税金と消費税・約6分
申告した数字が違ったら、最初にすること
公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論
申告後に間違いに気づいたら、修正前の資料を残して税理士へ連絡します。集める資料と、相談から訂正後の確認までの順番を整理します。
1. 間違いに気づいたら、元の数字を残す
申告した数字が違うと思ったら、帳簿を書き換える前に、申告時の資料と間違いが分かる資料を残し、税理士に連絡します。 全部調べ終わるまで待つ必要はありません。
初めての決算後には、机の奥から領収書が出てきたり、取引先から請求額の訂正が届いたりします。ただ、資料が一枚見つかっただけで、申告も間違っているとは限りません。税理士が決算時に調整している場合や、別の月に同じ取引を記帳している場合もあります。
先に会計ソフトの金額を直すと、申告に使った数字と現在の数字の違いを追いにくくなります。まずは変更前の状態を保存してください。
- 提出した申告書の控えと、電子申告の受信通知を確保します。
- 該当する取引の帳簿を、PDFやデータで保存します。
- 気づいた日と、疑問に思った理由をメモします。
自分で申告した場合も順番は同じです。申告書の控えが見つからなければ、提出に使ったソフトや保存先を確認し、その状況も相談時に伝えます。
2. 資料は「一つの取引」でひとまとめに
税理士が確認したいのは、どの取引について、何が起き、帳簿にどう入っているかです。領収書だけを送るより、取引の始まりから入出金までをまとめると、確認の往復を減らせます。
たとえば、同じ外注費を二重に記帳した疑いがあるなら、請求書に加えて、帳簿上の二つの記録と支払いが分かる明細を用意します。二回の記帳があっても、片方は支払予定の登録で、もう片方はその精算かもしれません。見た目だけで片方を削除しないでください。
売上の金額が違う場合には、入金額だけでは判断できないこともあります。振込手数料が差し引かれたのか、値引きがあったのか、分割払いなのかを区別するためです。
- 取引の内容が分かる契約書、発注書、請求書を集めます。
- 納品日や作業完了日が分かるメールなどを添えます。
- 入出金が分かる通帳やカードの明細を添えます。
- 帳簿上の日付、金額、科目が分かる記録を添えます。
請求書が訂正されているなら、訂正前と訂正後の両方を残します。手元にない資料は「未入手」と書けば十分です。取引先への再発行依頼に時間がかかる場合も、税理士への第一報は先に入れます。
3. 税理士には「いつの申告か」から伝える
連絡先は、まずその申告を担当した税理士です。「経費が違いました」だけでは、申告前の話か、提出済みの話かが伝わりません。対象の決算期、疑わしい取引、分かっている事実の順に書きます。
最初の連絡では、税額を自分で計算する必要はありません。間違いだと思う金額と、追加で確認していることを分けて伝えてください。複数の取引があるなら、一覧にして資料と対応させます。
- 対象の決算期と、分かれば申告日を伝えます。
- 取引先名、取引日、帳簿の金額、正しいと思う金額を伝えます。
- 二重計上、記載漏れなど、疑っている理由を伝えます。
- 元資料の有無と、会計ソフトを変更したかを伝えます。
メールの本文は「前期の外注費について、同じ請求書を二重に記帳した可能性があります。該当する帳簿と請求書、支払明細を添付します。帳簿はまだ変更していません」といった書き方で足ります。
申告を頼める税理士がいない場合は、税理士に提出済み申告の確認を依頼できるか問い合わせます。手続きの窓口や提出方法は、申告先の税務署などにも確認します。申告期限が近い場合や税務署から連絡が来ている場合は、冒頭でその日付と内容を伝えてください。
4. 訂正方法は、期限と税額への影響で変わる
相談後は、本当に申告の訂正が必要なのかを確認します。帳簿の表示だけの問題なのか、所得や税額まで変わるのかで、その後の作業が違います。
申告期限を過ぎていて、納めた税金が少なかった場合などは、申告内容を訂正して不足分を納める「修正申告」を検討します。反対に、納めた税金が多かった場合などは、税額の減額を求める「更正の請求」を検討します。期限内に気づいた場合も含め、使う手続きと期限は税理士に確認してください。
赤字の会社でも、確認は必要です。その期の納税額が変わらなくても、翌期以降に引き継ぐ赤字の額などに影響する可能性があります。法人税だけでなく、消費税や地方税にも訂正が及ぶかを見てもらいます。
- 訂正が必要な申告と、提出先を確認します。
- 手続きの期限と、資料を渡す期日を確認します。
- 追加納付や還付の見込みと、その時期を確認します。
- 追加の税負担や、税理士の対応費用を確認します。
「来期の経費を減らして合わせよう」と自分で調整するのは避けます。どの期の帳簿をどう直すか、税理士の指示を受けてから操作してください。
5. 提出後は、納付と帳簿まで確認する
訂正の書類を提出したら、受付の控えを受け取り、納付が必要な場合は金額と期限を確認します。資金が足りない見込みなら、早めに税理士と納付先へ相談してください。還付を求めた場合も、入金前のお金を支払いの当てにしないようにします。
保存する資料は、当初の申告書を訂正版で上書きせず、それぞれ区別します。翌期の処理に影響がある場合は、会計ソフトへの反映を誰が行うかも決めておきます。
- 当初の申告書と、訂正に関する書類・受付の控えを分けて保存します。
- 納付があれば、その完了記録を保存します。
- 帳簿の修正内容と、翌期への影響を確認します。
再発防止は、今回の原因に合うものを一つ決めます。二重計上なら取込経路を整理し、資料漏れなら月末に未提出の請求書を確認する日を置く、といった対応です。
6. 今日やること
まだ間違いと決まっていなくても、「この取引を確認してほしい」と連絡して構いません。資料が不足していることも含めて伝え、次の作業を決めます。
- 申告書の控えと、疑わしい取引の変更前の帳簿を保存します。
- 請求書や入出金明細を集め、分かっている事実を短くメモします。
- 担当税理士へ第一報を送り、確認の順番と資料の提出日を決めます。