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税金と消費税・約6

海外のお客さんへの請求、消費税はどうする?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

海外向けの請求でも、消費税の扱いは取引内容で変わります。初回見積もり前に整理する情報と、税理士への確認手順をまとめます。

1. 海外の会社宛てでも、消費税なしとは限りません

海外のお客さんへの請求は、見積もりを出す前に、何をどこで渡し、どこで使ってもらう取引かを整理します。相手の住所が海外というだけでは、日本の消費税を付けるかどうかは決まりません。

たとえば、日本から商品を発送する注文と、来日した担当者に国内で商品を引き渡す注文では、確認する条件が違います。国内の施設を使ってもらうサービスも、請求先が外国企業だからといって輸出免税になるわけではありません。

創業直後は、受注を急いで「海外向けなので税なし」と返事をしがちです。その後、国内で課税される取引だと分かっても、合意した代金に税額を上乗せできるとは限りません。税抜・税込の条件を約束する前に、取引の実態を税理士へ伝えます。

最初の問い合わせには、価格を確定するために納品条件も確認したいと伝え、次の情報を聞きましょう。

  • 契約する会社の正式名称と所在地
  • 商品の届け先、またはサービスを受ける場所
  • 発注元と実際に商品やサービスを使う相手
  • 相手の日本の支店や担当者が取引に関わるか

2. 商品なら、誰がどこへ運ぶかを先に決める

日本から海外へ商品を輸出する取引は、所定の要件を満たせば消費税の輸出免税の対象になります。ただし、海外へ送ったという説明だけで済ませず、輸出した事実を示す書類などの保存が必要です(国税庁)。

自社で発送するのか、国内の倉庫へ納めた後に相手が輸出するのかで、調べるべき点が変わります。後者では、自社の販売まで輸出免税になると決めつけないでください。誰の取引として輸出されるのか、どの書類を自社で残せるのかを税理士に確認します。

配送会社に連絡する際は、料金や到着予定と一緒に、発送後に受け取れる証明書類も聞きます。通関を任せる場合も、書類の取得方法が分からないまま出荷しないようにします。

  • 見積書と注文書には、商品名・数量・届け先をそろえる
  • 発送を手配する側と、輸出手続きを行う側を確認する
  • 輸出許可書や配送関係の書類を、注文ごとにまとめて残す

海外で仕入れた商品を日本に入れず、そのまま海外のお客さんへ届ける場合は、別の判定が必要です。日本から輸出する場合と同じ扱いにせず、商品の所在地と移動経路を図にして渡すと相談が進みます。

3. オンラインの仕事は、提供方法まで伝える

デザイン、翻訳、コンサルティングなどの仕事では、契約相手だけでなく、具体的な作業と成果物の使われ方を伝えます。外国企業向けの仕事でも、国内で直接便益を受ける一定のサービスなどは、輸出免税から除かれます(国税庁)。

「海外向けの制作です」という説明では、日本の店舗で使うものなのか、海外事業のためのものなのかが見えません。受注前に用途を聞いておけば、税理士から確認を求められて商談が止まる場面を減らせます。

もう一つ分けたいのが、個別に仕事をしてメールで納品する取引と、ネット経由でソフトやコンテンツなどを提供する取引です。後者には、受け手の住所などを基に国内取引か国外取引かを判定する「電気通信利用役務の提供」のルールが関わります。メールやオンライン会議を使うだけで、この区分に決まるわけではありません。(国税庁)

相談時には、サービス名に加えて実際の提供手順を書きます。

  • 誰がどこで作業し、何を納品するか
  • 個別に制作するのか、既存のデータや機能を提供するのか
  • 相手は事業者か個人か、何のために利用するか
  • 契約、打ち合わせ、納品に相手の日本拠点が関与するか

たとえば「翻訳原稿をメールで納品する」と「翻訳ソフトの利用権を販売する」では、同じ翻訳関連の売上でも調べるルールが異なります。名称を似せてまとめず、取引ごとに確認してください。

4. 税理士には、税額と帳簿の区分を聞く

取引内容がまとまったら、初回見積もりの案と一緒に税理士へ送ります。「消費税はゼロでよいですか」だけで終えると、請求額は分かっても、帳簿への入力方法や残す書類が曖昧になります。

消費税を請求しない場合でも、日本の消費税が免除される輸出免税と、日本の消費税の対象範囲外となる国外取引などでは、処理が違います。また、自社が免税事業者か課税事業者かという区分も、取引そのものの判定とは分けて確認します。

税理士には、判断の理由が後から分かる形で回答をもらいましょう。

  • 日本の消費税を請求額に含める取引か
  • 会計ソフトでは、どの税区分で入力するか
  • 判定の根拠として、何の書類ややり取りを残すか
  • 納品先や利用方法が変わった場合、再確認が必要か

顧問税理士が未定なら、見積もり案を持ってスポット相談を依頼する方法もあります。その際は、取引の判定と請求書の確認を頼みたい、と相談範囲を伝えます。

なお、日本の消費税を請求しないという結論だけでは、相手国の税の扱いまでは決まりません。現地の付加価値税や源泉徴収などについて確認が必要かも、あわせて税理士に聞いてください。

5. 見積もりの回答を、請求書と保存に反映する

確認が済んだら、税の扱いを見積書へ反映し、その条件で相手の合意を取ります。社内では、税理士の回答を見積書・契約書と同じ場所に保存します。翌月に似た注文が来たときも、何を前提に判断したかを読み返せます。

外貨で請求するなら、請求通貨と送金手数料の負担も決めます。円換算の方法は税理士に確認し、入金された円の金額をそのまま売上として入力してよいか、自分だけで判断しないようにします。

  • 請求書の取引内容を、見積書や注文書と一致させる
  • 契約、納品、発送、入金の記録を案件単位で保存する
  • 会計ソフトの税区分を、確認した回答に合わせる

届け先やサービスの使われ方が変わったら、初回の判断を使い回さず再確認します。 前回と同じお客さんでも、海外への発送が国内引き渡しに変われば、確認し直す理由になります。

6. 今日やること

次の海外案件は、金額を返答する前に納品条件を一枚にまとめます。税理士への確認日を、見積もり提出日より前に置いてください。

  • 相手の所在地、納品先、提供内容、利用目的を書き出す
  • 見積もり案を添え、消費税の扱い・税区分・保存書類を税理士に聞く
  • 回答と契約・納品・入金の記録を残す案件フォルダを作る

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