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届出と保険・約6分

株式会社の決算公告、いつどこに出す?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

決算公告は、定款の公告方法を確かめるところから始めます。初めての決算で慌てないよう、原稿の準備から掲載後の保存までを整理します。

株式会社の決算公告は、決算の準備と一緒に掲載までの予定を組みましょう。税務申告を終えても、公告の手続きまで済んだとは限りません。税理士との契約に掲載の手配が含まれるかも確認が必要です。

一人社長の会社でも、赤字でも、株式会社には原則として決算公告の義務があります。まずは定款を開き、どの方法で公告する会社になっているかを確かめてください。

1. 最初に定款の「公告方法」を探す

設立時に受け取った定款には、「当会社の公告は、官報に掲載する方法により行う」といった条項があります。普段は読み返さない箇所ですが、決算公告の掲載先を決める出発点です。

登記事項証明書の「公告をする方法」も照合します。手元に変更前の定款が残っている場合もあるため、内容が違えば設立手続きを頼んだ司法書士などに確認してください。

  • 官報と書かれている場合は、官報への掲載を手配します。
  • 日刊新聞紙が指定されている場合は、その新聞への掲載窓口を調べます。
  • 電子公告の場合は、登記された公告用のウェブページなどを確認します。

自社サイトに決算書を載せただけで、公告を済ませたと判断しないでください。 電子公告と、官報・新聞を使う会社が貸借対照表をウェブで開示する制度には違いがあります。費用を抑えるために掲載方法を変えたいときも、登記などの手続きを先に確認します。

2. 定時株主総会の後、遅滞なく公告する

会社法では、原則として定時株主総会の終結後、遅滞なく貸借対照表を公告すると定めています。「決算日から何日以内」という一律の掲載期限ではありません(法務省・会社法)。

そのため、決算書ができてから掲載先を探し始めると、原稿の調整や申込みで時間がかかります。創業後初めての決算では、決算月に入ったら税理士へ決算書の完成予定を聞き、その後の株主総会と公告の順番を組んでおくと進めやすくなります。

  • 決算月に、決算書の作成予定と掲載窓口を確認します。
  • 株主総会の前に、原稿の形式と申込みの締切を調べます。
  • 株主総会で決算の承認を終えたら、確定した内容で掲載を進めます。

一人会社でも、決算を承認した記録を残します。株主総会の手続きをいつ、どの形で行うか不明なら、司法書士などに確認してください。

税務申告の期限と公告の時期は別に管理します。申告期限を延長しているから公告も同じ日まで待てる、と考えて予定を立てないようにします。

3. 公告用の原稿は、確定した貸借対照表から作る

創業期の小さな株式会社では、通常、貸借対照表が決算公告の対象です。大会社などには別の扱いがありますが、税務申告書一式や取引先別の売上明細を、そのまま公開する手続きではありません。

官報や新聞では、貸借対照表の要旨を公告する方法が認められています。一方、電子公告では要旨だけで済ませる扱いではないため、掲載方法に合う原稿を準備します(法務省・会社法)。

初回は、掲載窓口から原稿のひな形を取り寄せ、それを税理士に渡すと相談が具体的になります。「決算書をください」だけでなく、「この形式の公告原稿を作りたい」と伝えてください。

  • 決算期と決算日が、承認した決算書と合っているか確認します。
  • 商号、本店所在地、代表者名などの表記を確認します。
  • 資産、負債、純資産の数字と、金額の単位を照合します。
  • 赤字や債務超過がある場合は、符号や表示方法も確認します。

作成途中の試算表から原稿を作ると、その後の決算修正を反映し忘れやすくなります。掲載する数字は、承認された決算書と照合して確定します。 社長自身で金額をまとめたり、見栄えのために項目を省いたりせず、要旨の作り方は税理士に確認してください。

4. 誰が申し込むかを決めて、掲載日まで押さえる

税理士に記帳や申告を頼んでいても、決算公告の原稿作成や掲載申込みまで依頼済みとは限りません。「お願いしているはず」で止まらないよう、作業ごとの担当を決めます。

一人会社なら、税理士に数字と原稿の確認を頼み、社長が掲載窓口への申込みと支払いを受け持つ形も考えられます。代行を頼む場合は、顧問料に含まれる範囲と追加費用を確認してください。

官報への掲載なら、官報公告の取次窓口などに連絡し、決算公告を申し込みたいと伝えます。窓口によって案内や受付方法が異なるため、初回は次の項目をまとめて聞いておきます。

  • 原稿の提出方法と指定の書式
  • 掲載料金、支払方法、支払期限
  • 掲載予定日と原稿の締切
  • 校正の有無と修正の締切
  • 掲載後に受け取れる控えや掲載確認の方法

原稿を送っただけでは掲載完了ではありません。申込受付の連絡を受けたら、掲載予定日をカレンダーに入れます。校正が届く場合は、数字だけでなく社名や決算日も読み直してください。

5. 掲載を確かめ、翌年の担当と予定を残す

掲載予定日を過ぎたら、実際の公告を確認します。申込書や支払記録は、掲載内容を確認する資料とは分けて残しておくと、後から探しやすくなります。

電子公告では、原則として定時株主総会の終結の日後5年を経過する日まで、継続して公告する必要があります(法務省・会社法)。来年の決算書に差し替えて、前年分を消してしまわないようにしてください。

  • 掲載された公告と、元になった確定原稿を保存します。
  • 申込先、料金、手続きの担当者を記録します。
  • 電子公告なら、過年度分の閲覧とリンクの状態も点検します。

ウェブサイトを作り直すときは、公告ページを移行対象に含めます。制作を外注しているなら、保存が必要なページであることを担当者に伝えておきましょう。

初年度の記録があれば、翌年は窓口探しからやり直さずに済みます。決算用のフォルダに「決算公告」を作り、翌期の決算予定にも手続きを入れておきます。

6. 今日やること

定款と登記事項証明書で公告方法を確かめ、税理士に依頼済みの範囲を確認しましょう。まだ決算まで時間があっても、申込先まで決めておけば直前の調整が減ります。

  • 定款と登記事項証明書の公告方法を照合する。
  • 税理士に、公告原稿の確認と掲載手配をどこまで頼めるか聞く。
  • 掲載窓口と担当者を決め、決算予定に公告の準備を加える。

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