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経営の数字・約6

通販の振込額、そのまま売上にしていない?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

通販の振込額には、手数料や返金が差し引かれています。明細から売上と差引項目を分け、通帳の入金まで照合する手順を整理します。

1. 通帳の振込額だけでは、売上が小さく見えます

通販サイトから振り込まれた金額を、そのまま売上として記帳するのは避けましょう。 販売手数料や返金などが差し引かれていると、お客さんに売った金額も、販売にかかった費用も見えなくなります。

初めて入金された日に、通帳だけを見て入力を済ませたくなるかもしれません。ところが、後で「この通販サイトは利益が残るのか」と考えても、差し引かれた費用が帳簿に出てこないため、判断しにくくなります。

仮に、ある精算分に含まれる売上が110,000円、販売手数料が8,800円、返金が11,000円だったとします。ほかに調整がなければ、振込額は90,200円です。これは説明用の例で、手数料率を示すものではありません。

  • 売上金額は110,000円です。
  • 販売手数料は8,800円です。
  • 返品などに伴う返金として確認する金額は11,000円です。
  • 通帳で照合する入金額は90,200円です。

売上から返金分を引いた金額と、口座に届く金額は違います。通帳は「いくら受け取ったか」を確認する資料として使い、その内訳は通販サイトの明細で調べます。

2. 初回入金で、注文と精算の資料をそろえる

入金を確認したら、管理画面から注文ごとの売上明細と、振込ごとの精算明細を保存します。名称はサービスによって異なり、「取引レポート」「支払明細」などの場合もあります。

注文の一覧には、何をいつ売ったかが載っています。一方、精算明細には、どの取引をまとめ、何を差し引いて振り込んだかが載っています。片方だけでは、返金の対象や入金のずれを追いきれないことがあります。

  • 注文の明細では、注文番号、発送日、金額、取消・返品の状態を確認します。
  • 精算の明細では、対象期間、振込番号、手数料、返金、調整額を確認します。
  • 通帳では、入金日、振込名義、実際の振込額を確認します。

保存先は、通販サイト別、その下に月別でそろえると探しやすくなります。毎月の締め作業で同じ資料を取り出せるよう、管理画面のどこから取得したかもメモしておきましょう。CSVは集計用に、内訳を確認できる明細も合わせて保存します。保存方法の税務上の要件は税理士に確認してください。

3. 差引項目を「全部手数料」で済ませない

次に、精算明細の各行を、売上、販売にかかる費用、返金、その他の調整に分けます。最初の月に項目名の対応表を作ると、翌月から迷う箇所が減ります。

販売手数料のほかにも、振込手数料、広告費、倉庫利用料などが引かれる場合があります。まとめて入力すると、広告を増やした月と返品が増えた月の違いが分かりません。少なくとも、経営判断で見たい費用は分けて集計します。

返金は注文番号と照合してください。支払前の取消なのか、売上として処理した注文の返品なのかで、帳簿上の扱いが変わります。売上明細ですでに取消分が除かれているのに、さらに返金を引くと、売上を二重に減らしてしまいます。

  • 手数料は、明細の名称ごとに金額を集計します。
  • 返金は、元の注文と、売上に含めたかどうかを確認します。
  • クーポンやポイントは、自社と運営会社のどちらが負担したかを確認します。
  • 保留金や調整額は理由と精算予定を確認します。

特にクーポンは、お客さんが支払った金額だけでは処理を決められません。運営会社が負担し、後から補填する仕組みもあるためです。名称だけで判断せず、明細の説明と利用条件をそろえて税理士に確認しましょう。

4. 振込ごとに計算し、差額の注文を探す

照合は月の合計だけでなく、振込一件ずつ行います。 一か月に複数回の入金がある場合、まとめて比べると、どの精算分に差があるのか分からなくなるためです。

表計算ソフトに、振込番号、対象の売上、手数料、返金、その他の増減、入金予定額、実際の入金額を並べます。先ほどの例なら、110,000円から8,800円と11,000円を引き、90,200円になるかを確認します。

ただし、精算明細が返金後の売上を表示している場合は、そこから返金をもう一度引きません。まず各欄が何を含むかを確かめてから計算します。

合わなければ、差額を仮の手数料で埋めず、次の順に調べます。

  • 対象期間と振込番号が一致しているかを確認します。
  • 返金や取消を二重に引いていないかを確認します。
  • 振込手数料や過去の取引の調整がないかを確認します。
  • 入金の保留や次回への繰越がないかを確認します。

分からない項目は、金額と振込番号を添えて通販サイトへ問い合わせます。理由が分かるまでは「未確認」として残し、税理士にもそのまま共有してください。

5. 月末は「売れたけれど未入金」を残す

振込額が合っても、その月の売上を集計できたとは限りません。月末近くに発送した商品の代金が、翌月の精算に回ることがあるからです。

売上計上時期と入金時期を別々に管理します。 注文日、発送日、配達日、入金日はそれぞれ違います。自社がいつ売上を記録するかは、販売条件や処理方法を踏まえて税理士に確認し、毎月同じ基準でそろえてください。

月末には、売上に計上した取引のうち、まだ精算されていない分を一覧にします。翌月に入金されたら、その一覧と照合します。翌月の新しい売上として再び入力しないようにします。

  • 月末時点で未入金の注文と金額を確認します。
  • 翌月の精算明細に、その注文が含まれるかを確認します。
  • 予定を過ぎても残る取引は、保留や返品の状態を確認します。

会計ソフトへ通販データを連携している場合も、通帳の入金を別途売上にすると二重計上になるおそれがあります。税理士には注文明細、精算明細、入金記録、差額のメモを渡し、どのデータから売上を登録するかを決めましょう。

6. 今日やること

直近の振込一件を選び、明細の取得から入金の照合まで進めてください。分からなかった項目を残せば、税理士への質問も具体的になります。

  • 直近の振込に対応する注文明細と精算明細を保存します。
  • 売上、手数料、返金、その他の調整を分け、通帳の金額と照合します。
  • 未入金の取引と不明な項目をまとめ、税理士へ確認する内容を整理します。

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