売上をつくる・約6分
最初のお客さんへ、今週送る一通を作ろう
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
最初の営業は、声をかける相手と頼みたい仕事を絞って始めます。個別の連絡から小さな受注まで、今週動く順番をまとめました。
1. 「何でもやります」を一つの依頼に変える
最初のお客さんを増やすには、相手が頼む場面を思い浮かべられる仕事を一つ決めて、個別に声をかけます。会社案内を仕上げる前でも、誰の何を手伝うかが伝われば、営業を始められます。
創業したばかりだと、仕事を逃したくなくて対応できる業務を全部並べがちです。ただ、「事務代行をしています」だけでは、相手は自社のどの仕事を頼めるのか考えなければなりません。「月末にたまる請求書の発行作業を引き受けます」まで絞ると、相談のきっかけが生まれます。
今週売りたい仕事を、次の項目で書き出してください。
- 誰に:請求書を社長自身が作っている小さな会社
- いつ:月末の請求作業で本業の時間が削られるとき
- 何を:請求書の作成から送付前の確認まで
これは営業先を選ぶための仮の整理です。反応を聞いて変えて構いません。今週声をかける相手には、一つの困りごとに絞って伝えます。 ほかの業務も頼めることは、会話が始まってから補足します。
2. 最初の連絡先は、名前が浮かぶ人から
週の初めに、以前の仕事仲間、独立した知人、地域で会った事業者などを紙や表に並べます。購入名簿に頼る前に、自分が仕事内容を知っている相手から始めると、「なぜ声をかけたか」を具体的に書けます。
ただし、知り合いというだけで全員に送る必要はありません。今回の仕事を使う場面がありそうかを見ます。前職で扱った顧客情報や持ち出せない名簿を使わず、自分から連絡してよい関係の相手を選んでください。
連絡先の横には、次の情報だけを添えます。
- 相手が営んでいる事業
- 困っていそうだと考えた理由
- 自分から連絡できる方法
- 連絡する日
「最近、店舗を増やしたと聞いた」「一人で受注から請求まで担当している」など、把握している事実があれば十分です。困っているかどうかは、まだ分かりません。想像を事実のように書かず、連絡して確かめます。
候補が多ければ、事情をよく知っている相手から順に並べます。今週中に返事へ対応できる範囲に絞り、まず一人を選びましょう。
3. 売り込む前に、いまの仕事の進め方を聞く
最初の連絡では、長い会社紹介を送るより、連絡した理由と短い質問を置きます。相手が答えるために資料を用意したり、予定を調整したりする必要がない聞き方にすると、会話を始めやすくなります。
事務代行なら、たとえば次の文面です。
「独立して、小さな会社の請求書発行を手伝っています。以前、月末は事務作業が重なると伺ったので、ご連絡しました。今も請求書はご自身で作っていますか。担当の方がいらっしゃれば、その旨だけ教えてください。」
以前聞いていない話を、親しみを出すために足してはいけません。久しぶりの相手なら、どこで会った誰なのかも短く添えます。
送信前には、次を確認します。
- 相手に連絡した理由が書かれているか
- 質問を一つに絞れているか
- 断ったり、不要と返したりしやすい文面か
「困りごとはありませんか」では、相手が話題を探すことになります。「請求書は誰が作っていますか」のように、仕事の現状を聞くほうが答えを得やすくなります。
返事で「自分で作っている」と分かっても、すぐに商談を求める必要はありません。「どの作業に時間がかかりますか」と一段だけ掘り下げます。間に合っていると言われたら、売り込みを重ねず、お礼を伝えて終えます。
4. 困りごとが見えたら、頼める範囲を小さくする
「毎月、送付直前まで作業している」と返ってきたら、何を任せれば楽になるかを一緒に整理します。作成に時間がかかるのか、元になる情報がそろわないのかで、提案する仕事は変わります。
会話では、直近の一回について聞いてください。「普段は大変ですか」より、「前回はどこで手が止まりましたか」のほうが、実際の作業が見えてきます。
- どの作業で時間がかかったか
- 作業に必要な情報は誰が用意したか
- いつまでに終える必要があったか
- 誰が内容を確認したか
引き受ける範囲が見えたら、初回の有料依頼として提案します。請求書の例なら、「次回分のうち、合意した範囲の作成作業を担当し、送付前に社長が確認する」といった区切り方です。費用は、対象の量と作業内容を聞いてから示します。
小さくするのは値段より、相手が最初に任せる範囲です。 初めから毎月の一式契約を求めると、相手は切り替えの手間まで判断しなければなりません。一回分でも役に立つ仕事として切り出せれば、頼むかどうかを考えやすくなります。
提案時には、対象の作業、納めるもの、料金、期限、相手に用意してもらう情報をそろえます。説明だけで済む段階と、実際の作業が始まる段階も分け、合意する前に作り始めないようにします。
5. 週末は、送った数より返事の中身を見る
一週間動いたら、使った文面と返事を並べます。創業直後の少ない接触だけで、サービス全体の需要を判断するのは早すぎます。まず、どの段階で話が止まったかを確かめましょう。
返事がなかった場合と、「その作業は担当者がいる」と返ってきた場合では、次に直す場所が違います。
- 仕事内容が伝わらなかったら、使う場面が分かる言葉に直す
- 困りごとがなかったら、声をかける相手の条件を変える
- 困っているが任せにくいなら、必要な準備や依頼範囲を見直す
- 提案まで進んだら、判断に足りない情報を確認する
翌週は、一度に全部を変えず、気になった箇所を一つ直します。同じサービスでも、経理担当者がいる会社と、社長が夜に事務をしている会社では受け止め方が違います。
営業のための時間も予定に入れてください。納品が終わって余裕があれば動く、という進め方では連絡が途切れます。短い時間でも、候補を選ぶ日と連絡する日を決めておくと、本業の合間に続けやすくなります。
6. 今日やること
まず一人に送って、相手の返事を受け取るところまで進めます。送る前に文章を磨き続けるより、その返事を次の提案の材料にしてください。
- 今週引き受けたい仕事を、「誰の・いつの・何を手伝うか」で一文にする
- 連絡してよい知人から、使う場面がありそうな相手を選ぶ
- 選んだ一人に、連絡した理由と現状を聞く質問を送る