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税金と消費税・約6

紙の契約書、印紙を貼る前に確認しよう

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

印紙が必要かどうかは、契約書の名前より中身で決まります。内容、金額、原本の部数を順に確認し、締結前に判断しましょう。

1. 印刷する前に、何を約束する契約か読む

契約書に印紙が必要かどうかは、書かれている取引の内容で判断します。「業務委託契約書」という題名だけで印紙を貼ると、不要な書類に貼ったり、必要な額を間違えたりします。

創業直後は、取引先から届いたひな型をそのまま使う機会が多いものです。先方の「印紙はいつもこの額です」という説明だけで進めず、自社が引き受ける仕事と支払条件を読んでから確認しましょう。

印紙税は、法律で定められた種類の文書を作成したときにかかる税金です。契約書なら何でも課税されるわけではありません。まず、署名前の案から次の箇所を拾います。

  • 何を納めるか、どんな仕事を引き受けるか
  • 何をしたら仕事が完了した扱いになるか
  • 代金はいくらか、どう計算するか
  • 単発の注文か、繰り返す取引の共通条件か

判断の出発点は、書類の名前より約束の中身です。 「覚書」「注文請書」という名前でも、内容によって印紙税の対象になります(国税庁)。

2. 「作って納める」と「業務を行う」の違いを確認する必要があります

たとえば、ホームページを完成させて納め、その完成に対して代金を受け取る契約は、仕事の完成を約束する「請負」に当たる可能性があります。請負に関する契約書は、印紙税の対象となる文書の一つです。

一方、毎月の相談に応じる、事務作業を継続して行うといった契約では、仕事の完成まで約束しているのかを読みます。業務を行うことを引き受ける「委任・準委任」に当たる場合もあり、業務委託という呼び方だけでは区別できません。

月額払いなら印紙が不要、成果物があればすべて請負、と機械的に決めるのも避けたいところです。契約全体を読まないと判断しにくい場合があります。

  • 完成や納品を約束している条項を確認する
  • 検収や修正対応の条件を確認する
  • 報酬が発生する条件を確認する

さらに、継続する取引の共通条件を定めた基本契約書は、別の区分で課税される場合があります。契約金額が書かれていなくても、印紙が不要とは限りません(国税庁)。

内容が混在していたら、無理に自分で区分を決めず、税理士に確認してください。該当する条項に印を付けて送ると、確認してほしい点が伝わります。

3. 金額欄だけで印紙代を決めない

文書の区分が分かったら、国税庁の印紙税額一覧表で該当する欄を確認します。請負に関する契約書などでは、記載された契約金額によって税額が変わります。

ただし、表紙に大きく書かれた金額だけを見れば済むとは限りません。月額と契約期間から総額を計算できる場合や、単価と数量が書かれている場合もあります。本文、別紙、見積書への参照までそろえて確認しましょう。

消費税の書き方も確認が必要です。請負に関する契約書など一定の文書では、消費税額等が区分して記載されている場合、その額を契約金額へ含めず判定する扱いがあります。すべての文書に共通する扱いではないため、税込総額しか書かれていないときは税理士に確認してください(国税庁)。

  • 月額、期間、数量から計算できる金額を確認する
  • 消費税額等が区分して書かれているか確認する
  • 別紙や参照先に代金の定めがないか確認する

契約を変更する覚書では、増額か減額か、元の契約との関係をどう記載したかによって扱いが変わります。たとえば、代金を100万円から120万円へ変更するなら、元の契約の日付や変更前後の金額が覚書に記載されているかを確認します。前回と同じ印紙を貼る前に、元の契約書と変更案を一緒に確認します。

印紙の購入は、署名する最終版の内容と金額が固まってからです。

4. 原本は何通作る?電子契約との違い

紙の契約書を二通作り、双方が署名・押印して一通ずつ保管する場合は、それぞれの文書について印紙の要否を判断します。一方だけに貼れば二通分を納めた扱いにはなりません(国税庁)。

単に複写した控えと、契約成立を証明するために作った文書は分けて考えます。「写し」と印字していても、署名・押印などがあり、契約を証明する目的で作成していれば課税対象になる場合があります。

契約案を取引先へ送る際に、次の順で決め、合意した内容をメールなどに残します。

  • 紙で締結するか、電子契約で締結するかを決める
  • 紙の場合は原本の部数と、それぞれの保管者を決める
  • 印紙を用意する側と、費用の負担方法を決める

電磁的記録で契約を締結する電子契約では、その電子契約の締結に際して作成される文書に印紙税はかかりません。ただし、電子で締結した後、別途、紙でも契約成立を証明する文書を作れば、その紙について判断が必要です(国税庁)。

メールを使っただけで電子契約になるわけでもありません。PDFを送り、印刷した紙に双方が署名・押印する運用なら、紙の契約書として確認します。

5. 貼った後は消印まで済ませて保管する

印紙が必要と確認できたら、所定の額の収入印紙を貼り、印紙と契約書の紙面にまたがって印章または署名で消印します。これは印紙の再使用を防ぐための処理です。貼ったままで終わらせないようにします(国税庁)。

締結後は、契約書を保管する際に処理漏れを確認しましょう。一人社長なら、署名済みの書類が戻ってきた日に済ませると、請求や納品が始まってから探し直す手間を減らせます。

  • 契約金額と必要な印紙額が合っているか見る
  • 印紙と紙面にまたがる消印を確認する
  • 原本の保管場所と締結日を記録する

貼り忘れに気づいた場合は、自己判断で処理を終えず、税理士や税務署に対応を確認してください。逆に、不要な文書に貼った場合や多く納めた場合には、還付を受けられる手続きがあります。印紙を剥がす前に相談します(国税庁)。

6. 今日やること

次に締結する契約書を一通開き、仕事内容、代金、締結方法を確認してください。判断に迷う箇所を残したまま印刷せず、最終案を添えて税理士に確認しましょう。

  • 仕事の完成条件、契約金額、契約期間に印を付ける
  • 取引先と紙・電子の別、原本の部数、印紙の費用負担を決める
  • 税理士に最終案を送り、印紙の要否・区分・税額を確認する

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