売上をつくる・約6分
久しぶりのお客さん、何とメールする?
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
久しぶりの連絡は、前の仕事に触れる短いメールから始めます。相手の返事に合わせて、近況確認から再提案へ進める手順をまとめました。
1. 連絡する前に、前の仕事の終わり方を確かめる
久しぶりのお客さんには、前に頼まれた仕事を一つ挙げ、その後を尋ねる短いメールを送ります。創業直後に受けた仕事なら、納品後の様子を聞く理由があります。新しい注文が必要になってから慌てて連絡するより、今ある取引の履歴から相手を選びましょう。
まず、過去の請求書やメールを開きます。宛先を並べる前に確認したいのは、最後のやり取りです。納品して終わったのか、見積もりへの返事が止まっているのか、苦情への対応が残っているのかで、送る内容が変わります。
- 最後に依頼された仕事と、やり取りした時期を確認します。
- 保留になった相談や、次に連絡する約束を探します。
- 未対応の修正依頼や、連絡を控えてほしいという意思表示を確認します。
対応漏れがあれば、その解決を先に進めます。返答を待たせたまま新しい商品の案内を送ると、「前の件はどうなったのか」と思われても無理はありません。
初回は、履歴を読める範囲の少人数に絞ります。「春に作った資料を秋にも使うと伺っていた」など、相手の予定と結びつく連絡理由が見つかる人から着手すると、文面を作りやすくなります。
2. 挨拶は短く、思い出せる一文を添える
「ご無沙汰しております」だけでは、誰から来たのかすぐに分からない場合があります。社名と名前に加え、前に担当した仕事を冒頭に添えてください。長く連絡しなかったことを何行も謝る必要はありません。約束していた連絡が遅れたときは、その点を具体的にお詫びします。
本文に入れる材料は、送る前に次のように整理します。
- 名乗りには、社名・氏名・前に担当した仕事を入れます。
- 連絡の理由には、相手が以前話していた予定や用途を使います。
- 質問には、短い返事で答えられる内容を一つ選びます。
たとえば、営業資料を制作した相手なら、件名は「春に制作した営業資料のご利用状況について」とします。本文は次の程度で十分です。社名や案件名は、実際の履歴に置き換えてください。
ご無沙汰しております。○○社の△△です。春に営業資料の制作をご依頼いただき、ありがとうございました。
秋の商談でもお使いになると伺っていたため、ご連絡しました。その後、掲載内容を更新したい箇所は出てきましたか。もしあれば、該当ページだけでもお知らせください。今のままで支障がなければ、ご返信は不要です。
返信不要と書く場合は、返事がなくても受け入れる前提にします。また、覚えていない近況や予定を推測で差し込むのは避けます。履歴に材料がなければ、「納品した資料で、使いにくい箇所はありませんでしたか」と実際の仕事に絞って尋ねましょう。
3. 最初のメールでは、質問を一つにする
近況を聞くつもりが、商品案内、料金表、面談候補日まで入ってしまうことがあります。相手は読むだけでなく、何に答えるかも考えなければなりません。最初の連絡は、相手が返事を一つ書けば済む形に整えます。
「最近いかがですか」は柔らかい言葉ですが、仕事全体の近況をまとめる負担があります。前の依頼に結びつく範囲まで狭めたほうが、忙しい担当者も返しやすくなります。
- 「最近お困りのことはありますか」は、「前回の設定で、操作に迷う箇所はありますか」に絞ります。
- 「一度お話ししませんか」は、「更新の予定は今もありますか」と予定の確認に変えます。
- 「新サービスの資料をご覧ください」は、「追加対応の資料が必要でしたらお送りします」と希望を聞きます。
添付資料は、質問に答えるために必要な場合だけにします。以前の制作物の一部を示したいなら、該当箇所が分かる程度にとどめます。
なお、新サービスを売り込む目的で連絡するなら、その目的を文面に書きます。挨拶に見せかけて面談に誘い、当日初めて営業の話を出す進め方は、次の連絡を受けてもらいにくくします。
4. 返事が来たら、困りごとの範囲を合わせる
「ちょうど直したいところがありました」と返ってきても、すぐに一式の見積もりを送るのは早い段階です。相手が望むのは一ページの修正なのに、全面改訂を提案してしまうかもしれません。
返信では、聞けた内容を短く受け止めたうえで、提案に足りない情報を確かめます。以前の取引を知っていても、予算や担当者、使い方が変わっている可能性があります。
- どの箇所を、どう変えたいかを確かめます。
- いつ使う予定かを聞きます。
- 前回から変わった条件があるかを確認します。
「料金ページを直したい」と返信があれば、「料金ページの更新ですね。変更箇所と、次にお使いになる時期を教えていただけますか」と返せば、話が進みます。メールで判断できる量なら、面談を挟む必要はありません。
条件がそろったところで、「該当ページのみの更新でお見積もりしてよろしいですか」と提案の範囲を合わせます。見積もりは、相手が直したい範囲を確認してから作ります。あわせて、確認作業だけで終わるのか、有料の調査や修正が必要なのかも伝えておきましょう。
5. 返事がない相手を、毎週追いかけない
未返信だけでは、不要なのか、忙しいのか、担当が変わったのかは分かりません。一方で、こちらの売上目標を理由に連絡を重ねても、相手が返す理由にはなりません。
社内の運用として、送信から一〜二週間ほど置いて一度だけ再連絡し、その後は止める、と決めておくと迷いが減ります。これは営業上の目安です。返信不要と伝えたメールには、受信確認を求める追送をしないほうが文面と行動がそろいます。
返事の内容に応じて、記録も変えます。
- 「今は不要」なら、お礼を返して今回の案内を終えます。
- 「来月なら」なら、連絡してよい時期を確認して予定に入れます。
- 未返信なら、送信日と連絡内容を残して追送を止めます。
- 今後の案内を断られたら、送信対象から外します。
次に連絡するときは、前のメールをそのまま送り直さず、新しい理由があるかを確かめます。毎月の案内が必要な相手かどうかも、こちらだけで決めないようにします。
6. 今日やること
最初の一通は、過去のメールを読み返してから書きます。送る前に、質問が一つで済んでいるかを確認してください。
- 以前のお客さんを一人選び、最後の依頼と未対応の用件を確認します。
- 前の仕事に触れた挨拶と、短く答えられる質問を一つ書きます。
- 送信日と連絡内容を記録し、返事が来たら確認する事項をメモします。