届出と保険・約6分
初めての有給休暇、いつ何日つける?
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
最初の従業員を雇ったら、入社日を基に有給休暇の管理表を作ります。付与日、日数、取得状況を確認する順番を整理します。
1. 入社した日に、最初の付与日を決めておく
初めて従業員を雇ったら、入社日に有給休暇の管理表を作り、原則として入社から6か月後の付与予定日を登録します。休暇の申請が来てから調べると、付与漏れや残日数の数え違いが起きやすくなります。
有給休暇は、休んでも賃金が支払われる休暇です。雇う人数が少ない会社にも制度が適用されます。社長一人で運営してきた会社でも、最初の従業員を迎えた時点で準備を始めます。
原則として、入社から6か月継続して働き、その期間の全労働日の8割以上出勤した従業員には、年次有給休暇が発生します。通常の週5日勤務なら、最初の付与は10日です(厚生労働省)。
- 入社日と、週の所定労働日数・所定労働時間を確認します。
- 最初の付与予定日をカレンダーに登録します。
- 付与前に出勤率を確認する予定も入れます。
試用期間も、入社日からの勤続期間に含めます。 試用期間が終わった日から数え始めないようにしてください。すでに雇っている人がいるなら、今日の時点で入社日をさかのぼって確認します。
2. パートにも付与する。日数は勤務条件で確認
正社員かパートかという呼び方だけでは、有給休暇の対象かどうかは決まりません。短時間勤務でも、継続勤務と出勤率の条件を満たせば付与します。
週の所定労働時間が30時間未満で、所定労働日数が週4日以下などの場合は、勤務日数に応じて付与日数が少なくなる「比例付与」の対象です。たとえば週3日勤務で週30時間未満なら、入社6か月後の付与は原則5日です(厚生労働省)。
一方、週4日勤務でも所定労働時間が週30時間以上なら、通常の付与日数で判断します。単に「パートだから半分」と処理するのは避けましょう。
- 毎週の勤務日数が決まっている人は、雇用契約の条件を確認します。
- 週ごとの日数が変わる人は、年間の所定労働日数を確認します。
- 契約変更があった人は、変更日と変更後の条件を残します。
出勤率も、タイムカードの出勤日だけを数えればよいとは限りません。業務上のけがによる休業や育児休業など、出勤したものとして扱う期間があります。欠勤や休業があって判断に迷うときは、勤怠記録をそろえ、社会保険労務士や労働基準監督署に確認します。
3. 管理表には、付与分ごとの残りを記録する
従業員が1〜3人なら、表計算ソフトでも管理を始められます。ただし、出勤簿に「有休」と書くだけでは、いつ付与した分が何日残っているか分かりません。
従業員ごとに、付与の基準となる日、付与日数、取得日、取得日数、残日数を並べます。取得した時季・日数・基準日を明らかにする記録を「年次有給休暇管理簿」と呼びます。勤怠表と一体にする場合も、この情報を確認できる形にします。
- 付与欄には、基準日・付与日数・有効期限を記入します。
- 取得欄には、休んだ日と使用した日数を記入します。
- 残数欄には、付与された年ごとの残日数を表示します。
法定の有給休暇は、付与日から2年で時効により消滅します(厚生労働省)。前年の繰越分と新しく付与した分を合計だけで管理すると、失効する日を見落とします。どちらから使用するかも社内ルールで定め、表の計算とそろえてください。
月末の勤怠確認では、申請内容と実際の取得日を照合します。予定していた休暇を取りやめて出勤した場合は、残日数を減らさないよう修正します。本人にも残数を知らせると、認識のずれを早めに直せます。
4. 10日以上付与したら、年5日の取得を追う
法定の有給休暇を10日以上付与される従業員には、付与日から1年以内に5日取得させる義務があります。 対象には、条件を満たすパートも含まれます(厚生労働省)。会社が忙しい、本人が申請しないという理由で放置はできません。
この5日は、有給休暇に上乗せする日数ではありません。本人が申し出て取得した日なども含めて数えます。本人の取得だけでは足りない場合は、希望を聞き、その意見を尊重して会社が取得時季を指定します。
たとえば4月1日入社で、原則どおり10月1日に初めて10日付与する人なら、翌年9月30日までの取得を管理します。会社の決算日や12月末に合わせて区切らないようにしましょう。
- 付与時に、取得期限と休みたい時期を本人と確認します。
- 付与から半年の時点で、取得済みの日数を点検します。
- 期限の3か月前には、不足分の取得予定を具体的な日に落とします。
半年後と3か月前の点検は、小さな会社で使う運用上の目安です。繁忙期が続くなら、もっと早く相談します。半日単位の取得は0.5日として数えますが、時間単位の取得はこの5日に算入できません(厚生労働省)。導入する場合は、管理方法と必要な手続きも確認してください。
5. 休暇の申請方法と、仕事の引き継ぎをそろえる
制度を説明するだけで終わらせず、誰に、何で、いつ連絡するかを入社時に伝えます。専用システムがなくても、メールや社内チャットで申請先を決め、後から確認できる記録を残せます。
有給休暇は原則として本人が請求する時季に与えます。事業の正常な運営を妨げる場合には別の時季に変更できる制度がありますが、単に「人が少ないから」という理由で一律に断る運用は避けます。変更が必要になったら、具体的な業務への影響と代替日を整理して相談しましょう。
- 申請時には、希望日と取得する日数を知らせてもらいます。
- 休暇前には、当日の予定と対応が必要な仕事を共有します。
- 給与計算時には、有休を欠勤控除していないか確認します。
休暇の取得管理と、仕事を引き継ぐ準備はセットで進めます。 社長が電話を受ける、納品日を前もって調整するなど、少人数でも回せる方法を決めておけば、申請のたびに慌てずに済みます。
6. 今日やること
雇用契約書と勤怠記録を手元に出し、従業員ごとの付与予定を確認してください。すでに付与日を過ぎていたら、実際の取得状況も調べて管理表に反映します。
- 入社日・所定労働日数・所定労働時間を一覧にします。
- 管理表に、最初の付与予定日と勤務条件に応じた日数を入れます。
- 本人へ申請方法を伝え、付与前の確認日を社長の予定表に登録します。