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売上をつくる・約6

失注したら、何を聞いて次の提案に直す?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

断られた直後は、判断を分けた理由を短く聞きます。相手の言葉と自分の推測を分けて記録し、次の提案で一つ直す手順です。

1. 断りの返事には、お礼と質問を一つ返す

失注したら、まず相手の判断を受け止め、次の提案を直すための質問を一つだけ返します。創業直後は一件の重みが大きいものの、断りへの返信で説明や値引きを重ねると、相手は理由を話しにくくなります。

聞く時期は、断りの連絡に返信するときが自然です。すぐに気持ちを切り替えられなければ、いったんお礼を伝え、翌営業日を目安に短く尋ねます。時間がたつほど、担当者も比較した内容を思い出す手間が増えます。

メールなら「ご検討ありがとうございました。今後の提案を改善したく、今回、判断を分けた点を一つ伺えますか。お答えいただける範囲で結構です」と添える程度で十分です。

  • メールで断られたら、同じメールで短く聞きます。
  • 電話で理由が聞けたら、その場でお礼を伝えて終えます。
  • 返信がなければ、理由を聞くための催促は控えます。

聞く目的は、今回の結論を覆すことではなく、次の提案を直すことです。 すでに理由を説明してくれた相手へ、同じ質問を送り直す必要はありません。

2. 「高かった」の先は、比較の基準を聞く

「予算が合わない」と返ってきても、その一言だけで値下げを決めないでください。予定した支出額を超えたのか、他社より高かったのか、金額に見合う効果が伝わらなかったのかで、直す場所が変わります。

相手が答えてくれたら、その内容に沿ってもう一段だけ聞きます。最初から選択肢を並べすぎると、近そうなものを選んだだけの返事になるため、まずは自由に答えてもらいます。追加の質問は、曖昧な部分を確かめるために使います。

  • 価格が理由なら「予定されていた予算と、他の提案との比較では、どちらの影響が大きかったでしょうか」と聞きます。
  • 時期が理由なら「実施自体を見送られたのか、開始時期が変わったのか、伺えますか」と聞きます。
  • 内容が理由なら「足りなかった対応や、ご不安だった点はありましたか」と聞きます。

競合の社名や見積書まで求める必要はありません。「何を比べて、何が決め手になったか」が分かれば、改善の材料になります。

「社内で決まらなかった」という返事なら、担当者が提案を気に入っていても、決裁者への説明に困っていた可能性があります。ただし、それはまだ推測です。「社内で検討する際、追加で必要だった情報はありますか」と確認してから、次回の資料を考えます。

理由を詳しく話したくない相手もいます。答えが短ければ、そこで終えて構いません。

3. 記録は、相手の言葉と推測を分ける

聞けた内容は、その日のうちに商談一覧へ残します。一人社長なら、普段使っている表に項目を足すところから始められます。別の管理ツールを導入して入力の手間を増やすより、見積書や商談メモと一緒に見返せる場所に置きます。

最低限、次の項目をそろえてください。

  • 提案日、商品・サービス、提案した範囲を記録します。
  • 失注を知った日と、相手が話した理由を残します。
  • 他社へ依頼したのか、計画を延期・中止したのかを整理します。
  • 自分が考えた原因と、次回変える点を書き出します。
  • 再連絡の了承があれば、その時期と条件も添えておきます。

相手が話した事実と、自分の推測は別の欄に書きます。 「価格が高いと言われた」は事実でも、「安ければ受注できた」は推測です。この二つが混ざると、失注するたびに価格を下げる判断へ傾きます。

理由が聞けなかった案件は「不明」と記録します。返事が途絶えた案件も、価格や競合のせいにして埋めないでください。見積もりを送った後に返事がないだけなら、明確に断られた案件とは区別しておきます。

4. 次の商談では、一か所だけ変えて試す

週末などに失注メモを見返し、次の商談で変える箇所を一つ選びます。創業初期は件数が少ないため、一件の失注から「この業種は売れない」「価格設定が間違っている」と広げすぎないほうがよいでしょう。

まず、売りたい相手に提案できていたかを確認します。少人数向けのサービスに大企業並みの対応を求められたなら、内容を増やす前に営業先を見直す余地があります。一方、狙っている顧客から同じ不安が続けて出るなら、説明や提供内容を直す候補になります。

相手の判断に近いところから手を入れます。

  • 対応範囲が伝わらなかったなら、見積書に含む作業と含まない作業を明記します。
  • 効果が伝わらなかったなら、相手の業務で何の手間が減るかを具体化します。
  • 社内説明で止まったなら、費用・目的・進め方を一枚にまとめます。
  • 予算を超えていたなら、初回に受け持つ範囲を絞った案を用意します。

価格・内容・営業先を一度に変えると、何が効いたか分からなくなります。 次の似た案件で一か所変え、相手の反応を商談メモに追記します。受注の有無に加え、「同じ質問が出たか」「次の打ち合わせへ進んだか」も見れば、結果が出る前でも修正の手応えを確かめられます。

5. 再連絡は、相手と決めた時期にする

見送りの理由が時期なら、「落ち着いたら連絡します」で終えず、再連絡してよい条件を聞きます。「予算を検討される時期に、こちらから一度ご連絡してもよろしいでしょうか」と尋ね、了承された内容を記録します。

他社への依頼が決まった場合は、すぐに乗り換えを勧めるより、今回のやり取りを丁寧に終えます。理由を教えてもらったことを、継続的な営業への同意と受け取らないようにしてください。

  • 再検討の予定があるなら、了承を得た時期を予定表に入れます。
  • 再連絡を断られたら、その希望を記録します。
  • 再開の条件が分からなければ、無理に次の約束を取り付けません。

6. 今日やること

直近の失注を一件選び、記録と次の提案をつなげます。聞けなかった理由を埋めるために、過去の相手へ一斉に連絡する必要はありません。

  • 失注メモに「相手の言葉」「自分の推測」「次回変える点」の欄を作ります。
  • まだ返信していない断りの連絡があれば、お礼に質問を一つ添えます。
  • 次の商談で変える箇所を一つ決め、使う資料や質問を直します。

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