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税金と消費税・約6

中古車で節税するなら、決算何か月前に買う?

公開・あさひ国際会計株式会社

先に結論

4年落ちの中古車でも、決算直前の購入では経費にできる額が限られます。使用開始日と手元資金から購入時期を考えます。

1. 決算直前に買っても、全額は経費になりません

今期の経費を増やす目的なら、中古車は決算間際より、事業で使い始める時期を早めるほうが償却額を多く取れます。ただし、「決算の何か月前なら正解」という共通の期限はありません。経費になる額は、買った日だけでなく、事業で使い始めてから決算までの月数で変わります。

車の購入代金は、原則として購入時にまとめて経費にせず、使用する期間に配分します。この処理が減価償却です。「4年落ちなら一度に落とせる」と聞いていても、決算月に使い始めた車と、期首から使っている車では当期の償却額が違います。

見積もりを取る前に、次の項目を一枚に書き出してください。

  • 今期の決算日と、決算までの残り月数
  • 車の購入を反映する前の利益見込み
  • 仕事で車が必要になる時期と用途

設立初年度は、事業年度が12か月に満たない会社もあります。登記した月から決算月までが短ければ、設立直後に購入しても、今期に12か月分を償却する扱いにはなりません。

2. 「4年落ちで2年」の仕組みを知っておく

中古車で節税の話が出るのは、新車より短い期間で購入代金を経費に配分できる場合があるためです。一般的な普通乗用車の法定耐用年数は6年ですが、中古資産は使用可能期間を見積もる方法のほか、一定の条件で簡便法を使えます(国税庁)。

法定耐用年数の一部を経過した車なら、簡便法では「法定耐用年数から経過年数を引いた年数」に「経過年数の20%」を加えます。1年未満の端数は切り捨て、計算結果が2年未満なら2年とします(国税庁)。

普通乗用車でちょうど4年経過していれば、計算は次の順です。

  • 法定耐用年数6年から経過年数4年を引き、2年とします。
  • 経過年数4年の20%に当たる0.8年を加え、2.8年とします。
  • 1年未満を切り捨て、耐用年数を2年とします。

ただし、軽自動車や貨物車は、もとの耐用年数が異なります。広告の「4年落ち」という表示だけで判断せず、車検証の初度登録年月など、経過期間を判断する資料を税理士に渡してください。購入後に多額の改良を加える場合も、簡便法を使えるか確認が要ります。

3. 耐用年数2年でも、今期の償却額は月割りです

「2年で償却する」と聞くと、毎年半分ずつ経費にすると思うかもしれません。実際には会社が採用する償却方法で計算が変わります。

毎年おおむね同じ額を配分する方法を定額法、未償却の残高に一定の率を掛ける方法を定率法と呼びます。法人が車両について別の方法を選定していなければ、原則として定率法を使います。現在取得する耐用年数2年の資産は、定率法の償却率が1.000です(国税庁)。

この条件で、新たに取得した車を12か月の事業年度中に使い始める場合、初年度の償却限度額は、おおむね「取得価額×1.000×使用月数÷12」で考えられます。

  • 使用期間が1か月なら、取得価額のおおむね12分の1です。
  • 使用期間が3か月なら、取得価額のおおむね4分の1です。
  • 使用期間が6か月なら、取得価額のおおむね半分です。

12か月使えば取得価額のほぼ全額を償却できる計算ですが、償却後も備忘価額の1円を残します。また、税務上の限度額まで自動的に経費になるわけではなく、会社の帳簿で償却費を計上する必要があります(国税庁)。

耐用年数2年という条件だけで、今期に全額を経費にできるとは判断しないでください。 定額法を選んでいる会社や初年度が短い会社は、自社の条件で試算してもらいます。

4. 購入の締切は、納車から逆算して決める

今期に償却を始めるには、決算日までに事業の用に供している必要があります。契約、代金の振り込み、名義変更だけを済ませても、それだけで使用開始になるとは限りません(国税庁)。

営業車なら、納車後に営業訪問など業務で使い始めた状況を説明できるようにします。決算前に入金しても、整備が延びて納車が翌期になれば、通常は今期の償却を見込めません。

販売店には、契約できる日より先に次を確認してください。

  • 整備と登録にかかる期間
  • 納車予定日と、遅れる可能性
  • 納車までに自社でそろえる書類

そのうえで、狙う使用開始月から購入手続きを逆算します。3か月分の償却を見込むなら、決算月を含む最後の3か月の最初の月には、業務で使い始める段取りが必要です。

使用期間の1か月未満の端数は、1か月として計算します(国税庁)。ただ、月末ぎりぎりの納車を前提にすると、少しの遅れで見込みが変わります。注文書、納車書類、業務で使った日と行き先の記録を残し、使用開始日の扱いは税理士に確認してください。

5. 節税額より、買った後の預金残高を見る

早く償却しても、車の代金が戻ってくるわけではありません。減る税金は、経費にした額の一部です。支払いと税負担の軽減には時期のずれもあるため、購入後に運転資金が足りるかを先に確認します。

現金で買うなら代金が一度に出ていき、ローンなら返済が続きます。ローンの元本返済は、その都度の経費にはなりません。どちらを選んでも、駐車場、保険、車検、修理の負担は残ります。

決算が近づいたら、購入する場合と見送る場合を並べて、税理士に試算を頼んでください。

  • 今期の償却額と、税額の差
  • 購入時の支払額と、その後の維持費
  • 納税や仕入れ代を払った後の預金残高

すでに赤字が見込まれるなら、償却費を増やしても今期の税金がすぐ減るとは限りません。私用にも使う予定があれば、会社負担の範囲や記録方法も相談します。仕事に必要な車種と状態を決め、その候補の中で購入時期を比べる順番にしてください。

6. 今日やること

販売店への申し込み前に、候補車の資料と決算日をそろえましょう。税理士には「節税になりますか」だけでなく、購入後のお金まで含めて確認します。

  • 車検証の情報と見積書を取り寄せ、経過年数と納車予定日を確認します。
  • 採用中の償却方法を税理士に聞き、使用開始月ごとの今期の償却額を出してもらいます。
  • 購入代金、維持費、納税予定を資金繰り表に入れ、注文するか決めます。

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