否も確かめ、会計ソフトの期間設定は税理士と調整してから変更しましょう。
5. 今日やること
まずは定款を開き、今期の終了日を確認してください。変更理由と希望月を添えて相談日を決めれば、手続きの前に日程と費用を比べられます。
- 定款の事業年度を確認し、現在の決算月と希望する月を書き出す
- 繁忙期、売上の入金月、まとまった支出月をカレンダーに記入する
- 税理士へ、変更できる時期と次の申告・納税日、追加費用を問い合わせる