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届出と保険・約6分

従業員が妊娠を報告、何から手続きする?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

妊娠の報告を受けたら、本人の希望と仕事上の配慮を確認します。休業予定、届出先、給与の扱いを順に整理しましょう。

1. 報告を受けた日は、体調と希望を聞く

妊娠の報告を受けたら、体調と仕事で困っていることを聞き、出産予定日を基に休業の準備を始めます。その場で復帰日や退職の意向まで決めてもらう必要はありません。初めて対応する社長なら「手続きを確認して、改めて一緒に予定を整理します」と伝えれば十分です。

面談はほかの人に聞こえない場所で行います。従業員が数人の会社では、担当業務の変更だけで妊娠に気づかれる場合もあります。誰に、いつ、どこまで伝えてよいかは、本人と相談して決めます。

  • 現在の体調と、通勤や作業で負担になっていること
  • 差し支えない範囲での出産予定日と、医師等から受けている指導
  • 通院の予定と、休暇や勤務時間についての希望
  • 社内や取引先へ伝える時期と範囲

妊娠や休業の申出を理由に、退職を求めたり、不利益な扱いをしたりしてはいけません。「小さい会社なので休まれると困る」という言葉も、本人が希望を言い出しにくくします。人手の確保は、社長が別に検討する仕事です。

2. 次の出勤から、負担のある仕事を調整する

休業まで数か月あっても、つわりや通院への対応は先に必要です。本人が「働き続けたい」と話していても、今までどおりの勤務が負担になっていないかを確認します。

妊婦健診等に必要な時間の確保や、医師等の指導に応じた勤務時間の変更などは、会社が対応すべき事項です。指導の内容を会社に伝える書類に「母性健康管理指導事項連絡カード」があります。提出を受けたら内容を確認し、通勤緩和、休憩、作業の制限などを具体化します。カードがないことだけを理由に相談を止めず、必要な確認を進めてください。

  • 重い物を運ぶ仕事や、長時間立ち続ける作業を見直す
  • 通院時間と休憩の取り方を決める
  • 急に休む日の連絡先と、当日の代行担当を決める

妊娠中に本人から請求があれば、軽い業務への転換も必要です。また、妊産婦から請求された場合は、時間外労働・休日労働・深夜業をさせない対応が求められます。勤務の変更は口約束で終わらせず、開始日と見直す日を短く記録します。

3. 産休と育休は、予定表を分けて作る

出産前後に休む「産前産後休業」と、その後に子どもを育てるための「育児休業」は別の制度です。出産予定日、産休の開始予定日、産休後の希望を、別々の欄に記録します。

産前休業は、本人が請求した場合、出産予定日の6週間前から、多胎妊娠では14週間前から取得できます。産後は原則として8週間、就業させられません。産後6週間を過ぎ、本人が請求し、医師が支障ないと認めた業務に就く場合に限り例外があります。

一方、育児休業は原則として子どもが1歳になるまでの制度で、延長には条件があります。通常の育児休業の申出は、原則として開始予定日の1か月前までです。出産後に初めて案内すると慌ただしくなるため、妊娠の報告後から準備します。

  • 出産予定日を基に、産休の開始・終了予定日を置く
  • 育休を希望するか、現時点の考えを聞く
  • 申出期限と、次に予定を確認する日を入れる

入社して間もない人や有期契約の人は、育休の対象になる条件や労使協定の有無を確認します。「入社1年未満だから休めない」と一括りにせず、労使協定と契約更新の見込みを持って社労士や労働局に確認してください。産休と育休では条件が異なります。

4. 制度の案内と希望の確認は、会社から行う

妊娠・出産等の申出を受けた会社には、育児休業制度などの個別周知と、取得意向の確認が求められます。さらに、仕事と育児の両立について本人の意向を個別に聞き、その意向に配慮する対応も必要です(厚生労働省)。

「希望があったら言ってください」だけでは、本人は何を選べるか分かりません。制度の説明資料を渡してから、休業や復帰後の働き方について聞き取ります。希望どおりに対応するのが難しい場合も、理由と代わりの案を伝えます。

  • 育児休業制度と、社内の申出先
  • 出産手当金・出産育児一時金、育児休業給付、休業中の社会保険料
  • 復帰後に希望する勤務時間帯や勤務地
  • 担当業務や働き方で配慮してほしいこと

聞き取った内容は本人にも共有します。出産後に事情が変わることを見込み、初回の希望を最終決定として扱わないようにします。

5. 届出先と給与の扱いを、休業前にそろえる

休業中の給与を支給するかは、就業規則や雇用契約などを確認して本人に説明します。会社の給与と公的な給付は別で、給付にも申請から入金まで時間がかかります。「休んでもすぐお金が入る」と伝えないでください。

手続きは一か所では終わりません。加入している保険を調べ、誰が書類を作り、どこへ出すかを一覧にします。

  • 産休・育休中の社会保険料免除は、会社から年金事務所等へ届け出る
  • 出産手当金は、協会けんぽや健康保険組合へ申請する
  • 育児休業給付は、雇用保険の加入状況等を確認し、ハローワークへ申請する

出産手当金は、被保険者本人が出産のため休み、給与を受けられない場合などに対象となります。給与が出る場合には調整があり、育児休業給付にも加入期間などの要件があります。本人に金額や対象可否を伝える前に、保険者やハローワーク、社労士に確認しましょう。

届出は会社が進めるものと、本人の記入や医師等の証明が要るものに分けます。 税理士へ給与計算を依頼していても、休業に関する申請まで契約に含まれるとは限りません。担当範囲を先に確認してください。

休業前には、住民税の徴収方法、会社への連絡先、書類の受け渡し方法も決めます。出産後は実際の出産日を確認し、産休の終了日や育休の開始日、届出内容を見直します。引継ぎは休業直前にまとめず、体調に合わせて早めに進めます。

6. 今日やること

まずは本人が安心して希望を話せる面談を設け、手続きの担当を決めます。未定の欄は残したまま、次に確認する日を置きましょう。

  • 本人と面談し、体調への配慮、出産予定日、周囲へ伝える範囲を記録する
  • 産休・育休の案内を渡し、休業予定と働き方の希望を確認する日を決める
  • 加入保険と給与規程を確認し、届出ごとの担当者・提出先・確認期限を一覧にする

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