本文へ進む
創業GO!
ログイン

税金と消費税・約6

社長個人の確定申告、会社の決算とは別?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

会社の決算と社長個人の確定申告は別の手続きです。役員報酬以外の所得や設立前の働き方から、申告が必要か整理します。

1. 会社の決算だけでは、個人の申告は済みません

会社の利益は会社で、社長個人の所得は個人で申告します。 一人で経営し、株主も自分だけという会社でも、この区別は変わりません。会社の赤字状況だけでは、社長の申告が不要かどうかは判断できません。

法人の決算は会社が決めた事業年度で区切ります。一方、個人の所得税は毎年1月1日から12月31日までの所得をまとめ、原則として翌年2月16日から3月15日までに確定申告します。休日などで日程が変わるため、その年の期限を確認してください(国税庁)。

会社から受け取る役員報酬は、個人側では給与所得です。年末調整で所得税の精算が済み、ほかに申告が必要な事情がなければ、社長でも確定申告が不要な場合があります。

まず、会社の会計資料とは別に、自分の申告用フォルダを作りましょう。年内から集めると、会社の決算と重なっても探す時間を減らせます。

  • 会社や前職から受け取った源泉徴収票を入れます。
  • 個人名義の売上や家賃収入の資料を入れます。
  • 医療費や寄附金など、控除を確認する資料を入れます。

2. 創業した年は、設立前の収入から確認する

登記した日から個人の一年が始まるわけではありません。会社員を辞めて起業した人なら前職の給与、個人事業から法人に切り替えた人なら切替前の事業の所得も、その年の確認対象です。

前職の給与は、源泉徴収票を新しい会社へ渡し、条件を満たせば通算して年末調整します。自社の役員報酬だけで年末調整している場合は、前職分が反映されているか給与計算の担当者に確認してください。

個人事業から法人化した場合、個人で受けた仕事の入金が、設立後にずれ込むこともあります。入金された日だけで、個人と会社の売上を振り分けないでください。 契約や納品の時期、事業を引き継いだ日を並べ、税理士に確認します。

年末には、通帳を眺めるだけで終えず、何の対価を誰が受け取ったかを整理します。会社の売上と個人の収入の混在も、この段階で見つけやすくなります。

  • 前職の給与と退職金の資料を確認します。
  • 設立前に個人で受けた仕事の売上と経費を整理します。
  • 設立後も個人で続けている副業や貸付けの収入を整理します。

退職金は支払時に課税関係が済む場合もあります。給与と一緒に扱わず、退職所得の源泉徴収票を渡して確認しましょう。

3. 「給与以外が20万円以下」だけで判断しない

給与を一か所から受け取り、その全部が源泉徴収の対象になる人は、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。給与収入が年間2,000万円を超える場合も、申告が必要になります(国税庁)。

ここでいう20万円は、売上や入金額そのものとは限りません。副業なら、通常は収入から必要経費を差し引いた所得で判定します。ただし、支出をどこまで必要経費に含められるかは、仕事内容と資料によります。

創業社長が見落としやすいのは、自分の会社から受け取る家賃や利息です。同族会社の役員などが、その会社から給与のほかに貸付金の利子や不動産の賃貸料などを受け取る場合は、20万円以下でも原則として確定申告が必要です(国税庁)。自宅の一部を会社に貸している人は、受取額と契約内容を税理士に伝えてください。

会社へ貸したお金については、元本の返済と利息の受取りを分けます。返してもらった総額を、そのまま所得として数えるわけではありません。

  • 自社以外からも給与を受け取っていないか確認します。
  • 会社から家賃や利息を受け取っていないか確認します。
  • 個人の投資や資産売却による所得がないか確認します。

複数の勤務先の給与や、株式・不動産の売却などは条件が異なります。種類ごとに資料を分けて相談しましょう。また、所得税の申告が不要でも、住民税の申告が必要な場合はあります。税理士や住所地の自治体に確認してください。

4. 控除のために申告するなら、ほかの所得も載せる

申告義務がなくても、払い過ぎた所得税を返してもらうために確定申告する場合があります。医療費控除を受けるときや、住宅ローン控除を初めて受ける年などが該当します。対象になる支出や適用条件を確かめてから準備します。

気をつけたいのは、控除だけ追加して終わりにはできない点です。確定申告をする場合は、原則として20万円以下の副業所得なども含めて申告します。 申告不要を選べる所得などは扱いが異なるため、資料を省く前に税理士へ確認してください(国税庁)。

ふるさと納税の申請方法を確認してください。ワンストップ特例を申請済みでも、所得税の確定申告をすると特例は適用されません。申請済みの寄附分も含め、確定申告で寄附金控除を申告します(国税庁)。

  • 医療費の明細と保険金などで補われた金額を整理します。
  • 住宅ローン控除に必要な書類を確認します。
  • その年のふるさと納税の寄附資料をまとめます。

5. 年明けに、税理士の担当範囲を決める

法人の顧問契約に、社長個人の確定申告まで含まれるとは限りません。会社の資料を毎月渡していても、個人の家賃収入や前職の給与を税理士が把握しているとは限らないため、別に伝えます。

年明けには、所得の種類を一枚にまとめて相談日を決めましょう。まだ金額がそろっていなくても、「前職の給与あり」「会社から家賃を受領」と書けば、必要書類を聞けます。

依頼するなら、次の点を先に合わせておくと、期限間際の行き違いを減らせます。

  • 個人の申告を依頼できるか、報酬はいくらか確認します。
  • 資料を渡す期限と、不足書類の連絡方法を決めます。
  • 提出後に受け取る申告書の控えと、納付方法を確認します。

自分で申告する場合も、所得の区分や会社からの家賃の扱いなど、迷う部分は入力前に相談してください。納付が見込まれるなら、生活費とは分けて個人の口座に資金を残します。

6. 今日やること

前年分の申告を準備している人は前年、年内に準備を始める人は今年の収入を書き出してください。そろっていない資料には、取り寄せる相手と日付を添えましょう。

  • 自社の役員報酬、前職の給与、副業、家賃などを一枚に書き出します。
  • 源泉徴収票、個人の収入資料、控除の資料を一つのフォルダに集めます。
  • 税理士へ所得の一覧を送り、申告の要否と依頼範囲、資料の提出期限を確認します。

次の一歩

事前登録すると開始時に案内が届き、資料56本が開けます。