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税金と消費税・約6

役員報酬はいくらにして、いつ変える?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

役員報酬は、生活費と会社の支払余力を見て決めます。毎月同額の基本と、変更時期、社会保険への影響を整理します。

1. 会社のお金から、必要な分だけ引き出さないようにします

一人社長でも、会社のお金と個人のお金は別です。個人事業のような感覚で、生活費が足りるたびに会社の口座から引き出すと、役員報酬なのか、立替経費の精算なのか、貸付けなのかが分からなくなります。

役員報酬は、代表が会社から受け取る仕事の対価です。税務上、会社の経費である損金に算入するには要件があります。創業時は、毎月の支給額をそろえる定期同額給与を基本に考えると整理しやすくなります。

  • 毎月の役員報酬は、額面の金額と支給日を決めます。
  • 会社の経費を個人で立て替えた分は、証憑を付けて別に精算します。
  • 臨時に会社からお金を受け取る前に、税理士へ処理を確認します。

役員への賞与には、事前の届出など別の取扱いがあります。売上が増えた月だけ追加で受け取る方法は、毎月の報酬と同じようには扱えません。

2. 金額は、生活費と会社の資金繰りから決めます

最初に、家賃や食費など、個人として毎月必要な支出を書き出します。次に、会社側で売上の入金予定、家賃、外注費、借入返済などを並べます。生活費だけで決めると会社が苦しくなり、会社の節税だけで決めると個人の暮らしが続きません。

役員報酬の額面と、口座に振り込まれる手取りは異なります。源泉所得税や社会保険料などが差し引かれるため、生活費として必要な手取りから逆算して検討します。住民税の徴収方法も確認しておきましょう。

会社側では、額面報酬に加えて会社負担の社会保険料も見込みます。報酬を上げると、会社から出るお金は額面の増加分だけでは済まない場合があります。

  • 個人側では、毎月必要な手取りと個人資金の余裕を確認します。
  • 会社側では、売上が予定より遅れても支払を続けられるか確認します。
  • 税理士には、候補額ごとの手取り、会社負担、税負担の概算を依頼します。

候補額は少なめ・中間・多めのように複数置き、同じ売上予測で比べます。利益が出そうだから高くする前に、売上代金がいつ入るかまで確認してください。最初の決算まで毎月払える額かどうかが、判断の出発点です。

3. 定期同額給与は、毎月の額面をそろえるのが基本です

定期同額給与は、一般に、1か月以下の一定期間ごとに支給し、各支給時期の支給額が同額である給与を指します。通常の報酬改定は、原則として事業年度開始の日から3か月以内に行う枠組みです(国税庁)。

新設法人では、設立後の早い段階で初回の支給日と月額を決め、税理士に損金算入の扱いを確認します。「3か月以内なら、それまでは毎月違う額でもよい」という意味ではありません。支給開始が遅れる場合も、自己判断で過去分をまとめ払いせず相談してください。

決めた内容は、会社の機関設計に応じた手続きで記録します。株式会社なら株主総会の決議などが関係します。一人会社でも、口頭で決めただけにせず、後から内容を確認できるようにします。

  • 月額報酬、支給日、支給開始月を決めます。
  • 会社形態に合った決議書や議事録などを残します。
  • 給与台帳と振込記録を保管し、決定内容と照合します。

社会保険料や源泉所得税の変動で手取りが変わっても、それだけで額面報酬を変更したことにはなりません。額面と手取りを分けて管理しましょう。

4. 期の途中で変えるときは、振込前に相談します

通常の見直しは、次の事業年度が始まったところで検討します。決算直前から翌期の資金繰りを試算しておくと、新年度に入ってから慌てずに決められます。

期の途中でも、職務上の地位や職務内容の重大な変更などによる改定、経営状況の著しい悪化などによる減額について、税務上認められる場合があります。ただし、一時的に資金が足りない、売上目標に届かなかったという事情だけでは、認められないことがあります(国税庁)。

  • 変更したい理由と、いつ事情が変わったかを書き出します。
  • 売上推移、資金繰り表、職務変更の資料などを用意します。
  • 変更後の振込をする前に、損金算入への影響を税理士に確認します。

要件に沿わない変更では、報酬の一部などが会社の損金に算入されない場合があります。会社の経費にならないからといって、受け取った役員個人の給与課税がなくなるわけではありません。増減額する前の確認が大切です。

5. 社会保険は、報酬変更と別に手続きを確認します

法人の事業所は、代表者だけの場合も含め、原則として健康保険・厚生年金保険の適用対象です。代表者本人の加入は、報酬や勤務実態などを踏まえて確認します(日本年金機構)。「従業員がいないので社会保険は関係ない」と考えないようにしましょう。

保険料は、報酬を一定の幅で区分した標準報酬月額などを基に決まります。役員報酬を変えても、その月から保険料が同じ割合で変わるとは限りません。

固定的賃金の変更後、3か月の報酬を基に、原則2等級以上の差が生じるなどの要件を満たすと、随時改定の対象になります。通常は変更後4か月目から標準報酬月額が改定されます(日本年金機構)。

  • 報酬変更後の会社負担と本人負担を確認します。
  • 月額変更届などの提出が必要か確認します。
  • 保険料の変更時期を給与計算と資金繰り表に反映します。

税務は税理士、社会保険の届出や加入判断は年金事務所・社会保険労務士に確認します。税務上の改定手続きだけで、社会保険の手続きまで終わるわけではありません。

6. 今日やること

すでに報酬を払い始めている場合は、現状の確認から進めます。

  • 必要な生活費と会社の支払予定を並べ、無理なく続けられる報酬候補を出します。
  • 設立日または事業年度開始日、現在の月額、決議記録、支給日を確認します。
  • 税理士へ報酬案を送り、社会保険の負担額と届出も担当窓口へ確認します。

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