税金と消費税・約6分
納税証明書を求められたら、何を取る?
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
納税証明書は、提出先によって必要な種類や対象年度が違います。創業直後の確認事項から、請求と提出までの順番を整理します。
1. 取りに行く前に、提出先へ種類を聞く
納税証明書を求められたら、まず提出先に正式名称と対象期間を聞きます。「会社の納税証明書をお願いします」という一言だけで税務署へ行くと、必要な書類と違うものを取ってしまうおそれがあります。
融資の相談や取引先への登録では、案内メールの本文だけでなく、添付の必要書類一覧も確認してください。「その3の3」「法人税」「直近の事業年度」などの指定があれば、その部分を控えます。記載が足りなければ、担当者に次の項目をまとめて聞きましょう。
- 証明書の正式名称と、必要な税目
- 対象となる事業年度や期間
- 発行日から何か月以内という指定の有無
- 紙の原本、写し、電子データのどれを受け付けるか
- 必要な部数と提出期限
メールなら「当社は設立後初めての取得です。必要な証明書の種類、対象期間、提出形式をご指定ください」と送れば十分です。
取得する書類は、提出先の指定を確認してから決めます。 税務署は証明内容を案内できますが、提出先が何を審査したいかまでは判断できません。指定を文字で受け取っておくと、税理士への相談や窓口での説明も進めやすくなります。
2. 国税の証明書は「何を証明するか」で選ぶ
税務署で取る納税証明書には、税額を示すものと、未納がないことを示すものがあります。番号が似ていても、記載される内容は同じではありません。
法人で求められることがある主な区分は、次のとおりです(国税庁)。
- その1:納付すべき税額、納付済みの税額、未納税額などを証明します。
- その2:法人税の所得金額を証明します。
- その3:指定した税目について、未納の税額がないことを証明します。
- その3の3:法人税と消費税及び地方消費税について、未納の税額がないことを証明します。
たとえば「法人税の納付額を確認したい」という依頼と、「税金の未納がないか確認したい」という依頼では、必要な証明内容が変わります。「その3の3を取れば全部足りる」と考えず、番号まで照合してください。ただし、税理士に確認してください。
また、「その2」に載る所得金額は売上高ではありません。取引先から売上規模の資料も求められているなら、決算書などが別に必要か確認します。
納税した際の領収証書や申告書の控えも、納税証明書とは別の書類です。手元にある資料で代用したい場合は、送る前に提出先の了承を得ます。
3. 「何年度分」は、開始日と終了日で合わせる
会社の対象期間は、カレンダーの1月から12月とは限りません。初年度は設立日から決算日までが短い会社もあり、「今年の分」「昨年度分」という聞き方では食い違いが生じます。
提出先から直近の事業年度を指定されたら、申告書の控えなどを見ながら、期間の開始日と終了日を伝えて合わせます。税額や所得を証明するものと、未納がないことを証明するものでは、年度指定の考え方も異なります。請求画面に対象年度の欄があるかどうかも、選んだ証明書によって確認してください。
創業1年目なら、次の状況を先に整理します。
- 初めての決算を迎えているか
- 決算後の申告を済ませているか
- 納付手続きをした直後ではないか
初回申告前なら、その事実を提出先に先に伝えます。 「未申告だから何も取れない」「納税していないから未納扱いになる」と自己判断せず、税理士に確認してください。未納がないことの証明で足りるのか、別の資料が必要かを聞き、そのうえで税務署に発行可能な内容を確認します。
納付直後は、その情報が証明書に反映されるまで時間がかかる場合もあります。提出を急ぐときは、納付日と納付方法を税務署に伝え、持参する資料を確認してください。
4. 法人住民税なら、税務署以外の窓口へ
「法人の税金だから税務署」と決めてしまうと、地方税の証明書を取り損ねます。法人税などの国税は税務署、法人住民税や法人事業税などの地方税は、該当する自治体の窓口で扱います。
書類一覧に「国税・地方税の納税証明書」とあれば、複数の窓口への請求が必要な場合があります。会社の所在地をもとに、自治体の公式案内で担当部署を調べます。
- 法人税、消費税及び地方消費税:所轄税務署の案内を確認します。
- 都道府県が扱う法人住民税や法人事業税:都道府県税事務所などに確認します。
- 市町村が扱う法人住民税:市町村の担当窓口に確認します。
東京23区など、扱いが異なる地域もあります。また、地方税の証明書の名称や請求方法は自治体によって違います。「その3の3」という国税の番号を、そのまま地方税の窓口に伝えても通じません。税理士に確認してください。
設立後に本店を移した会社は、対象期間の税金をどこに申告したかも確認します。判断に迷ったら、提出先の依頼文を税理士に送り、必要な窓口を整理してもらいます。
5. 受取方法を決め、届いた内容を照合する
国税の納税証明書は、窓口や郵送のほか、e-Taxによるオンライン請求も用意されています。電子データで受け取る方法と、書面で受け取る方法があるため、提出形式に合う方法を選びます(国税庁)。
すでにe-Taxを使っていても、普段の申告を税理士に任せているなら、社長自身がすぐログインできるとは限りません。提出期限から逆算して、誰が請求するかを先に決めてください。
- 代表者が請求するなら、必要な本人確認書類や利用環境を確認します。
- 従業員や税理士に頼むなら、委任状などの必要書類を確認します。
- 郵送で受け取るなら、手数料の支払方法と返信用封筒などを確認します。
手数料や必要書類は、請求先と取得方法の案内で確認します。税理士へ依頼する場合は、取得の代行費用と受取予定日も聞いておきます。
届いたら、会社名、証明書の種類、税目、対象期間、発行日を依頼内容と照合します。電子データは提出先が指定する方法で送り、紙で提出する場合も社内確認用の控えを残します。取得日と提出先を記録しておけば、次に同じ依頼が来たときの手間が減ります。
6. 今日やること
まず依頼メールを開き、種類と対象期間の指定を探してください。不足している項目を一度に問い合わせると、取り直しを減らせます。
- 提出先へ、正式名称・対象期間・提出形式・期限を確認します。
- 初回申告の有無と直近の納付状況を、手元の資料や税理士に確認します。
- 請求先と受取方法を決め、取得を担当する人と請求日を決めます。