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経営の数字・約6

通帳と帳簿の残高が違う、どこから調べる?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

月末の残高が合わないときは、最後に一致した日から入出金を照合します。未記帳・重複・日付違いを順に探し、根拠を残して直しましょう。

1. 同じ口座の、同じ日の残高を比べます

通帳と帳簿の残高が違ったら、まず同じ口座の、同じ月末時点を比べているか確認します。今日のネットバンキングの残高と、先月末の帳簿を並べても、差額の原因は分かりません。

創業後1年未満の場合は、最初の月から照合を始めましょう。翌月の初めに銀行明細をそろえ、会計ソフトへ取り込んだ取引の登録を済ませてから確認します。税理士に記帳を任せている場合は、何月分まで入力済みかを聞いてください。

会計ソフトでは、取引を日付順に並べた「総勘定元帳」を開き、普通預金の該当口座を選びます。銀行連携画面に出る残高が、そのまま帳簿の残高とは限りません。明細を取得していても、取引の登録が終わっていない場合があります。

  • 銀行側は、対象月末までの入出金が載った明細を用意します。
  • 帳簿側は、同じ口座の月末残高と取引一覧を出します。
  • 複数の口座がある場合は、口座ごとに照合します。

紙の通帳にまとめて記帳された部分があれば、個別の入出金が分かる明細を銀行で確認します。口座全体の合計だけでは、どの取引が抜けたのか追えません。

2. どこまで合っていたかを先に探します

月末の差額を書き出したら、前月末は一致していたかを見ます。合っていれば、調べる範囲は今月分です。前月末も違うなら、さらに前へ戻り、最後に残高が一致した月末を探します。

設立後、一度も照合していない会社では、帳簿に登録した最初の残高も確認してください。開始時の残高を入力したうえで、その残高に含まれる入金をもう一度登録していると、その後の取引が正しくても差が残ります。

照合は、銀行明細と帳簿を古い日付から並べて進めます。銀行にある入出金が帳簿にもあるかを確認し、次に帳簿だけにある取引を探すと、重複にも気づけます。

  • 日付・入出金の向き・金額が一致した取引に印を付けます。
  • 同額の取引が複数あるときは、振込名義や摘要も比べます。
  • 対応する取引が見つからないものは、確認用の一覧に残します。

件数が多ければ、月の途中の日付で残高を比べ、差が出始めた範囲を狭めます。毎月照合しておくと、決算前に何か月分もさかのぼる負担を減らせます。

3. 未記帳・重複・日付違いの順で見ます

銀行には載っているのに帳簿にない取引から探します。創業直後は、本業の支払いを優先して、振込手数料や口座振替の登録が後回しになりがちです。銀行連携が途中で切れ、数日分の明細だけ抜けている場合もあります。

次に見るのは二重登録です。手入力した支払いを、後から取得した銀行明細でも登録していないか確認します。金額だけで削除を決めると、たまたま同額だった別の支払いを消してしまうので、相手先と内容まで照合してください。

最後に、月末前後の日付を調べます。振込予約をした日と、銀行口座から実際に引き落とされた日が違えば、月をまたいで差が出る場合があります。

  • 未記帳は、未登録の明細、振込手数料、口座振替、利息を確認します。
  • 重複は、手入力と自動連携、明細ファイルの再取込みを確認します。
  • 日付違いは、月末と翌月初めの取引、振込予約の実行日を確認します。

法人カードの買い物も見落としやすいところです。購入時に普通預金を減らし、引落時にも減らすと二重になります。カード利用時の処理と銀行引落時の処理がどうつながっているか、税理士に確認しましょう。

なお、請求書を発行しただけの未入金の売上は、通常、普通預金には入りません。売上日と入金日が異なる場合は、帳簿上は売上日で登録します。

4. 差額を経費にして埋めないでください

原因が分からないまま雑費などを入れて残高を合わせると、利益まで変わってしまいます。差額は、取引の根拠が見つかってから直します。 金額が小さくても、手数料だろうと決めつけないでください。

また、月末残高が一致していても、記帳がすべて正しいとは限りません。同額の入金と出金が両方抜けていれば、差額はゼロになります。残高の一致に加えて、明細に照合の印が付いているかも確認します。

自社の口座間でお金を移した場合は、出金側と入金側をセットで見ます。移動先を別の口座に登録していたり、片方だけ登録していたりすると、会社全体では合っていても口座ごとの残高がずれます。

  • 修正前に、対象の日付・金額・登録内容を控えます。
  • 修正時は、銀行明細などの根拠と修正理由を残します。
  • 修正後は、対象月末と、その後の月末残高を再確認します。

入出金の日付を直す際、関連する売上や仕入れの日付まで一緒に変えないようにします。すでに税理士が確認した月や決算済みの期間は、先に修正方法を相談してください。

5. 調べきれない取引は、税理士へ絞って渡します

相手先が分からない振込や、帳簿の操作に迷う取引が残ったら、その箇所を税理士へ送ります。「残高が合いません」だけより、調べた範囲が伝わるほうが確認を進めやすくなります。

連絡には、対象の銀行口座、照合した月末日、銀行残高、帳簿残高を記載します。差額は「帳簿のほうが多い・少ない」まで書くと、取り違えを防げます。

  • 最後に残高が一致した日を伝えます。
  • 対応が見つからない取引の一覧と銀行明細を添えます。
  • 自分で修正した箇所と、まだ触っていない箇所を分けて伝えます。

税理士が修正を担当するなら、回答を待つ間に同じ取引を編集しないようにします。誰が直すかを決め、修正後の帳簿を読み戻して一致を確認するところまでを、一回の照合作業にしましょう。

6. 今日やること

まずは先月分の一口座から着手します。原因が残った場合も、調べた場所を記録しておけば、次の確認をそこから再開できます。

  • 先月末の銀行明細と、同じ口座の帳簿を並べて残高を比べます。
  • 差があれば、最後に一致した日から未記帳・重複・日付違いを探します。
  • 不明な取引を一覧にし、税理士への連絡日と毎月の照合日を予定に入れます。

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