税金と消費税・約6分
税務署から「お尋ね」が届いたら最初にすること
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
税務署から届いた書類は、種類と回答期限を確認して税理士へ共有します。手元に残す資料と、税理士が未定の場合の相談手順を整理します。
1. 開封したら、書類の名前と期限を確認する
税務署から「お尋ね」が届いたら、その場で回答を書かず、書類の名前と回答期限を確認して税理士へ連絡します。登記したばかりで申告前でも、会社宛ての郵便は開けて中身を確かめてください。
封筒に税務署名があるだけでは、何を求められているかは分かりません。事業内容の確認なのか、提出した書類についての質問なのかを読み取ります。督促状や納税告知書は、行政指導としてのお尋ねとは異なる書類です。まず机の上で全ページを広げ、次の情報を確認しましょう。
- 文書の正式な名称と発行日
- 宛名が会社か、社長個人か
- 対象となる税金、期間、取引
- 回答期限と提出方法
- 発行元の部署、担当者名、問い合わせ先
社長個人宛てなら、会社の顧問契約に対応が含まれているかも確認します。会社と自宅が同じ住所でも、会社の税金についての書類とは限りません。
「お尋ね」という言葉だけで、税務調査かどうかや対応の必要性を決めないでください。 行政指導としてのお尋ねは回答が任意で、税務調査とは異なります。ただし、放置して疑問点が解消されないと、税務調査へ移行する可能性があります。「任意だから無視してよい」と考えず、文書の性質と対応を税理士に確認します。
2. 封筒ごと残し、全ページを共有する
連絡する前に、届いた状態を記録します。封筒と同封物を一緒に保管し、スマートフォンの写真やスキャンで控えを作ってください。回答欄だけを撮ると、質問の前提や提出方法が抜けてしまいます。
裏面に説明があることもあります。添付資料の一覧や返信用封筒も含めて確認し、文字が読める状態でまとめます。原本にメモを書き込む前に控えを取ると、受け取った文面をそのまま共有できます。
- 封筒の表面と裏面
- 本文と回答用紙の全ページ
- 記入例、案内、添付資料の一覧
顧問税理士への送付は、普段使っている共有フォルダや連絡先を使います。書類に個人情報や税務上の情報が載っているため、送信前に宛先も見直しましょう。
なお、e-Tax等をかたる不審なメールは別の問題です。メール内のリンクから送金やログイン情報の入力をせず、公式サイトの案内を確認してください。
3. 税理士には、回答案より届いた事実を伝える
書類を共有するときは、長い説明を作る必要はありません。受取日、期限、対象、すでに対応したことを短く添えます。最初の連絡が遅れると、税理士が資料を確認する時間も減ります。
たとえば「本日、会社宛てに同封の文書が届きました。回答期限は文書記載のとおりです。まだ回答していません。内容の確認と、こちらで用意する資料の指示をお願いします」と送れば、対応を始めやすくなります。
自分から回答する前に、誰が内容を確認し、誰が税務署へ返すかを決めます。 書類を送っただけで依頼が完了したと思わず、受領と対応予定の返事まで確認してください。
- 今回の文書への対応を依頼できるか
- 顧問料の範囲か、別途費用がかかるか
- 社長が用意する資料は何か
- 回答内容の確認日と提出担当をどうするか
すでに税務署へ電話した場合は、日時、相手の部署と名前、質問された内容、自分が答えた内容も共有します。記憶が曖昧な部分は、曖昧なままと伝えて構いません。会話を整えて書き直すと、実際に何を話したか分からなくなります。
4. 質問に関係する資料を集め、分からない欄は残す
税理士から準備する資料の指示が来たら、対象の期間と取引を絞って探します。創業直後は、会社の口座ができる前の支払い、社長の立替え、設立前後の取引が混ざりやすいため、記憶だけで説明を組み立てないようにします。
入金について聞かれているなら、口座の履歴と請求書、契約内容を照らし合わせます。会社の口座に入ったお金でも、売上、社長からの貸付け、取引先からの前受けなど、内容は異なります。「たぶん売上です」と先に答えると、後から説明を直す負担が生じます。
資料は、質問された事実を確かめるために集めます。求められていない期間の書類まで一気に送る前に、提出範囲を税理士に確認してください。
- 質問された取引の契約書や請求書
- 対象期間の入出金履歴や帳簿
- 取引の経緯が分かるメールや納品記録
見つからない資料や説明できない入出金は、別のメモに残します。数字を合わせるために帳簿を書き換えたり、日付を推測で埋めたりしないでください。誤りに気づいた場合も、元の記録を残して税理士へ伝え、訂正の要否と方法を相談します。
5. 税理士が未定なら、急いでスポット税理士を探す
まだ顧問税理士がいない場合は、文書に記載された期限を見て、まずはスポット対応できる税理士を探します。依頼先探しが終わるまで封筒を置いておくと、準備に使える日が減ってしまいます。
税理士には「税務署から届いた文書への対応を依頼したい」と伝えます。回答期限と書類の種類を先に知らせ、対応可能か確認してから資料を共有すると話が進みます。
- 期限までに内容を確認してもらえるか
- 回答案の確認や税務署との連絡も依頼できるか
- スポット対応の費用と必要な資料
相談前に税務署へ電話して、その場で取引内容や税務上の判断を答えることは避けてください。 不用意な説明は事実との食い違いを生み、追加確認や調査につながるおそれがあります。確認の結果、申告漏れ等が判明すれば追加の納税が必要になる場合もありますが、電話したこと自体で課税が決まるわけではありません。
期限が迫り、税理士への相談前に直接連絡する必要がある場合は、受領の連絡と期限の相談にとどめます。内容を質問されても「税理士と資料を確認してから回答します」と伝え、回答を保留してください。推測で説明せず、日時、担当者名、質問と返答を記録します。
連絡しただけで期限が延びたとは考えず、相手の回答を記録してください。 メモは後から依頼する税理士にも渡します。
6. 今日やること
郵便を受け取った日のうちに、確認と連絡まで進めましょう。資料集めに時間がかかりそうでも、書類の共有を先に済ませます。
- 封筒を開け、文書名、宛名、対象期間、回答期限を確認する
- 封筒と全ページの控えを取り、税理士へ受取日と対応状況を添えて送る
- 税理士が未定ならスポット税理士を探し、至急相談を申し込む