税金と消費税・約6分
税理士に毎月いつ、何を渡せばいい?
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
資料の提出日と月次の数字が届く日を、税理士とセットで決めます。渡す資料のそろえ方と、回答をもらいやすい質問のまとめ方を整理します。
1. 提出日と数字が届く日をセットで決める
税理士には、毎月の資料を渡す日と、その資料をもとにした数字を受け取る日をセットで相談します。領収書を送って終わりにすると、売上や経費が帳簿に反映されたのか分からないまま、翌月の支払いが来てしまいます。
契約したばかりなら、最初に確かめたいのは担当範囲です。資料から帳簿を作ってもらう契約か、自分で会計ソフトに入力し、確認してもらう契約かで、毎月の準備が変わります。月ごとの数字の報告や面談が、料金に含まれるかも聞いておきます。
そのうえで、次の項目を短いメールなどに残します。
- 社長が提出・入力を終える日
- 税理士から不足資料の連絡をもらう時期
- 不足分を追加する期限
- 月ごとの売上・経費・利益を確認する日
たとえば「翌月10日に提出、15日までに不足分を追加、25日ごろに数字を確認」という流れを相談のたたき台にします。これは制度上の期限ではありません。相手の作業日程と、自社が数字を使いたい日に合わせて調整します。
資料の締切だけでなく、数字を見て判断する日まで決めると、毎月何のために準備するのかがはっきりします。
2. 最初の月に「渡すもの一覧」を作る
準備する資料は、領収書だけでは足りません。売上の請求書、銀行の入出金、カード払いなど、会社のお金が動いた経路を税理士に伝えます。通帳の出金だけでは、何を買ったのか判断できない取引もあります。
初回は、使っている口座・カード・決済サービスを一覧にして共有しましょう。その一覧を見ながら、毎月必要な資料と、契約時だけ渡せばよい資料を分けてもらいます。
- 売上に関する資料:発行した請求書、現金売上の記録、決済サービスの売上明細
- 支払いに関する資料:受け取った請求書、領収書、法人カードの利用明細
- 入出金に関する資料:事業で使う銀行口座の明細、現金の出入りの記録
- 人件費に関する資料:役員報酬や給与の支給内容、立替経費の精算記録
ネット販売などでは、手数料を引かれた金額が銀行に入ります。入金額だけ渡すと、売上全体や手数料の内訳が分かりません。税理士に、どのサービスのどの明細が必要かを確認します。
設立直後は、社長個人が会社の費用を払う場面もあるはずです。個人払いの分には、誰が立て替え、会社から返金済みかを添えます。会社設立前に払った費用があれば、通常の月次資料と分けて税理士に確認してください。
3. 渡し方は一本化し、説明を資料に添える
提出先は、税理士が指定する共有フォルダや会計ソフトなどに寄せます。メール、チャット、紙に散らばると、送った側も受け取った側も探し直す手間が増えます。電子取引データの保存ルールは、提出方法とあわせて税理士に確認します。
月別のフォルダを使うなら、その中を「売上」「仕入・経費」「銀行・カード」などに分けます。細かく分類しすぎず、毎月同じ場所に置ける形にしてください。
会計ソフトに銀行やカードを連携していても、請求書や領収書が不要になるとは限りません。何が自動で共有され、何を別に提出するのかを確認しておくと、抜けと二重提出を減らせます。
資料を見ただけでは分からない事情は、その場で短く添えます。
- 打ち合わせの飲食代には、相手先と用件を添える
- 個人名義で届いた請求書には、会社の業務との関係を添える
- 金額が後で変わった請求書には、差し替え前の資料との関係を添える
説明を月末にまとめて思い出すのは面倒です。支払った日や請求書を受け取った日に一言残せば、後から税理士との確認の往復を減らせます。
4. 足りない資料は、一覧にして先に伝える
締切日に一枚見つからないからと、資料一式を止める必要はありません。そろった分を提出し、不足分と追加予定日を知らせる運用を税理士と決めておきます。
ただし、「全部送りました」と伝えてから未提出が見つかると、確認がやり直しになります。提出時のメッセージには、何がそろい、何が残っているかを書きます。
- 未着の請求書は、取引先・対象月・分かる範囲の金額を記載する
- 見つからない領収書は、利用日・支払先・支払方法を記載する
- 後日提出する資料は、追加予定日を記載する
未着の請求書がどの月の経費になるか、領収書がない支出にどんな記録が要るかは、税理士に判断を求めます。自分で「来月分でよい」と処理しないようにしましょう。
未提出の資料も見える状態にすると、税理士は確認を進めやすくなり、社長も何を追いかければよいか分かります。
5. 質問には「決めたいこと」と期限を書く
「これは経費ですか」だけでは、事情を聞き返されがちです。何に使い、誰が払い、何を判断したいのかまで書くと、回答につながりやすくなります。
たとえば「自宅でも使うパソコンを会社で購入予定です。仕事と私用の両方に使います。購入前に、費用の扱いと残す記録を確認したいです。金曜に注文予定です」と伝えます。金額や見積書も添えれば、確認材料がそろいます。
月次提出のメッセージには、質問を次の形でまとめます。
- 状況:いつ、誰と、何をする取引か
- 判断したいこと:何について回答が欲しいか
- 回答希望日:いつまでに決める必要があるか
- 添付資料:見積書や契約書など、判断の材料は何か
支払い後では選択肢が減る相談もあります。設備の購入や契約など、金額が大きい予定は月次の締切を待たずに連絡してください。回答に時間がかかる場合に備え、急ぎの連絡方法も決めます。
数字が届いたら、心当たりのない経費や、想定と違う売上をメモして返します。社長が取引の事情を補足するところまで、毎月の流れに入れましょう。
6. 今日やること
次回の資料提出から使えるように、税理士への確認事項を一通にまとめます。未契約なら、面談で聞く項目として残してください。
- 契約の担当範囲を確認し、資料提出日と数字の確認日を相談する
- 使っている口座・カード・決済サービスを一覧にして、必要資料を確認する
- 質問メモに「状況・決めたいこと・回答希望日」を書き、提出先と連絡先を決める