届出と保険・約6分
会社のパソコンを捨てる前にすること
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
会社のパソコンは、データ移行と動作確認を済ませた後、消去します。回収先の選び方と、処分後に残す記録まで順番を決めます。
会社のパソコンは、新しい端末で仕事ができると確認してから、古い端末のデータを消します。 回収日は、その確認に使う時間を見込んで決めてください。一人社長の会社では、請求書や銀行へのログイン手段が一台に集まりがちです。処分を急いで、翌月の請求や振込が止まる事態を防ぎましょう。
1. まず「何を処分するか」と回収先を決める
買い替えが決まった日に、古い端末のメーカー、型番、製造番号を控えます。会社で購入したものか、社長の私物か、リース・レンタル品かも確認してください。借りている端末なら、契約先に返却手順とデータ消去の担当を聞きます。自分の判断で分解すると、返却条件に触れるおそれがあります。
回収先への相談は、端末の種類と状態を確認した段階で始めます。事業用のパソコンは家庭用と受付窓口や条件が異なる場合があるため、メーカーの法人向け窓口などで確認します。自治体の家庭ごみや店頭の回収箱に、そのまま出せるとは考えないでください。
- 会社で使っていた端末を受け付けるか確認する
- 回収費用、梱包方法、付属品の扱いを聞く
- データ消去を頼めるか、証明書が出るか確認する
この時点では回収の条件を押さえ、引き渡し日は移行作業の見通しがついてから確定します。
2. 移すのは書類だけ?ログイン手段も洗い出す
次に、古い端末で普段の仕事をたどります。デスクトップや「ダウンロード」フォルダーには、会計ソフトに渡す前の領収書や、取引先から受け取った資料が残っているかもしれません。従業員が使っていた端末なら、本人にも保存場所を確認します。
クラウド上にあるつもりのファイルも、新しい端末から開いて確かめます。同期が止まり、古い端末にだけ最新版が残っていることがあるためです。メールソフト内に保存した過去のメールや、業務ソフト独自のデータも忘れずに拾います。
- 見積書、請求書、契約書と作業中の資料
- 顧客の連絡先、過去のメールと添付ファイル
- 会計・給与などのソフトに保存したデータ
- 銀行、税務手続き、業務サービスへのログイン手段
銀行の電子証明書や端末に結び付いた認証は、ファイルをコピーするだけでは移行できない場合があります。利用先の案内で切替手順を確認してください。古い端末を消す前に、新しい端末で必要な認証を済ませます。
3. コピーしたら、いつもの仕事を一通り試す
移行先は会社で管理するストレージを使い、顧客情報を私用のメールや個人の保存先へ送らないようにします。作業中の取り違えを防ぐため、コピーを始める前に旧端末のファイル更新を止める時刻も決めておきます。
移行の完了は、コピーが終わった時ではなく、移したデータを使って仕事を再開できた時です。 ファイル名が並んでいても、中身が開けない、添付ファイルが足りない、ソフトの利用権限がないといった問題が残ることがあります。
新しい端末では、普段使う資料を実際に開き、代表的な作業を試します。確認のために請求書を顧客へ送信したり、銀行で振込を実行したりする必要はありません。下書きの作成や必要な画面へのアクセスで確かめます。
- 直近の請求書を開き、編集して保存する
- 業務メールの送受信と過去のメールの閲覧を試す
- 会計ソフトや銀行の必要な画面に入る
- バックアップから必要なファイルを取り出す
不足が見つかったら旧端末から移し直し、確認日をメモします。消去に進むのは、その後です。
4. ごみ箱を空にするだけで渡さない
引き渡す前に、業務ソフトの利用権限を外す手順や、会社の端末管理から登録を解除する手順を確認します。消去サービスを使う場合は、先に解除すると作業に支障が出る設定がないか、依頼先と順番を合わせてください。
注意したいのは、クラウドと同期しているフォルダーです。旧端末の中身を片付けようとファイルを手作業で削除すると、クラウド側や新しい端末からも消える場合があります。同期の解除と端末の消去を混同しないようにします。
ファイルを削除してごみ箱を空にする操作だけでは、記録媒体にデータが残る可能性があります。「初期化」という名称でも処理内容は製品によって異なるため、メーカーが案内する譲渡・廃棄向けの方法を確認します。
- メーカーの案内で、搭載するSSDやHDDに合う消去方法を調べる
- 自社で消去するか、消去サービスに依頼するか決める
- 実施した方法、日付、結果を記録する
電源が入らない端末は、データが消えているとは判断できません。自分で消去できなければ、その状態を伝えて対応可能な事業者に依頼します。分解や破壊を自己流で行うのは避けてください。
5. 引き渡しの記録を残し、税理士にも伝える
消去を外部へ頼む場合は、端末を渡してから作業が終わるまで、誰がどこで保管するかを聞きます。再委託の有無や、消去できなかった場合の処理も確認してください。証明書を受け取るなら、製造番号などで自社の端末と照合できるかを先に確かめます。
端末と処分記録が結び付く形で残すと、後で「どのパソコンを、いつ手放したか」を確認できます。社内の管理表や、購入時の書類と同じ保存先にまとめると探しやすくなります。
- 回収を依頼した会社名と引き渡し日
- 処分した端末の型番と製造番号
- 消去の作業記録や証明書、回収の受領書
- 回収費用の請求書や、売却した場合の明細
会社の帳簿に資産として残っている場合は、処分に伴う処理が必要になります。購入日や購入額が分かる資料と処分記録を税理士に渡し、処理方法を確認してください。売却した場合も、受取額と手数料が分かる明細を一緒に送ります。
6. 今日やること
まずは処分予定の一台について、移すものと回収条件を確認します。消去日は、新しい端末での動作確認が終わる日より後に置いてください。
- 型番・製造番号・所有者を確認し、処分用のメモを作る
- 残すデータとログイン手段を書き出し、移行確認日を予定に入れる
- メーカーなどの回収窓口に、法人利用の受付条件と消去方法を問い合わせる