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経営の数字・約5

売上を分解して伸ばす、小さな会社の考え方

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

売上を客数・単価・頻度に分解し、小さな会社が優先して取り組むべき手順を解説します。無理のない価格設定や、リピートを促す具体例を整理します。

1. 売上を「客数×客単価×購入頻度」に分解して現状を把握する

創業1年目の会社が売上を伸ばそうと考えたとき、多くの経営者は「新しいお客様を増やさなければならない」と考え、新規開拓ばかりに気を取られてしまいます。しかし、実績も知名度もない創業期に新しい顧客を獲得するには、膨大な時間と営業広告費がかかります。売上を伸ばするうえでは、まずは売上を細かく分解し、最も効率良く改善できる部分から手を付ける戦略が有効です。

売上は、シンプルな計算式で3つの要素に分解して管理します。

  • 売上 = 客数 × 客単価 × 購入頻度(リピート回数)

売上を伸ばすアプローチは、新規顧客を呼び込む「客数」を増やすことだけではありません。1回の取引で支払ってもらう「客単価」を上げること、または同じ顧客に何度も注文してもらう「購入頻度」を高めることでも、売上は着実に増えていきます。小さな会社ほど、まずは広告費や手間をかけずに取り組める「客単価」と「購入頻度」の改善から着手するべきです。

2. 新規開拓よりもハードルの低い「客単価」から改善を進める

売上向上の最初のステップとして、最も短期間で効果が現れ、かつ資金負担がないのが客単価の改善です。これには、製品自体の値上げを行う方法と、関連する製品や上位サービスを組み合わせて提案する方法の2つがあります。

まず、競合他社と比較して安すぎる価格設定をしている場合は、適正な水準まで標準価格を見直します。創業期にありがちな「安くしないと売れない」という不安から薄利多売の罠に陥ると、労働時間だけが増えて利益が残らなくなります。値上げの際は、自社の提供する付加価値を丁寧に説明します。

次に、単一のサービスを販売するのではなく、複数のオプションを組み合わせたパッケージ提案を行います。

  • 松竹梅のプラン設計:ベーシックプランのほかに、上位の「おすすめプラン」、最上位の「フルサポートプラン」の3種類を用意し、客単価を引き上げる。
  • 関連サービスの追加提案:コンサルティング業務に加えて、マニュアルの作成代行や初回の初期設定サポートを有料オプションとして提示する。

顧客の選択肢を増やすことで、無理な売り込みをすることなく、自発的に高単価なプランを選んでもらう仕組みを構築します。

3. 購入頻度(リピート回数)を高めるための継続的なアプローチ

売上を構成する3つ目の要素である購入頻度を高めることは、新規顧客を獲得するよりも約5分の1のコストで済むと言われています。一度取引を行った顧客は、自社のサービスの品質をすでに知っているため、信頼関係が構築しやすく、再度購入してもらえる確率が高くなります。

顧客に忘れられずに定期的なリピート購入を促すための具体的な手法は以下の通りです。

  • 定期的な情報発信とリマインド:取引完了後も、役に立つ業界動向のレポートや、アフターメンテナンスの案内をメールや手紙で定期的に送付します。
  • サブスクリプション(継続課金)モデルの導入:単発の仕事を、月額制のサポート契約や顧問契約へ移行させます。
  • 次回予約の仕組み化:美容業や整体業、士業の定期面談などでは、当日の会計時に「次回は〇月〇日頃が最適です」とご案内し、その場で次回の予約を確定させます。

「一度売って終わり」にするのではなく、顧客が継続して自社に関わり続けるための仕組みを設計することが、月々の安定した売上の基盤を形成します。

4. 小さな会社が参考にするべき売上向上につながる実例の型

小さな会社でよく使われる、売上の伸ばし方の型を2つ挙げます。数字は説明のための例です。自社の事業に置き換えて考えてください。

  • B2B専門サービス業(コンサルタントや制作業など)の型

たとえば1回30万円で受託しているホームページ制作に、月々の運用保守と相談をセットにした「月額3万円の継続プラン」を用意する型です。購入頻度が「年に1回」から「毎月」に変わり、売上の見通しが立ちやすくなります。

  • 専門工事・リフォーム業の型

工事完了から3か月後、6か月後、1年後に定期点検の案内を送る型です。「別の場所も気になっている」という追加の相談が入りやすくなり、広告費をかけずに再注文につながります。

大がかりな広告をしなくても、計算式の要素を1つずつ動かす小さな改善を積み重ねることで、売上は伸ばせます。

5. 今日やること

  • 自社の現在の「客数」「平均客単価」「年間平均購入頻度」の数字を帳簿から抜き出す。
  • 自社のサービスに「松・竹・梅」の3つの価格プランを作るとしたら、どのような内容にするか設計する。
  • 過去に一度でも取引のあった顧客のリストを作成し、近況伺いの連絡を送るスケジュールを決める。

次の一歩

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