売上をつくる・約5分
DMとテレアポの始め方、リスト作りから最初の一声まで
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
創業1年目の会社が営業リストを作成し、DMやテレアポで新規開拓する手順を解説します。対象の絞り方や具体的な台本、追客の間隔がわかります。
1. 自社の強みが生きるターゲットを極限まで絞り込む
創業1年目で従業員が3人以下の会社にとって、限られた時間と営業資金を無駄にしないためには、営業対象を極限まで絞り込むリスト作成が最優先となります。誰にでも売れる汎用的な製品やサービスは、大手競合に勝てません。自社の独自の強みが最も必要とされ、目の前の課題を解決できる特定の業界や地域、企業規模に焦点を当てます。
従業員が3人以下の小さな会社では、代表者が本業の合間に営業を行うことになります。そのため、営業リストの件数は、まずは手作業で丁寧にアプローチを管理できる「30件から50件」の規模に絞り込みます。
具体的な条件としては、以下のように言語化します。
- 創業直後で特定の業務システムをまだ導入していない企業
- 特定の市区町村に限定された、年商5,000万円以下の地域密着型の店舗
- 自社と同様に設立から1年未満で、管理部門の立ち上げに悩む企業
条件を定めたら、インターネットの検索エンジンや地域の業界団体リストから情報を手作業で集めます。手間はかかりますが、自社のサービスを本当に必要としている相手に絞ったリストを作る方が、無差別な大量アプローチを行うよりも成約率が高まり、結果的に効率の良い営業活動につながります。
2. 相手の関心を惹きつける封書DMの構成と具体的文面
電子メールでのアプローチは手軽な一方で、開封されずに捨てられることが多く、埋もれがちです。小さな会社が新規開拓を行う場合は、手元に届き、開封してもらいやすい封書(手紙)でのダイレクトメール(DM)の送付が適しています。
封書DMの送付にかかるコストは、切手代や封筒代を含めて1通あたり約110円から150円です。メールと比べてコストはかかりますが、名宛てが「代表者様」と手書きされたA4の白い和封筒は、受付スタッフが勝手に捨てるのを防ぎ、社長に直接届く可能性を高めます。
封書DMを送る目的は、その場で契約をとることではなく、まずは「課題解決に関心を持ってもらい、お打ち合わせや資料請求につなげること」です。封書の中身は、代表者からの丁寧な手紙と、サービス内容が1枚でわかる案内用紙を同封します。具体的な手紙の文面構成は以下のようになります。
- 時候の挨拶:突然のご連絡をお許しくださいという丁寧な前置き
- 共通の課題:〇〇業界の皆様が直面している「人手不足」や「コスト削減」という課題への理解
- 自社ができること:当社が提供する〇〇というサービスが、その課題をどのように解決するか
- 提案:まずは15分のオンライン相談や、課題解決に役立つ無料チェックシートをお送りしますという提案
- 連絡方法:同封の用紙への返信、またはホームページの問い合わせ窓口
文面には、リスト作成時に調べた相手企業の具体的な取り組みへの感想を1文加えると、印刷された大量送信のDMとは異なる、熱意ある手紙として受け取ってもらえます。
3. 受付突破と担当者へのアプローチを目指す電話の台本
封書DMを送付した後、またはリストに対して直接電話をかけるテレアポを行う場合、最初の難関は電話口の受付スタッフを突破し、決裁権を持つ担当者へつなげてもらうことです。高圧的な態度や、売り込み色が強すぎる話し方は、受付で断られる最大の原因になります。
テレアポの最大の目的は、電話口で詳しい商品説明を行うことではありません。詳細な説明は商談の場で行うため、電話では「15分のオンライン接続の約束をいただくこと」に集中します。相手から質問があった場合は、「その点についても短時間で分かりやすくまとめた資料を用意しておりますので、画面越しにご案内します」と受け流し、商談の設定を優先します。
丁寧かつ明確な言葉遣いで、相手の業務の手を止めないよう配慮しながら話を勧めます。以下は、初めて電話をかける際の基本的な台本です。
- 「お忙しいところ恐れ入ります。私、〇〇サービスを提供しております、あさひ国際会計株式会社のパートナー企業の〇〇(自社名)の〇〇と申します。〇〇の件で担当者様にお願いしたいことがあり、お電話いたしました。」
- 「先日、〇〇の課題解決に関する資料(またはDM)をお送りしたのですが、〇〇のご担当者様(または社長様)はいらっしゃいますでしょうか。」
- 担当者につながったら:「お忙しい中ありがとうございます。弊社は〇〇を専門としており、同様の企業様で〇〇のコストを約2割削減した事例がございます。来週、15分ほどオンラインで情報提供のみのお時間をいただくのは難しいでしょうか。」
断られた場合でも、「貴重なお時間をいただきありがとうございました」と丁寧にお礼を伝えて電話を切ります。誠実な対応を徹底することで、会社の好感度を高め、将来的な相談の機会を残せます。
4. 相手に嫌われずに進捗を生む追いかけの間隔
営業活動において、1回のDM送付や1回の電話だけで商談につながることは極めてまれです。しかし、成果を焦って毎日電話をかけたり、執拗にメールを送り続けたりすると、相手に不快感を与えて信頼を失います。追いかけ(追客)には、適切な間隔の維持が必要です。
DMを送付した場合、到着が想定される2日後から3日後に最初の確認のお電話を入れます。「先日お送りした手紙が届いているかどうかのご確認」を名目とすることで、相手も不自然さを感じずに話を聞いてもらえます。
そのお電話で「今は忙しい」「検討中」と言われた場合は、以下のような間隔で追客を計画します。
- 検討中の場合:約2週間後に、「その後、課題の状況はいかがでしょうか」と、新しい役立つ情報を用意してご連絡する。
- 現在は不要と言われた場合:3か月から半年の期間を空け、季節の変わり目や法改正などの節目に、「新しい支援策のご案内」として再度ご連絡する。
追客の台帳はエクセルや無料のスプレッドシートで管理します。電話やメールを行った日付、相手の反応、次に連絡すべき日を1行で入力し、毎朝確認する習慣をつけます。営業活動の管理を仕組み化することで、少人数の体制でも見込み客へのアプローチが漏れなく行えるようになります。
5. 今日やること
- 自社の強みが役立つターゲットの業種や地域を1つ選び、条件を紙に書き出す。
- インターネットを使って、条件に合う営業先候補を20社探し、手作業でリストを作る。
- 封書DMに同封する、代表者挨拶と課題解決の提案をまとめた手紙の下書きを200字程度で書く。