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経営の数字・約6分

会社を続けるために、毎月いくら売る?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

家賃や役員報酬から、赤字を避けるために必要な売上を計算します。借入返済と入金の時期も確認し、毎月の目標を決めます。

1. 売上目標は、毎月かかる費用から逆算する

会社を続けるための売上目標は、家賃や給与など、売上がなくてもかかる費用から逆算します。「先月より多く売る」だけでは、忙しく働いても赤字が残るかもしれません。

設立したばかりなら、契約済みの家賃、決めた役員報酬、利用中のソフト代を書き出してください。営業を始めて数か月たっていれば、直近の帳簿と銀行・カードの明細を使います。税理士に記帳を頼んでいても、社長の手元で計算するための表を一枚用意します。

  • 毎月ほぼ一定でかかる費用を集める
  • 売上に応じて増える費用の割合を調べる
  • 赤字を避ける売上を計算し、返済や納税の資金を確認する

この計算は、帳簿とそろえた税込み・税抜きのどちらかに統一します。判断に迷ったら、使う数字を税理士に確認してください。

2. 給与は手取りで数えず、会社負担も足す

売上が増減しても、毎月ほぼ同じ額がかかる費用を固定費と呼びます。一人会社では、事務所の家賃より役員報酬のほうが大きい場合もあります。自分の報酬を外すと、会社が負担している費用を小さく見積もってしまいます。

給与や役員報酬は、振込額ではなく、天引き前の総額を使います。さらに、社会保険料の会社負担分を加えます。給与から天引きした本人負担分は総額に含まれているので、重ねて足さないようにします。

まず、次の項目を表に並べてください。

  • 役員報酬と従業員の給与の総額
  • 社会保険料などの会社負担分
  • 家賃、通信費、毎月契約しているソフト代
  • 税理士報酬、損害保険料、借入利息
  • 設備などの購入費を期間に分けて計上する減価償却費

年払いの費用も、対象期間の月数で割って含めます。支払った月だけの費用にすると、ほかの月に必要な売上が少なく見えるためです。決算時に別料金がかかる税理士契約なら、その費用も月割りで見込んでおきます。

契約前の採用費や事務所代は、現在の固定費と分けて記入します。採用後・移転後の売上目標を別に計算すれば、負担がどれだけ増えるか比較できます。

3. 売上のうち、固定費に回せる割合は?

商品が売れれば仕入原価がかかり、決済方法によっては手数料も発生します。受注ごとに外注する仕事なら、外注費も増えます。売上に応じて増減する費用が変動費です。

一方、毎月定額で頼んでいる外注費は、売上が減っても支払う契約なら固定費として扱います。費目の名前だけで決めず、受注がなくなった月にも支払いが残るかを確かめてください。

必要な売上=毎月の固定費÷限界利益率で計算します。限界利益率は、売上から変動費を引いた残りが、売上の何割を占めるかを表す数字です。

  • 限界利益=売上-変動費
  • 限界利益率=限界利益÷売上
  • 損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率

この損益分岐点売上高が、集計した費用を売上で賄い、利益がゼロになる境目です。割合を式に入れる際は、例えば60%なら0.6を使います。

仕入れのある会社では、その月に買った商品の全額を変動費にしないようにします。売れ残った分を除き、その月の売上に対応する原価を使ってください。売上と費用の対象がずれると、必要な売上もぶれます。

まだ実績が少なければ、主力の商品やサービスの販売価格と、一件売るための費用で仮計算します。商品構成によって割合が違う場合は、来月売れそうな組み合わせで見積もります。限界利益がゼロ以下なら、売る量を増やす前に価格と受注条件の見直しが必要です。

4. 借入返済があるなら、利益ゼロでは足りない

損益分岐点まで売れても、口座のお金が減ることがあります。借入金の元本返済は、利益を計算する際の費用に入りません。一方、減価償却費は費用でも、その月に同額を支払うとは限りません。

そこで、計算した損益分岐点とは別に、返済や納税を賄うための売上目安も作ります。月ごとの資金計画として、次の順で調整します。

  • 固定費から、当月の現金の出ない減価償却費などを引く
  • 借入元本の返済額と、納税に向けて残す額を足す
  • 固定費1か月分など予備を足す
  • 調整後の金額を限界利益率で割る

納税に向けて残す額は、均等割や消費税の有無で変わるため、税理士に確認します。固定費に含めた税金や費用を、ここで二重に足さないようにしてください。

この売上目安は、入金と支払いが同じ月に行われると考えた簡易計算です。年払い費用の支払月、設備購入、まとめ仕入れがある月は、実際の支払額に置き換えた資金繰り表も確認します。予備資金を毎月残していても、支払日までに入金されなければ資金は不足します。

5. 毎月、必要な売上を受注件数に直す

数字を出したら、来月の仕事で届くかを確かめます。平均的な一件の売上で必要売上を割ると、必要な受注件数が分かります。端数は切り上げ、納品に使える時間と照らし合わせてください。

必要件数をこなせないなら、営業時間を延ばす前に、一件当たりに残る金額や固定費を見直します。利益率の低い案件を増やすと、売上だけ伸びて仕事が詰まることもあります。

  • 必要な受注件数は、来月の対応可能件数に収まるか
  • 受注予定の案件は、計算に使った利益率を保てるか
  • 請求後の入金は、給与や家賃の支払日に間に合うか

初回の計算を終えたら、毎月の帳簿がそろう日に更新します。値上げ、採用、ソフトの追加契約をした月は、前月の目標をそのまま使わず計算し直します。

売上目標に届いたかと、支払える現金があるかは、別々に確認します。 この二つを並べると、営業を増やすべき月と、入金条件を相談すべき月を見分けやすくなります。

6. 今日やること

まず直近一か月分で仮計算し、不明な費用には印を付けておきます。その表を税理士と確認すれば、翌月から使う数字がそろいます。

  • 帳簿と明細から、役員報酬・会社負担の社保・家賃などの固定費を一枚に集める
  • 売上と変動費から限界利益率を求め、固定費を賄う売上を計算する
  • 返済と納税資金を加えた売上目安を出し、来月の受注件数と入金予定に照らす

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