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税金と消費税・約6

消費税の計算方法、選ぶ前に何を比べる?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

簡易課税と原則課税は、売上だけでは選べません。経費や設備投資の予定をそろえ、届出前に税理士へ相談する順番を整理します。

1. 売上と支出を同じ期間で比べましょう

消費税の計算方法は、売上と経費に加え、設備を買う予定まで並べてから選びます。「簡易課税のほうが楽そう」と届出を出す前に、まず税理士へ、比較したい年度を伝えてください。

設立して間もない会社なら、直近までの実績に、決算までの見込みを足します。すでに翌期の仕事が見えている場合は、翌期分も別に作ります。開業時にパソコンや備品をまとめて買った年と、追加購入が少ない年では、計算結果が変わるためです。

ただし、最初に確かめるのは、自社に消費税の申告・納税義務があるかです。免税の会社なら、計算方法の比較より先に、いつから課税されるかを整理します。

  • インボイス登録の有無と登録日を確認します。
  • 設立日、決算月、資本金を伝えます。
  • 過去に提出した消費税の届出書を集めます。

創業期には負担を軽減する経過措置が関係する場合もあります。対象期間や要件は税理士に確認し、今回比べる選択肢に含めるかを決めましょう。

2. 原則課税は実際の仕入れ、簡易課税は売上から計算

売上にかかる消費税から、仕入れや経費にかかる控除対象の消費税を差し引くのが、原則課税の基本です。請求書に消費税が書かれていても、全額をそのまま差し引けるとは限りません。取引内容やインボイスの保存状況などを確認して計算します。

一方、簡易課税は、実際に払った経費の消費税を積み上げず、売上にかかる消費税と事業区分ごとの割合を使います。この割合を「みなし仕入率」と呼び、事業区分に応じて40〜90%が定められています(国税庁)。

たとえば、給与を払っても、そこに消費税はかかりません。人件費が多い会社と、商品の仕入れが多い会社では、同じ売上・同じ利益でも原則課税の計算結果が違います。損益計算書の経費合計だけで判断しないようにします。

  • 商品の仕入れや外注費は、取引内容と請求書を確認します。
  • 給与や社会保険料は、消費税のかかる支出と分けます。
  • 複数の事業がある場合は、売上を仕事内容ごとに分けます。

利益の多さだけで、どちらが有利かは決まりません。 登記した事業目的だけで区分を決めず、実際に何を提供して得た売上なのかを税理士に説明してください。

3. 比較資料には、まだ払っていない支出も入れる

相談用の資料は、会計ソフトから出した月別の売上・経費一覧を土台にします。記帳が追いついていなければ、発行した請求書、受け取った請求書、通帳の明細をそろえ、未入力の月を伝えます。

そこへ、これから発生する支出を足してください。契約前の設備購入は見積書、外注の増加は発注予定、採用は入社予定月と給与の見込みを使います。金額が決まっていないものは「検討中」と書けば十分です。

特に設備投資は、購入代金と会計上の経費が一致しない場合があります。減価償却費だけを渡すと、購入に伴う消費税の比較に必要な情報が抜けます。購入額に加えて、納品・引渡しの予定も共有しましょう。

  • 月別の売上実績と、期末までの売上見込みを用意します。
  • 経費を仕入れ、外注費、家賃、給与などに分けます。
  • 設備の見積書と、購入・納品の予定月を添えます。
  • 主な仕入れ先のインボイス登録状況を確認します。

税理士には、同じ売上・支出の想定で両方を試算してもらいます。さらに、予定している設備を買わなかった場合も比べると、計画変更で判断が変わるかが分かります。

今年だけでなく、翌期の支出予定まで比較表に入れましょう。 簡易課税を選ぶと、実際の仕入れが増えても、その額を使って税額を計算し直す仕組みにはなりません。

4. 相談は決算前、届出期限は先に確認

翌期から簡易課税を使いたい場合、選択届出書の提出期限は、原則として適用を受ける課税期間の初日の前日です(国税庁)。通常の事業年度なら、翌期が始まる前の今期末が目安になります。決算申告の打ち合わせまで待つと、原則の期限を過ぎてしまいます。

社内の予定としては、決算の数か月前に比較を依頼すると進めやすくなります。設立直後なら、最初の税務相談で届出期限を確認してください。新設法人や経過措置の対象者には届出時期の特例があり、使えるかを個別に確認する必要があります。

簡易課税は、原則として前々事業年度に当たる「基準期間」の課税売上高が5,000万円以下の場合に選択できます。ただし、この条件だけで利用可否は決まりません(国税庁)。

また、選択すると原則として2年間はやめられません。一定の資産取得に伴い、選択や変更が制限される場合もあります(国税庁)。

  • 自社に適用される提出期限を日付で確認します。
  • 簡易課税を選べる条件と、変更の制限を確認します。
  • 誰が届出を提出し、誰が受付結果を保管するか決めます。

5. 税額に加えて、事務負担と購入予定で決める

試算が届いたら、税額の差が何から生まれたかを聞きます。仕入れが少ないためか、設備投資があるためなのか。理由が分かれば、受注や購入の予定が変わったときに、再相談すべきか判断しやすくなります。

原則課税では、仕入れ側の書類や取引内容の確認が計算に影響します。簡易課税でも、帳簿や証憑の保存が不要になるわけではありません。売上の事業区分を分ける作業も含め、自分が毎月何を渡すのか聞いておきましょう。

  • 両方式の納税見込みと、その差の理由を確認します。
  • 毎月必要な資料と、記帳・申告の料金を確認します。
  • 設備購入や事業内容が変わった際の相談時期を決めます。

選んだ理由は、試算表と一緒に短く残します。「翌期は設備購入を予定している」など、判断の前提を書いておくと、次の見直しに使えます。

6. 今日やること

まずは届出期限を確認し、比較に足りない資料を集める日を予定に入れてください。税理士が未定なら、相談先へ決算月とインボイス登録状況を伝え、期限確認から依頼します。

  • 提出済みの消費税の届出書を探し、決算月とともにまとめます。
  • 売上・経費の実績に、期末と翌期までの設備購入予定を添えます。
  • 税理士へ「簡易課税と原則課税の比較、届出期限を確認したい」と連絡します。

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