本文へ進む
創業GO!
ログイン

税金と消費税・約6分

会社で寄付する前に、税理士に何を聞く?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

会社の寄付は、相手や使い道によって税務の扱いが変わります。支払前に確認する区分と、受け取る証明書を整理します。

1. 振り込む前に、募集案内を税理士へ送る

会社で寄付するときは、支払う前に寄付先の正式名称と募集案内を税理士へ送り、税務上の区分と必要書類を確認します。「社会の役に立つ寄付だから、全額経費になるだろう」と考えて振り込むと、決算で想定と違う扱いになる場合があります。

帳簿で費用に記録した金額と、法人税を計算するときに差し引ける金額は、同じとは限りません。税金の計算上、差し引ける費用を「損金」と呼びます。寄付した金額が、そのまま税金から引かれるわけではありません。

創業した年は、知人からの協力依頼や地域の活動への参加をきっかけに、寄付を考えることもあるでしょう。口頭の説明だけで決めず、次の情報をそろえて相談します。

  • 寄付先の正式名称と、募集内容が分かる資料
  • 予定金額、支払予定日、寄付する目的
  • 返礼品や広告掲載など、受け取るものの有無
  • 会社名義で発行してもらえる書類の種類

税理士が未定なら、まず募集先に書類の見本を頼みます。税負担が減ることを前提に金額を決めたい場合は、支払いより先に税務相談の予定を入れてください。

2. 「NPOへの寄付」だけでは区分が決まらない

寄付先の名前に「公益」「NPO」と入っていても、それだけで扱いを判断できません。法人の資格に加え、どの事業への寄付なのかも確認します。

法人の寄付には、一般の寄附金として限度額の範囲で損金になるもの、別枠の限度額が設けられるもの、要件を満たせば全額が損金になるものがあります。国や地方公共団体への寄付、財務大臣が指定する寄付などは、一般の寄附金とは扱いが異なります(国税庁)。

相談するときは「経費になりますか」で終わらせず、「今回の募集はどの区分ですか」と聞くと、必要書類の話まで進みます。

  • 国や自治体への寄付は、支払先と寄付の条件を確認する
  • 公益法人などへの寄付は、対象事業と適用される区分を確認する
  • NPO法人への寄付は、認定の有無や有効期間を確認する
  • 任意団体などへの寄付は、一般の寄附金に当たるか確認する

認定NPO法人などへの一定の寄付には、一般の寄附金と別枠の扱いがあります。一方、認定を受けていないNPO法人への寄付に、同じ扱いがそのまま適用されるわけではありません(国税庁)。

募金サイトや仲介団体を通す場合は、画面に表示された支援先と、領収書を発行する相手が違うこともあります。募集ページと振込先の情報を両方渡し、税理士に確認しましょう。

3. 領収書に加えて、何の証明が必要か聞く

支払いの証拠があっても、税務上の優遇を受ける要件まで示せるとは限りません。振込明細は送金の記録になりますが、寄付先の資格や、そのお金を使う事業の内容までは読み取れないためです。

必要な書類は、振り込む前に税理士へ確認します。そのうえで寄付先へ、発行の可否と受取時期を問い合わせます。「寄付金の証明書をください」だけでは、相手と想定する書類がずれることがあります。

  • 会社の正式名称を宛名にした領収書や受領証
  • 適用する区分に応じた、資格や対象事業を示す証明書類
  • 寄付の目的、使途、条件が分かる募集要項や申込控え
  • 支払日と金額が分かる振込明細などの記録

寄付先によっては、受領証に必要な情報がまとめられています。すべての寄付で同じ証明書が要るわけではないので、見本を税理士に見てもらうと話が早くなります。

社長個人の名前で申し込み、会社口座から支払うと、誰の寄付なのか確認が必要になります。申込名義、受領証の宛名、支払口座は会社にそろえましょう。発行が決算後になる場合は、その予定日も税理士に伝えます。

4. 協賛金に広告が付くなら、内容も伝える

地域の催しへの「協賛金」でも、パンフレットへの広告掲載料を含む場合があります。反対に、名称が協賛金でも、実態は見返りのない寄付という場合もあります。

税務では、支払いの名前だけでなく、会社が何を受け取るのかを見て判断します。広告掲載があるからといって、直ちに全額を広告宣伝費にしてよいとは限りません。掲載の内容や金額との関係を税理士に確認します。

  • 社名掲載だけか、商品やサービスの広告も載るか
  • 掲載する媒体、期間、広告の大きさは決まっているか
  • 入場券、商品、会食などが金額に含まれているか

申込書や料金表に内訳があれば、そのまま渡してください。寄付と広告の部分を分ける必要があるか、消費税をどう扱うかも、支払前に聞いておくと記帳時に迷いにくくなります。

5. 今期に差し引ける額と、手元に残る額を分ける

区分が分かったら、「予定額のうち今期の損金になる見込みはいくらですか」と聞きます。一般の寄附金などの限度額は、会社の資本金等や所得などに応じて計算されます。創業したばかりで利益が読めない時期は、決算まで金額が動く可能性もあります(国税庁)。

限度額を超えて損金にならない部分が出ても、寄付先からお金が戻るわけではありません。赤字の見込みなら、寄付によって今期の法人税が減る効果を見込めるのかも確認が必要です。

  • 今期に差し引ける見込額と、計算の前提を聞く
  • すでに今期行ったほかの寄付も伝える
  • 支払時期が今期の処理にどう影響するか聞く

寄付金は原則として実際に支払った事業年度で扱うため、申込済みでも未払いなら処理が変わります(国税庁)。決算直前は、支払方法と日付を税理士に確認してください。

寄付の予算は、税金が減る見込みを差し引かず、支払う全額で考えます。給与、仕入れ、家賃、納税のためのお金を残し、そのうえで支援に回せる額を決めましょう。

6. 今日やること

候補の寄付先が決まっているなら、申込画面を進める前に募集資料を保存します。税理士への相談には、金額と支払予定日も添えてください。

  • 募集案内、寄付先の正式名称、予定金額をまとめて税理士へ送る
  • 寄付の区分と必要な証明書を聞き、寄付先へ発行可否を確認する
  • 寄付額の全額を支出予定に入れ、支払後の預金残高を確かめる

次の一歩

事前登録すると開始時に案内が届き、資料56本が開けます。