売上をつくる・約6分
お客さんの担当交代、何を引き継いでもらう?
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
担当交代の連絡が来たら、進行中の仕事と合意事項を一枚にまとめます。交代前に後任との確認日を決め、納品や請求の行き違いを防ぎます。
お客さんから担当交代の連絡が来たら、交代前に合意事項を一枚にまとめ、後任と確認する日を決めます。「引き継いでおきます」という返事だけで待っていると、次の納品時に話が通じず、確認からやり直すことがあります。
創業したばかりの会社では、代表が営業から納品まで担い、細かな約束を頭の中で覚えていることも多いものです。相手の担当者も同じなら、交代を機に約束の根拠が見えなくなります。まずは、いま動いている仕事から整理しましょう。
1. 交代の連絡には、次の予定を添えて返す
連絡を受けた日か翌営業日を目安に、お礼とともに、直近の納品や打ち合わせの予定を返信します。そのうえで、旧担当者がいつまで対応できるかを尋ねます。最終出社日まで通常どおり連絡がつくとは限らないため、質問を受けてもらえる日も確認しておきます。
聞きたいのは後任の名前だけではありません。担当が替わる日と、仕事の承認をする人が替わる日は別の場合があります。
- 旧担当者が対応できる最終日
- 後任の氏名・部署・連絡先
- 交代期間中の問い合わせ先
- 次の納品物を確認する人と、その確認予定日
後任が未定なら、部署の共通窓口や上司など、当面の連絡先を教えてもらいます。旧担当者から後任への紹介メールに自社をCCに加えてもらえると、その後の連絡を始めやすくなります。
2. 一枚に残すのは、経緯より現在の約束
引き継ぎ資料は、メールを最初から読み直さなくても、次に何をするか分かる形にします。書き出す順番は、仕事の目的、決まった条件、進行状況、未決事項です。契約書や見積書がある内容は、資料名と保存先を添えます。
たとえば制作の仕事なら、「修正対応あり」だけでは、後任はどこまで依頼してよいか判断できません。合意済みの回数や対象を、見積書などに沿って書きます。口頭で追加した約束は、いつ、誰と、何を決めたかを記し、旧担当者に確認してもらいます。
- 依頼の目的と、今回納めるもの
- 金額・作業範囲・納期・支払条件
- 完了した作業と、現在進めている作業
- 相手の返答待ち事項と、返答が必要な日
- 次の提出日と、双方が担当する作業
合意済みの内容と、提案中の内容は分けて書きます。「追加作業について相談した」を「追加作業を受注した」と扱うと、交代後に金額や範囲を巡って食い違います。「提案済み・回答待ち」と書けば、後任も判断を引き継げます。
一枚に収まらない詳しい経緯は、別の資料に回します。冒頭だけで直近の予定が分かれば、忙しい後任にも目を通してもらいやすくなります。
3. 「この内容で合っていますか」を交代前に送る
資料を作ったら、旧担当者に内容の確認を依頼します。「社内で共有してください」だけで終えず、「認識が違う箇所と、まだ決まっていない箇所を教えてください」と頼みます。
返信の希望日は、旧担当者が対応できる期間内に置きます。納品が迫っている場合は、資料全体の返答を待つより、納期・作業範囲・確認者を先に聞くほうが仕事を進めやすくなります。
- 認識の違う条件がないか確認してもらう
- 口頭の約束を文章で確かめてもらう
- 後任へ渡した資料と、その共有日を知らせてもらう
返事がない項目は「未確認」と残します。返事がないことを同意とみなして書き換えたりせず、その項目を後任との打ち合わせに持ち越します。旧担当者の返答があっても、契約内容を変更する話が含まれるなら、社内の承認が済んでいるかを別に確認します。
4. 後任との確認日は、次の納品より前に置く
可能なら交代前に、旧担当者・後任・自分の三者で短い打ち合わせを設定します。難しい場合も、後任との確認日だけは先に決めます。目安は、次の納品や追加作業の着手より前です。
冒頭では、依頼の目的と現在地を短く伝えます。その後、資料を上から読み上げるより、「次に当社が出すもの」「御社に確認いただくこと」「未決事項」の順に話すと、その場で役割を決めやすくなります。
- 次回の提出物と提出日を確認する
- 確認結果を返してもらう日を決める
- 未決事項を誰が判断するか決める
- 今後使うメールや共有フォルダを確かめる
後任から「進め方を変えたい」と言われたら、希望と理由を聞き、費用や納期への影響を持ち帰って整理します。挨拶の場で追加対応まで引き受ける必要はありません。変更内容と条件を文章で確認してから着手します。
打ち合わせ後は、その日のうちを目安に決定事項を送ります。参加できなかった人にも分かるよう、担当者名と日付を添えておきましょう。
5. 請求先と承認者も、忘れずに確かめる
窓口の担当者が替わっても、請求処理は経理部門が担うことがあります。一方、担当者の社内承認がないと支払いに進まない会社もあります。進行中の仕事を引き継げても、請求の連絡先が旧担当者のままでは、入金確認の際に行き違いが起きます。
納品の連絡先と請求の連絡先は、それぞれ確認します。未払いの請求がある場合は、請求書番号・対象の仕事・支払期日を一覧にして、担当交代後の問い合わせ先を聞いておきます。
- 請求書の送付先と宛名
- 納品内容を確認し、社内承認する人
- 送付済みで未払いの請求書の引き継ぎ先
- 交代前後に必要な申請や再提出の有無
交代後、最初の納品では、受領したかに加えて、予定どおり確認が進んでいるかも尋ねます。一度流れが通ったら、相手と相談して通常の連絡頻度に戻します。
6. 今日やること
交代の連絡が届いている取引先を一社選び、次の納品予定から逆算して動きます。資料を整え切る前でも、確認日の候補は送れます。
- 旧担当者に、対応できる最終日と後任の連絡先を尋ねます。
- 合意事項・進行状況・未決事項を一枚にまとめ、内容の確認を頼みます。
- 次の納品前に後任との確認日を設け、請求と承認の窓口も確かめます。