本文へ進む
創業GO!
ログイン

税金と消費税・約6

倒産防止共済、いつ入ればいい?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

加入を考えるのは、事業を1年以上続け、積立後も支払い資金が残るときです。掛金の経費処理から解約時の税金まで、申し込む順番を整理します。

倒産防止共済に入る時期は、加入条件を満たしたうえで、掛金を払っても会社のお金に余裕があるときです。「今期は利益が出そう」という理由だけで、決算直前にまとまったお金を移すのは避けましょう。

1. 設立直後は、加入できる時期を確認する

取引先の倒産で売掛金などを回収できなくなったとき、一定の条件で借入れを受けられる制度が、経営セーフティ共済です。倒産防止共済とも呼ばれます。積立だけを目的とした預金とは、使い方が違います。

加入対象は、原則として引き続き1年以上事業を行っている中小企業者です。業種ごとの資本金や従業員数などの条件もあります(中小機構)。法人成り以外の新規設立では、1年以上事業を続け、最初の決算と確定申告を終えるまで加入手続きはできません。

個人事業から法人成りした場合は、事業の引継ぎ方などによって確認が必要です。「個人で営業していた期間があるから、登記直後でも入れる」と自己判断せず、申込窓口へ事情を伝えてください。

  • 事業を始めた日と法人の設立日を確認します。
  • 業種、資本金、従業員数を整理します。
  • 法人成りの場合は、個人事業から引き継いだ内容を伝えます。

現金払い中心で売掛金がほとんどない会社は、取引先の倒産に備える必要性がどの程度あるかも考えます。税金の話に入る前に、自社に合う制度かを確かめる順番です。

2. 経費になっても、手元のお金は減ります

法人が支払う掛金は、所定の要件と申告手続を満たせば全額を損金に算入できます。損金とは、法人税の計算上、利益から差し引く費用です(国税庁)。ただし、払った掛金がそのまま税金から引かれるわけではありません。

掛金を払った分だけ、支払いに使える預金は減ります。 税負担が軽くなっても、掛金と同額の現金が戻るわけではないため、通帳残高だけで上限を決めないでください。

決算が近づいたら、税理士に今期の利益見込みを出してもらい、その後の支払いと並べます。売上が伸びていても、入金より仕入れや外注費の支払いが先なら、積立を抑える判断が合うこともあります。

  • 決算までと決算後に支払う税金を見積もります。
  • 給与、家賃、仕入れ、借入返済の予定を確認します。
  • 入金が遅れた場合にも残しておきたい金額を決めます。

この残したい金額を差し引いてから、掛金に回す余裕を見ます。赤字見込みの期や、近く設備購入を予定する時期は、節税だけを理由に加入を急ぐ必要はありません。

3. 月額は、利益が落ちた月にも払える額にする

掛金月額は5,000円から20万円まで、5,000円単位で設定でき、積立限度額は800万円です(中小機構)。上限まで積むことを目標にせず、売上が少ない月にも続けられる額から検討します。

創業1年目前後は、受注の波や年間の支出がまだ見えていない会社もあります。好調だった月だけを基準にすると、次の支払いが重なる月に苦しくなります。増額・減額の手続はありますが、減額には条件があるため、後で自由に下げられる前提では決めないでください。

月払いに加えて、掛金を先にまとめて納める前納もあります。前納期間が1年以内の掛金は、支払った事業年度の損金に算入できる特例があります(租税特別措置法)。対象となる期間や申告方法は、支払う前に税理士に確認します。

  • 月額は、売上が落ちた月の資金残高でも確認します。
  • 前納する場合は、支払後の預金残高を計算します。
  • 損金に入れる年度と金額は、税理士とすり合わせます。

決算直前の申込では、希望する期内に支払いが間に合わない場合があります。申込日だけで経費になると考えず、実際の払込時期まで確認しましょう。

4. 解約金には税金がかかる前提で考える

掛金の経費処理と、解約金を受け取る期の課税はセットです。 法人が受け取る解約手当金は、原則として益金に算入されます(国税庁)。積立によって今期の税負担を抑えても、受取時には課税される側に回ります。

任意解約では、掛金納付月数が12か月未満だと解約手当金はありません。12か月以上40か月未満では掛金総額を下回り、40か月以上では原則として掛金総額と同額になります。貸付金等があれば差し引かれる場合もあります(中小機構)。

数か月後に使う予定のお金を入れるには向きません。事業を続けながら積み立てられるか、解約するなら何に使うかまで考えてから申し込みます。

  • 近く使う運転資金や納税資金を掛金に回していないか確認します。
  • 解約を考える際は、受取見込額と税負担を一緒に試算します。
  • 前納分がある場合は、解約時の納付月数の扱いを窓口に確認します。

また、2024年10月1日以後に解約して再加入した場合、解約日から2年を経過する日までに支出する掛金は損金算入できません(国税庁)。解約と再加入を繰り返す前提の節税計画は避けます。

5. 申込前に、窓口と税理士へ確認する

加入を決めたら、中小機構が案内する委託団体や金融機関などの申込窓口へ連絡します。金融機関で申し込む場合は、取引状況などの条件も確認してください。

法人では、登記事項証明書、確定申告書や納税を確認する書類などが求められます。法人成り以外の新規設立法人は、1年以上の事業継続に加え、最初の決算と確定申告を終えていることが必要です。

  • 窓口で加入資格、必要書類、初回の払込予定を確認します。
  • 税理士に月額、前納の有無、今期の損金算入予定額を伝えます。
  • 加入後は契約書類と支払いの記録を保管し、税理士へ共有します。

法人税の申告では、掛金の損金算入に必要な明細書などの添付も確認します(国税庁)。口座から引き落とされた後まで、経理と申告の作業をつなげておきましょう。

6. 今日やること

まずは加入できる時期と、積立に回せる金額を調べます。前納の判断は、利益と支払い予定がそろってからにしてください。

  • 設立日と事業開始日を確認し、申込窓口へ加入可能時期を問い合わせます。
  • 今後の納税・仕入れ・返済予定を書き出し、会社に残す現金を決めます。
  • 税理士へ利益見込みと掛金案を送り、加入時と解約時の税務処理を確認します。

次の一歩

事前登録すると開始時に案内が届き、資料56本が開けます。