売上をつくる・約5分
紹介を頼む前に、転送できる一文を作ろう
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
紹介の依頼は、相手と提供内容が伝わる一文から始めます。知人が転送しやすい文面と、紹介後の動き方を整えます。
1. 「誰か紹介して」では相手が浮かびません
紹介を頼むなら、「誰の、どんな困りごとを、何で手伝うか」を一文にしてから連絡します。「会社を作ったので、仕事があればお願いします」だけでは、知人があなたの営業先と説明文を考えるところから始まってしまいます。
登記したばかりで提供するサービスが複数あっても、一度の依頼で全部を伝える必要はありません。まずは、自分が今受けられる仕事を一つ選びます。過去に経験した業務や、納品までの流れを説明できる仕事なら、紹介された後も話を進めやすくなります。
次の項目をメモに書いてみてください。
- 紹介してほしい相手は、どんな事業をしている人か
- その人は、どんな場面で困っているか
- 自社は、何をどこまで引き受けるか
「中小企業の社長」では範囲が広すぎます。「初めて社員を採用し、入社案内の資料を作る時間がない社長」なら、知人も最近聞いた話と結び付けやすくなります。
2. 転送する一文には、相手と仕事を入れる
たとえば、資料制作を仕事にする会社なら、こんな一文です。
「初めて社員を採用し、入社案内の資料づくりに手が回らない小さな会社向けに、社内ルールを伺って説明資料にまとめる仕事をしています。」
業種だけで絞るより、困っている場面が見える文章にすると、「あの人が困っていたな」と思い出す手がかりになります。一方で、条件を細かく重ねすぎると該当する人が浮かびません。地域や人数を入れるのは、訪問範囲や受注条件に関係するときで十分です。
完成したら、次の点を読み直します。
- 相手が自分のことだと分かる言葉になっているか
- 頼める仕事の範囲が伝わるか
- 知人が専門用語を説明せずに転送できるか
「経営課題を解決します」「幅広く支援します」では、依頼できる仕事が見えません。「社内ルールを聞いて資料にまとめる」のように、実際に行う作業を書きます。
安さや成果の約束を加える必要もありません。まだ仕事の条件を聞いていない段階で「短納期で対応します」と入れると、紹介した人まで約束したように受け取られるおそれがあります。今の体制で引き受けられる内容だけを書くと、その後の相談にも無理が出にくくなります。
3. 知人へのお願いと転送文を分けましょう
連絡先を思い付くままに並べる前に、自分の仕事ぶりを知っている人を候補にします。以前一緒に働いた人や、独立の相談をした知人などです。最近連絡していない相手なら、近況と今の仕事内容を伝えるところから始めます。
依頼文には、なぜその人に声をかけたのかを添えます。「経営者の知り合いが多そうだから」より、「先日、小さな会社の採用相談を受けることがあると伺ったので」のほうが、お願いの理由が伝わります。聞いていない話を作って書くのは避けます。
送るメッセージは、次の順に並べると整えやすくなります。
- 知人への挨拶と、声をかけた理由
- 紹介先にそのまま転送してもらう文章
- 該当する人が思い浮かばなければ返信不要という一言
知人へのお願いは、たとえば「もし資料づくりに困っている方が思い浮かんだら、下の文章を転送していただけると助かります。該当する方がいなければ、ご返信は不要です」と書けます。
転送部分には、先ほどの一文に続けて、社名・自分の名前・連絡先を添えます。「ご関心があれば、下記のメールへ現在のお困りごとをお知らせください」と、次の動きも短く書きます。料金表や長い会社案内を最初から何点も付けるより、相手が返事をした後に必要な資料を送るほうが、知人の説明負担も減ります。
4. 連絡先を聞く前に、つないでよいか確認する
紹介したい人がいると返事が来ても、すぐに電話番号やメールアドレスを求めないようにします。まず転送文を読んでもらい、相手が話を聞きたいと答えてから、連絡方法を決めます。
紹介先が了承してからつないでもらう流れを、知人にも伝えておきます。相手から直接メールをもらう形でも、了承を得てグループのやり取りを始める形でも構いません。
つながったら、お礼の長文より先に相談の入口を示します。
- 何について困っているかを短く伺う
- 最初の打ち合わせで確認する内容を伝える
- 相談に料金がかかる場合は、予約前に伝える
知人から事情を聞いていても、「すべて伺っています」と話を進めず、本人に確認します。紹介は契約への同意ではありません。必要な仕事と条件を確かめ、見積もりに進むかを双方で判断します。
5. 依頼後は催促より、文面を見直すようにする
紹介のお願いを送ったら、依頼日・相手・使った文面を手元に残します。別の場所で会ったときに同じお願いを繰り返したり、すでに断られた人へ再送したりするのを防ぐためです。
返事がないときに「誰かいましたか」と何度も聞くと、知人に人探しを頼み続ける形になります。次の依頼を増やす前に、話しやすい相手へ「この説明で、どんな人向けか伝わりましたか」と聞いてみます。
- 対象が浮かばないなら、困っている場面を具体的にする
- 何を頼めるか不明なら、作業内容を書き直す
- 条件の違う相談が来るなら、対応範囲を補足する
紹介がつながった際は、その時点で知人へお礼を伝えます。結果を報告するときも、商談内容や金額まで共有せず、紹介先が共有を望まない情報は控えます。受注に至らなくても、つないでくれたことへのお礼は変わりません。
6. 今日やること
まず一人に送る文面を完成させます。候補者を増やすのは、仕事内容が伝わるかを確かめてからで十分です。
- 今受けられる仕事を一つ選び、相手・困りごと・提供内容を一文にします。
- 社名・名前・連絡先を添え、転送部分だけで意味が通るか読み直します。
- 自分の仕事を知る知人一人へ、紹介先の了承を得てからつないでもらう形で依頼します。