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経営の数字・約6

帳簿の「仮払金」、月末に何を確かめる?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

仮払金が残っていたら、支払先・目的・精算状況を一件ずつ確認します。資料をそろえ、翌月に持ち越す理由まで整理しましょう。

1. 仮払金は「何に払ったか」から確かめる

月末に仮払金が残っていたら、支払先・使い道・精算状況を一件ずつ確認します。 残高の合計だけを見ていても、どの支払いの確認が止まっているのかは分かりません。

出張前に社長へ渡したお金など、実際に使った金額や処理先がまだ決まっていない支出を、帳簿で一時的に置く項目が「仮払金」です。税理士が通帳を見て記帳したものの、用途が分からず、この項目に入れている場合もあります。

創業直後は、会社の口座やカードの準備と日々の支払いが重なります。「自分が払ったから覚えている」と後回しにした支出は、翌月には思い出しにくくなります。仮払金の明細を確認する習慣をつけましょう。試算表を受け取ったら、仮払金の明細も開く習慣をつけましょう。

  • 支払先は、取引先・社長・従業員の誰か
  • 目的は、出張・備品購入・仕入れなどの何か
  • 状況は、使用前・使用済み・返金待ちのどれか

口座に表示された振込先が社長名でも、使い道まで私用とは限りません。誰に渡し、その後どこへ払ったのかをたどります。

2. 月末には、残高を支払いごとの一覧にする

会計ソフトの仮払金の明細を開き、前月から残っている分と今月増えた分を並べます。税理士に記帳を任せているなら、「月末に残っている仮払金を、支払いごとに確認したい」と伝えて明細をもらいます。

一覧には、支払日、金額、相手、目的、資料の有無、次に確認する人を記入します。明細をそのまま使えば、別の管理表を一から作らずに済みます。まだ用途が分からない欄は、推測で埋めず「確認中」と残してください。

確認する順番は、古いもの、金額が大きいもの、相手が分からないものからです。少額でも同じ名義への支払いが続いていたら、まとめて用途を調べます。

  • 前月以前の残高に、確認漏れがないか
  • 今月の支払いに、目的を説明できないものがないか
  • 提出済みの資料が、処理に反映されているか
  • 一覧の未精算額の合計が、帳簿の残高と合うか

月末時点で残っていても、翌月の出張用として渡したお金なら理由を説明できます。残高をゼロにすることより、残っている理由を説明できる状態にすることが先です。

3. 領収書と返金をそろえて精算する

使用済みのお金は、領収書や請求書だけでなく、誰が何のために使ったかをそろえて精算します。会社の仕事との関係が分かりにくい支出には、訪問先や購入した物の用途を短く添えましょう。

たとえば出張前に渡したお金なら、交通費や宿泊費などの実際の支出を集め、渡した額との差を確認します。余った分は会社へ戻し、不足した分は追加で支払います。返金や追加支払いの記録までそろうと、その出張の精算が終わったかを追えます。

社長一人の会社でも、会社から自分へ渡したお金と、実際に使ったお金を分けて記録します。個人の財布から払った分も混じっているときは、どちらの資金で払ったかを支出ごとに確認してください。

  • 領収書・請求書と支払記録を対応させる
  • 用途や案件名を資料に添える
  • 余額の返金日と金額を記録する
  • 不足額の追加支払日と金額を記録する

資料を見つけた勢いで、同じ支出をもう一度入力しないようにします。カード連携で取り込まれた支出や、先に経費として登録した領収書があれば、その記録と仮払金をどう対応させるか確認します。記帳を任せている場合は、税理士へ既存の明細と一緒に渡しましょう。

4. 用途が分かっても、全部を経費にしない

「備品を買った」と分かっても、その支払いの全額をその月の経費にするとは限りません。購入した物や契約内容によって、帳簿上の処理が変わります。

納品前に仕入先へ払ったお金、長く使う設備の購入代金、返還される予定の保証金などは、それぞれ性質が違います。仮払金から移す先は、請求書や契約書、納品状況を税理士に確認して決めます。支払ったという事実だけで処理を終わらせないようにしましょう。

私用の支払いが混じっていた場合も、領収書があるから会社の経費になるわけではありません。社長が会社へ返す必要があるか、返金までどう記帳するかを相談します。内容を隠さず、分かった時点で伝えるほうが整理は進みます。

  • 購入代金は、品物の内容と納品・使用状況を伝える
  • 契約に伴う支払いは、対象期間と返還条件を伝える
  • 私用が混じる支払いは、該当額と返金状況を伝える

用途の確認と、帳簿上の処理の判断は分けて進めます。 社長は取引の事実をそろえ、迷う処理は税理士に確認する。その分担なら、勘定科目を調べ続けて月末の作業が止まるのを防げます。

5. 持ち越す分には、次の確認日を付ける

領収書が見つからない、出張がまだ終わっていない、取引先から返金されていない。月末までに片付かない理由はいくつかあります。そのまま翌月へ送るときは、理由に加えて「誰が、いつ、何を確認するか」を残します。

資料がない支出は、まずメールの購入履歴や取引先の管理画面を探します。見つからなければ再発行の可否を問い合わせ、残っている支払記録と取引内容を税理士へ渡します。資料不足のまま、適当な経費科目へ移して終わらせないでください。

  • 使用前のお金は、使用予定日と精算予定日を残す
  • 資料待ちは、依頼先と次の連絡日を残す
  • 返金待ちは、返金予定日と確認担当を残す

毎月同じ理由で残るなら、お金を渡すときに用途と精算予定日も記録します。従業員がいる会社は、精算資料を出す社内の目安も共有しましょう。決算が近い場合は、未精算の一覧を早めに税理士へ渡し、決算日をまたぐ取引の扱いを確認します。

6. 今日やること

まず直近の月末残高を開き、古い明細から確認を始めます。今日調べきれない分にも、次に動く日を付けてください。

  • 仮払金の明細を出し、支払先・目的・精算状況を書き込む
  • 使用済みの一件を選び、資料と返金・追加支払いの記録をそろえる
  • 未解決分に確認日を付け、判断に迷う明細を税理士へ送る

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