届出と保険・約6分
会社の登記・印鑑証明書をネットで取り寄せる
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
法務局へ行かず、PCから会社の証明書を請求する手順を整理します。登記と印鑑では、必要な準備が異なります。
1. 最初に提出先へ、書類の名前を聞く
会社の証明書は、オフィスのPCからオンラインで請求し、郵送で受け取れます。口座開設や融資の相談、取引先との契約で求められたら、まず提出先の案内を確認してください。「登記簿謄本をください」という言い方だけでは、必要な種類や通数がはっきりしない場合があります。
会社の商号、本店、役員などが記載された書類が、登記事項証明書です。そのうち、現在の事項と一定範囲の変更履歴を確認できるものを「履歴事項全部証明書」と呼びます。一方、会社の印鑑証明書は、書類に押した代表者印が法務局へ届け出た印鑑と同じかを確認するために使います。
請求前に、次の項目を一度のメールで聞いておくと、取り直しを減らせます。
- 登記事項証明書は「履歴事項全部証明書」でよいか
- 印鑑証明書も必要か、それぞれ何通必要か
- 発行後どのくらいの期間内のものを受け付けるか
- 紙の原本が必要か、写しやスキャンデータでよいか
「発行から何か月以内」という条件は、提出先ごとに確認します。創業直後に多めに取っておいても、使う時期には取り直しになるかもしれません。必要な種類・通数・提出期限を決めてから請求する順番にしましょう。
2. 履歴事項全部証明書はブラウザーから請求する
登記事項証明書の請求には、法務省の「登記・供託オンライン申請システム」を使います。初めて利用するときは、申請者情報を登録します。検索で案内ページを開く際は、法務省が案内する公式サービスかを確かめてください。
ブラウザーで手続きを進める「かんたん証明書請求」なら、この証明書の請求のために電子署名を用意する必要はありません。代表者本人以外でも請求できるので、社内で事務を担当する人に任せる際にも使えます。
手元に会社の正式な商号と本店所在地を置き、次の順で進めます。
- 申請者情報を登録し、申請者IDなどを社内の安全な場所で管理する
- ログイン後、会社・法人の登記事項証明書を請求する項目へ進む
- 会社を検索し、商号と本店所在地が自社と一致するか確認する
- 「履歴事項全部証明書」を選び、通数を入力する
- 郵送による受取を選び、送付先などを確認して請求を送信する
似た商号の会社があるため、名前だけで選ばないようにします。会社法人等番号が分かれば、照合にも使えます。税務関係で使う法人番号とは桁数が異なるので、画面が求めている番号を確かめて入力してください。
送信後は、受付番号と請求内容を保存します。この時点では、まだ支払いは完了していません。
3. 印鑑証明書は、電子署名の準備が先
会社の印鑑証明書は、登記事項証明書と同じ操作では請求できません。オンライン請求には、PCにインストールして使う「申請用総合ソフト」と、印鑑提出者本人による電子署名が必要です。申請用総合ソフトはWindows専用で、Macには対応していません。 Macを使っている会社は、対応するWindowsのPCを用意できるか、導入前に確認してください。
電子証明書は、ネット上で手続きする人の本人確認に使うものです。普段使っている電子契約サービスのアカウントが、そのまま使えるわけではありません。
電子署名には、印鑑提出者である代表者個人のマイナンバーカードに搭載された署名用電子証明書も利用できます。 商業登記電子証明書を新たに取得する前に、手元のカードが使えるか確認しましょう。
まず、次の準備ができているかを確認します。
- 代表者印を法務局へ届け出ており、印鑑カード番号が分かる
- 印鑑提出者本人が利用できる、対応した有効な電子証明書がある
- 使用するWindowsのPCが、ソフトの動作環境に合っている
- カードの読み取りに必要な機器や設定、署名用電子証明書の暗証番号などを確認できる
印鑑カードだけでは、オンライン請求の準備は完了しません。 電子証明書が未取得なら、取得方法と所要日数を先に調べます。対応するPCを用意できない場合や提出日が迫っている場合は、法務局の案内で郵送請求の方法も確認してください。
準備が整ったら、公式サイトからソフトをインストールしてログインします。印鑑証明書の交付請求書を作成し、会社や印鑑提出者の情報、印鑑カード番号、必要通数、送付先などを入力します。内容を確認したうえで電子署名を付け、送信します。電子証明書や暗証番号を、事務担当者へ渡して代理操作させる運用は避けてください。
4. 送信後に手数料を払い、郵送を待つ
送信を終えたら、システムの処理状況を開き、納付情報を確認します。請求だけ済ませて安心すると、支払いが残ったままになるので、ここまでを一続きの作業にすると忘れにくくなります。
オンライン請求の手数料は、案内に従ってインターネットバンキングなどで電子納付します。利用する金融機関が対応しているか、会社口座から支払えるかを事前に見ておきましょう。窓口で書面請求するより手数料を抑えられるほか、法務局までの交通費も減らせます。手数料は受取方法などで異なるため、公式案内と納付画面で金額を確認します。
- 納付情報に表示された金額と納付期限を確認する
- 対応する金融機関から支払い、利用明細を保存する
- システム上で納付後の状況や、お知らせの有無を確認する
- 到着した証明書の種類、通数、会社情報を確認する
オンラインで請求しても、その場で証明書のPDFを受け取る手続きではありません。 郵送を選ぶ場合は、法務局での処理と配送の時間を見込みます。提出先への発送が必要なら、その日数も加えてください。
転居直後や、商号・本店・役員の変更登記を申請中の会社は、特に注意が必要です。新しい内容が載った証明書を求められている場合は、変更登記の完了を確認してから請求しましょう。
5. 登記情報を閲覧するサービスとは使い分ける
検索すると「登記情報提供サービス」も見つかります。こちらは会社の登記情報をオンラインで確認するためのサービスで、取得した情報には証明文や公印が付きません。提出先が履歴事項全部証明書の原本を求めている場面では、閲覧した情報を印刷しても代わりになりません。
ただし、手続きによっては照会番号を使って登記情報を確認してもらえる場合があります。提出先から指定があるときに、その案内に合わせて利用します。
- 証明書の原本を提出するなら、登記事項証明書を請求する
- 会社の登記内容を確認するだけなら、登記情報の閲覧を検討する
- 照会番号でよいと言われたら、提出先の指定に従う
初回の請求が終わったら、利用したサービス名、請求日、通数、支払額を社内メモに残します。暗証番号はそのメモに書かず、安全な方法で別に管理してください。
6. 今日やること
提出先への確認を済ませてから、自社のPCで進められるところまで準備します。
- 提出先へ、証明書の正式名称・通数・発行日の条件・提出期限を確認する
- 登記・供託オンライン申請システムの公式案内を開き、申請者情報を登録する
- 印鑑証明書も必要なら、WindowsのPC、印鑑カード、対応する電子証明書の有無を確認する