税金と消費税・約6分
海外の有料ソフト、契約前に税金を確認
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
海外ソフトは、支払先と契約内容で税金の扱いが変わります。契約前に集める資料と、税理士への確認事項を整理します。
1. 申し込む前に、請求書の見本を探す
海外の有料ソフトを契約するときは、支払う前に販売元と請求内容を調べ、税理士に確認しましょう。会計やデザイン、顧客管理のソフトは、少額の月額契約でも税金の確認が必要になる場合があります。
料金ページに日本円が表示され、日本語のサポートがあっても、契約相手が日本の会社とは限りません。反対に、海外ブランドでも国内の販売会社から購入する場合があります。運営会社の紹介ページだけで判断せず、利用規約と購入画面を照らし合わせましょう。
無料体験に申し込む段階で、請求書の見本や請求に関する案内を探してください。見つからなければ、販売元に問い合わせます。
- 契約するプラン名と、主なサービス内容を控えます。
- 利用規約で、契約相手の正式名称と所在地を確認します。
- 購入画面で、料金に税金が含まれるか確認します。
- 請求書の発行方法と、宛名の変更方法を調べます。
サービスの名前より、「誰から何を買うか」が税金の判断材料になります。 自分の名前で体験登録した場合は、有料契約へ移る前に会社名で請求を受けられるかも確認します。
2. 「Tax」の表示だけで日本の消費税と決めない
購入画面に「Tax」とあっても、それだけでは日本の消費税か、外国の税金か分かりません。会社の住所や所在国の設定によって表示が変わるサービスもあります。税金を減らすために別の国を選ばず、実際の契約者情報を入力します。
最初に見るのは、税金の名称、金額、請求元です。日本の消費税が記載されているようなら、適格請求書発行事業者の登録番号があるかも調べましょう。ただし、番号の有無だけで、支払った消費税を差し引けるかまでは決まりません。
アプリストアや販売プラットフォームを経由すると、開発会社とは別の会社が請求や税務処理に関わることがあります。開発元の所在地だけを税理士に伝えると、確認をやり直すことになります。
- 税金の名称と金額が分かる購入画面を保存します。
- 請求書に記載される会社名と登録番号を控えます。
- 販売サイトと請求元が異なる場合は、両方の情報を残します。
カード明細は支払った事実を確かめる資料ですが、サービスの内容や税金の内訳までは分からないことがあります。明細だけで済ませず、販売元から請求書や領収書を取得する準備をしておきましょう。
3. 法人で使っても「事業者向け」とは限らない
海外からインターネットを通じて提供されるクラウドソフトなどは、消費税上の「電気通信利用役務の提供」に当たる場合があります。その中でも、サービスの性質や取引条件から、通常、事業者に限って提供されるものが「事業者向け」として扱われます(国税庁)。
法人名義で申し込んだから事業者向け、個人向けプランだから消費税は関係ない、と単純には分けられません。社長が仕事に使うかどうかと、税法上のサービスの区分は別に確認します。
事業者向けに該当する取引では、買い手側が消費税を申告・納税する仕組みの「リバースチャージ方式」が関係します。ただし、実際に申告処理が必要かは、自社の消費税の課税状況や計算方法などで変わります。免税事業者と課税事業者で、対応を一律には決められません(国税庁)。
請求書に消費税が載っていない場合も、「税金の処理はない」と自己判断しないでください。 税理士には、販売元の説明と自社の状況をセットで確認してもらいます。
- 規約や税務案内に、事業者向けサービスである旨の記載がないか探します。
- 買い手側に納税義務がある旨の通知が届いていないか確認します。
- 自社の課税状況と申告方法で、どの処理が必要か税理士に聞きます。
設立直後で自社の消費税区分が分からなければ、そのまま伝えて構いません。海外ソフトのためだけに、消費税の届出を自分で選んで提出するのは避けましょう。
4. 自社で使う契約か、販売する権利も買う契約か
月額のソフト利用と、ソフトを複製して販売する権利の取得では、確認すべき税金が変わる場合があります。海外への支払いでは、代金から税金を差し引いて日本で納付する「源泉徴収」が必要かという確認もあります。
通常の社内利用なのか、著作権などの使用料に当たるのかは、契約内容を見て判断します。請求書に「License」と書かれているだけで源泉徴収の要否を決めず、何を許されている契約か税理士に確認してください。
特に、自社の商品に組み込む場合や、顧客へ再販売する場合は、決済前に規約の該当部分を共有します。支払い後に確認すると、相手への照会や書類の準備が後追いになります。
- 社内で使うだけか、顧客にも提供する予定かを伝えます。
- 複製、改変、再販売についての契約条項を共有します。
- 源泉徴収の要否と、租税条約に関する手続きの有無を税理士に確認します。
5. 税理士には資料をまとめて、決済前に聞く
「海外のソフトは経費になりますか」だけでは、消費税や源泉徴収の確認まで進まないことがあります。用途に加え、誰に、いくら、いつ払うかを短い文章にして送ると、相談が具体的になります。
たとえば「社内のデザイン作業用です。契約相手は規約に記載された海外法人で、年間料金を来週カード決済する予定です。購入画面と規約を添付します」と伝えます。利用期間も添えれば、年払いの費用をどの時期に計上するかも相談できます。
- 消費税の区分と、会計ソフトで使う税区分を確認します。
- 源泉徴収や支払い前の書類提出が必要か確認します。
- 保存する請求書と、外貨払いの円換算方法を確認します。
確認が済んだら、回答を初回の請求書と一緒に残します。 翌月以降の入力で迷いにくくなり、担当者が変わっても経緯を伝えられます。販売元やプラン、契約条件が変わったときは、同じ処理でよいか再確認します。
税理士が未定なら、有料契約の前に単発相談を利用する方法もあります。急いで使いたいときほど、自動課金日を先に控え、資料をそろえて相談日を決めましょう。
6. 今日やること
契約予定のソフトを一つ選び、購入画面と規約を開いてください。不明な点を残したまま決済せず、次の順で確認を進めます。
- 販売元の正式名称、所在国、プラン名を一枚のメモにまとめます。
- 税金の内訳が分かる画面と、請求書の見本を保存します。
- 決済予定日と利用目的を添えて、消費税・源泉徴収・保存資料を税理士に確認します。