届出と保険・約6分
初めての健康診断、誰をいつ予約する?
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
従業員が一人でも、対象者には雇入れ時と定期の健康診断が必要です。対象の確認から予約、費用負担、結果の保管まで順に進めます。
1. 一人でも雇ったら、健診の対象を確認する
従業員を雇ったら、入社の準備と一緒に健康診断の対象を確認します。従業員が一人でも、対象者への健康診断は会社の義務です。「小さな会社でも、健康診断は会社の義務です。」
対象になるのは、常時使用する労働者です。正社員に加え、パートやアルバイトも契約期間と働く時間によって対象になります。呼び名だけで分けず、雇用契約書を見て判断します。
短時間で働く人は、原則として次の両方に当てはまる場合、一般の健康診断の対象です(厚生労働省)。
- 無期契約、または契約更新を含めて一年以上働く予定があるか、すでに一年以上働いている。
- 一週間の所定労働時間が、同じ事業場で同種の仕事をする通常の労働者の四分の三以上ある。
契約上の時間と実際の働き方が違う場合や、更新の見込みがはっきりしない場合は、労働局や社会保険労務士に確認します。対象外でも、勤務状況や健康上の事情を踏まえて受診を検討します。
代表者本人だけの会社では、代表者は通常、労働者に当たらないため、従業員向けの法定健診と分けて考えます。自分の受診は、加入する健康保険の健診制度などを調べて手配します。役員でも従業員として働く立場を兼ねる場合は、個別の確認が必要です。
2. 入社時と毎年の健診を、別々に予定する
対象の従業員には、雇い入れる際の健康診断と、その後一年以内ごとに一回の定期健康診断が必要です(厚生労働省)。創業一年目は、入社日がそのまま準備の起点になります。
採用が決まった段階で医療機関へ連絡し、入社時の健診を予約します。入社後に未受診と気づいた場合は、翌年の一斉健診まで待たず、早めに手配してください。
直近に受けた健診の結果が使える場合もあります。雇入れ前の三か月以内に医師による健診を受け、結果を証明する書面を提出した場合、該当する項目を省略できる扱いがあります(厚生労働省)。ただし、検査項目が足りるかの確認が先です。「前の会社で受けた結果を利用する場合は、検査項目が足りるか確認が必要です。」
- 採用が決まった人は、入社日と雇入れ時健診の予定日を記録する。
- すでに働いている人は、前回の受診日と結果の有無を確認する。
- 次回の健診は、前回から一年を超えないように日程を押さえる。
会社で健診月をそろえると管理は楽になりますが、そのために受診間隔が延びないか確認します。常時深夜業に従事する人などには、配置替え時や六か月以内ごとに一回の健診が必要になる場合があります。有害な物質を扱う仕事なども、一般健診とは別の確認が必要です(厚生労働省)。
3. 予約では「会社の法定健診」と伝える
医療機関へは、会社の雇入れ時健診なのか、定期健診なのかを伝えて予約します。料金だけで選ぶと、必要な検査や会社用の結果票が含まれず、追加の受診が生じることがあります。
自治体の健診や人間ドックを受ける予定の従業員もいるかもしれません。その結果を利用したい場合は、法定項目を満たすか、会社に必要な結果を提出できるかを医療機関と確認します。雇入れ時健診と定期健診では、項目を省略できる条件も異なります。
電話や予約フォームでは、次をまとめて確認すると話が進みます。
- 健診の種類、受診人数、希望する時期。
- 法定項目への対応と、追加検査が必要な場合の費用。
- 食事や服薬についての事前案内。
- 会社用の結果票の発行方法と、届くまでの日数。
- 会社への請求、当日払いなどの支払方法。
法定の健康診断の費用は会社が負担します。従業員の立替にするなら、精算日まで先に伝えます。一般の健康診断にかかる受診時間の賃金は労使で定める扱いで、会社負担が望ましいとされています(厚生労働省)。勤務時間内に受けてもらうか、移動時間をどう扱うかも予約前に決めておくと、本人が予定を立てやすくなります。
4. 結果が届いたら、医師への確認まで進める
受診が終わっても、会社の対応は残ります。結果を本人に通知し、異常所見がある場合は、仕事を続けるうえで配慮が必要か、医師から意見を聴きます。一般の健康診断では、原則として健診日から三か月以内に意見を聴く必要があります(厚生労働省)。
結果票の「要再検査」を見て、就業の可否を判断しないでください。本人への再受診の案内と、会社が行う就業上の措置についての医師への意見聴取は、別の対応です。
小さな会社では、相談する医師が決まっていないこともあります。予約の段階で健診機関に、結果に基づく意見聴取まで対応するか確認しておくと、その後の依頼先に困りにくくなります。小規模事業場向けの地域産業保健センターも相談先になります。
- 本人へ結果を知らせ、再検査などの指示があれば受診を促す。
- 異常所見について、医師へ仕事内容や勤務時間を伝えて意見を聴く。
- 医師の意見を踏まえ、残業や業務内容などの調整を検討する。
再受診を待ち続けて会社側の確認が止まらないよう、依頼日と回答の有無を記録します。配慮が必要なときは本人と話し、変更内容と見直す時期を決めます。
5. 結果は五年間、見る人を絞って保管する
一般の健康診断では、結果に基づく健康診断個人票を作成し、五年間保存します(厚生労働省)。健診機関の結果票をそのまま使う場合も、必要な記録がそろっているか確認してください。
健診結果は、閲覧できる人を絞って保管します。全員が使う共有フォルダや、事務所の誰でも開けられる棚には置かないようにします。外部へ管理を依頼する場合も、扱う情報と閲覧範囲を決めます。
- 紙は施錠できる場所に入れ、管理する人を決める。
- データはアクセス権を設定し、共有リンクの公開範囲を確認する。
- 受診日、結果の受領日、医師の意見、次回予定を管理表に残す。
常時五十人未満の事業場では、一般の定期健康診断結果を労働基準監督署へ報告する義務は通常ありませんが、実施や保存は必要です(厚生労働省)。提出がないからと、結果の回収を後回しにしないようにします。
6. 今日やること
まず対象者と前回の受診日を一枚にまとめ、未受診の人から予約を進めます。結果を受け取る担当も、今日のうちに決めておきます。
- 雇用契約書を開き、対象者の名前、入社日、前回の受診日を書き出す。
- 健診機関へ連絡し、必要な項目、料金、予約日、医師の意見聴取への対応を確認する。
- 結果の保管場所と管理担当を決め、受領確認と次回予約の予定をカレンダーに入れる。