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税金と消費税・約6分

税務調査の可能性、1年目からの備え

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

創業直後でも、税務調査への備えは必要です。取引の説明に困らないよう、初年度から残す記録と月末の確認手順を整理します。

1. 創業直後でも「まだ来ない」と決めない

税務調査への備えは、最初の取引から始めます。設立したばかり、売上が少ない、赤字といった事情だけで、調査の対象にならないとは判断できません。

調査では、申告した内容が実際の取引と合っているかを、帳簿や資料などで確認されます。「何年目に来るのか」「うちに来る可能性は何%か」が気になっても、自社の時期や確率を予測して準備を後回しにするのは避けたいところです。

初年度は取引が少なくても、設立費用の立替、社長からの入金、私物の事業利用など、あとから説明しにくいお金が動きます。数年後に聞かれても分かるよう、記憶が新しいうちに記録します。

  • 売上について、何をいつ提供したか残します。
  • 支出については、誰に何のために払ったかを記録します。
  • 社長と会社の間のお金について、動かした理由を残します。

備えの目標は、帳簿の数字から元の取引をたどれる状態にすることです。 立派な説明資料を毎回作る必要はありません。

2. 領収書に出ない「仕事との関係」を残す

領収書があっても、その支出が会社の仕事にどう関係するかまでは分からない場合があります。店名と金額だけでは、打ち合わせの飲食代か、私的な食事代かを区別できません。

支払った当日か、遅くとも経費を整理する日に、用途を短く添えてください。打ち合わせなら相手と目的、備品なら使う場所や担当業務を残します。「仕事用」とだけ書くより、「商品撮影で使う照明」のほうが、後日読み返しても説明しやすくなります。

自宅の通信費など、私生活と仕事の両方に使う支出は、全額を会社の経費としてよいかを税理士に確認します。会社が負担する範囲を決めたら、その計算に使った資料も一緒に保管します。都合のよい割合を月ごとに選ぶ運用は避けましょう。

  • 飲食代には、相手の会社名・参加者・打ち合わせの目的を添えます。
  • 備品代には、購入品と業務上の用途を記します。
  • 私用と共通する支出には、会社負担分の計算根拠を添えます。

領収書をなくした場合は、まず購入先に再発行の可否を聞き、注文履歴や支払記録も探します。代わりの資料でどう処理するかは税理士に確認してください。後から記憶で書いたメモは、その作成日と確認できた事実を記し、当時の記録と区別します。

3. 最初の受注から、注文と入金をつなぐ

売上の確認では、請求書だけを集めても経緯が見えないことがあります。注文を受け、納品し、請求して入金されるまでに、内容や金額が変わるためです。

たとえば、納品後に一部を値引きした案件では、最初の請求額と入金額が一致しません。差額の理由がメールにしか残っていないと、経理を担当する人には回収漏れに見えます。値引きの合意と修正した請求書を同じ案件にまとめれば、金額が変わった理由を説明できます。

保存先は、案件名や取引先名で探せる形にそろえます。すでに会計ソフトへ資料を添付しているなら、その機能を使う方法もあります。別の管理表を増やす前に、今の保存先で次の資料がつながるかを確かめてください。

  • 注文内容が分かる契約書・発注書・メールをまとめます。
  • 提供した日や内容が分かる納品・作業の記録をまとめます。
  • 請求・値引き・返金・入金の履歴を整理します。

契約変更や取消しの記録も、成立した取引の記録と一緒に残します。 電子で受け取った資料の保存方法や、紙の原本を処分してよいかは、税理士に確認してから決めましょう。

4. 月末は、説明できない入出金を持ち越さない

月末の確認では、金額が合うかに加えて、内容を説明できない取引が残っていないかを見ます。社長が自分のお金を会社へ振り込んだ場合も、通帳には入金額しか載りません。会社への貸付なのか、立替精算の返金なのかを記録しないと、処理を判断しにくくなります。

まず会社の口座とカードの明細を開き、用途の分からない行に印を付けます。その後で注文履歴、メール、領収書を探し、それでも分からないものを税理士への質問にまとめます。取引の件数が少ないうちに、この順番を月末の予定へ入れてください。

  • 用途不明の支出について、支払先と購入内容を調べます。
  • 社長との入出金について、理由と対応する資料を確認します。
  • 帳簿の修正について、元の内容と直した理由を残します。

税理士が未定なら、判断に迷う支出を無理に経費へ振り分けず、質問一覧にして資料を保管します。顧問が決まったら、初回にその一覧を渡すと確認が進みます。税理士が記帳する場合でも、現場で何を買い、何を納めたかを伝えるのは会社側の役目です。

5. 連絡が来たら、資料を直す前に税理士へ

税務署から連絡を受けたら、まず用件を聞いて記録します。調査の連絡なのか、特定の書類や申告内容についての確認なのかを整理し、その日のうちに顧問税理士へ共有してください。

電話の場で記憶だけを頼りに細かな取引を説明する必要はありません。分からない点は「資料を確認して回答します」と伝え、確認後に返す内容と期限を整理します。

  • 担当者の氏名・所属・連絡先を控えます。
  • 対象となる税目や期間、必要書類を記録します。
  • 提示された日程・回答期限を控えます。

資料を探す途中で誤りに気づいても、元の記録を消したり、過去の日付で書類を作り直したりしないでください。誤りの内容と発見した経緯を残し、訂正の方法を税理士に相談します。 顧問がいない場合は、連絡内容を伝えたうえで税務調査への対応を相談できる税理士を探します。

6. 今日やること

今月の取引を一つ選び、帳簿から元の資料までたどってみてください。見つからない資料があれば、その保存先を決めるところから始めます。

  • 直近の売上一件について、注文・納品・請求・入金の記録をそろえます。
  • 今月の口座明細から用途不明の入出金を拾い、理由を調べます。
  • 判断に迷う処理と保存方法を質問にまとめ、税理士へ確認する日を決めます。

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